ついていきたい上司を見極める方法
どうもこんにちは、Erinaです。
みなさんにとって、「ついていきたい!」と思える上司ってどんな上司ですか?
今回はズバリ、アメリカ企業版「上司の評価」をしてみようと思います。笑
アメリカでは日本のように、仕事の後に上司と飲みに行く、なんていう文化が存在しないので、職場にいる時間だけが上司との時間になります。
この間で自分の上司のことを知り(もちろん仕事はしてね)、彼・彼女の仕事への思い、チームへの思い、社内でのポジション、個人的なことを知るのは、実はけっこう難しいのです。なので、日本ほどでなくても、社外で個人として上司ともうちょっと時間を過ごせたら良いのにな、なんて思ってしまうこともあります。
まぁ、そんな風に思えるのも、実は私が今の上司をすごく信頼し、評価し、ついていきたいと思えるからなのですが、今日はそういう上司の選び方を書いてみようと思います。
1. 上司と自分の関係
新卒でついた前職の上司の下で感じたこと、それは。
「上司は神である」
ということでした。
上司が黒と言えば、たとえそれが白だとしても黒になります。
その傾向にあまりに問題がある場合は、もちろん上層部から処置もされますが、それが上層部に伝わるかどうかの主導権も上司にあることがほとんど。
つまり、「上司によって自分のキャリアは左右される」ということです。
自分に能力があっても、物の見方が違ったり、コミュニケーションがうまくいかなかったりすれば、全くもって評価されません。それどころかチャンスも与えられません。
私はこの事実を知り、当時のチームの中で派閥ができていく様子を見ることになりました。
数学博士号を持つとても優秀な同僚がいました。彼の説明や理論はとても明確で、プレゼンも上手だと私は感じていましたし、人柄もとても良い人。しかし、当時の上司は彼を評価することなく、「彼の能力は無駄になっている」と感じていました。
結果、同じように感じていたこの同僚は、他のプロジェクトなどをきっかけに、チームの外部にネットワークを広げていく選択をしました。
2.上司の将来性=自分の将来性
自分がこの会社で出世できるかどうか、社内でどんな役回りになっていくかは、上司と会社(上層部)との関係に左右されます。
私の現在の上司は、サンディエゴのこの業界では知らない人はいないくらい認知されている人です。彼女の上司からの信頼も厚く、(良い意味で)好きにやらせてもらっている印象です。
彼女のもとで働くことで、その知識やスキルを学べます。また、それだけでなく、彼女のもとで働いたという実績や評価が私自身にも残るわけです。(上司が私に不満を持ってたらダメですけど。)
よく、昇進への道は「コーポレート・ラダー」(Corporate Ladder)と呼ばれます。ラダーは「ハシゴ」ですね。
私が思うに、このハシゴを登るのは自分だけれど、そのハシゴがどこへ向かっているか、というのは上司の影響が大きいでしょう。
毎日、同じようにする仕事でも、それが将来的に評価されるかされないかで、自分の仕事への意欲も変わってくるでしょう。それは毎月のお給料だけでなく、長期的に見た時に、今の職場、今の上司の下で、自分の時間を費やす価値があるかどうか、を考える必要があります。
もし自分の上司が、会社の誰からも信頼されず評価されていなければ、まずチーム自体が見落とされることになるでしょう。「あ、あそこのチームの人間だから」と思われるわけです。この場合、自分でアンテナを張り、直接、チームの外の人たちと交流をしていかなければ、おそらく新しい道は開かれません。
前述した数学博士号の彼も、他チームとのプロジェクトを機に、別チームに引っ張られていきました。または、不満を表に出さず、円満転職をする。 これも手段です。
3.上司のことを知る
あなたの上司はどんな人でしょうか?
仕事の利害を抜きにしても、付き合っていきたいと思える人でしょうか?
日本なら、仕事後に飲みに行くことで、家庭のこと、昔の仕事のこと、友達のこと、同僚のことなど、仕事とは関係ないことを知り合うきっかけになります。
しかし、これはアメリカではできません。というか、やる人はほとんどいません。「仕事の人」という一線を超えるのは、なかなか難しいのです。
そうは言っても、仕事上の話をするだけではやはり面白みも無いですよね。そこで、Mikaさんがここでも書いたようなアメリカでの企業文化を練習します。
まずは、「たわいもないおしゃべり」。
朝、出社してきたときに「おはよう。週末はどうだった?」から始めます。
私:「実は、トイレが溢れて水浸しなんです・・・。」
ボス:「えぇ~!引っ越したばかりなのに、大変ねぇ。どうなったの?」
私:「まだ扇風機をガンガン回してますよ・・・。いいの、そのうちハードウッドフロアにする予定だったから。で、あなたの週末はどうでした?」
ボス:「息子がニューヨークから帰ってきてるのよ~。」
私:「あら、良かったですね!いつまで居るんですか?」
ボス:「今回は仕事探しだから、しばらく居ると思うわ。向こうじゃ仕事が見つからなくてね・・・。」
私:「へぇ。どんな仕事を探してるんですか?」
・・・・・・続く
なんて会話を、挨拶のたびにします。そうなると自分のデスクに行くまでに15分かかることもありますが、まぁこれも仕事のうちなので、誰も文句は言いません。こうやって上司との会話を広げていきます。
その次は、「仕事に絡ませたおしゃべり」。
「ちょっとここ、質問があるんですけど。」と聞きに行くときに、会話が膨らむような質問を用意します。
私:「これって何ですか?」
ボス:「それはAよ。」
私:「わかりました。」
で終わらずに、次の質問を投げかけることを心がけましょう。直接の仕事に関わらなくても、上司の経験やそこでの個人的な意見を引き出せる質問です。
ここでの裏ワザは、質問をオープンクエスチョンにすること。
つまり、イエスかノーで答えられる質問でなくて、How, What, Whyなどを使った質問にします。
- “How did they decide this?”
- “How did you come across with this?”
- “Why is this way?”
- “What makes this different from other deals?”
なんて感じでしょうか。
ニュースや地元の動向にアンテナを張っておくことも重要で、自分が知れば知るほど会話も増えます。
私:「そういえば、うちのクライアントのBさん、ニュースで見たけど、こういうこともしてるらしいですね。」
ボス:「私も見たわ。彼、このビジネスを30年やってるのよ。奥さんと一緒に大学基金を作ってね。」
私:「へぇ~。子どもたちも関わってるんですか?」
ボス:「そう、実質は子供たちが引き継いだみたい。だけどいざこざはどこにでもあるものでね。」
私:「あ~、そうなんですか。やっぱりそういうの、あるんですね。」
ボス:「家族でビジネスって言うのが一番、大変なのよ。」
私:「そうですね。アジア系では多いですけど・・・。私は自分の旦那とはビジネスはできないなぁ。(笑)」
ボス:「私も。私の主人はなんというか・・・『質素』だから。(笑)」
な~んて、どこで会話の流れが変わるかわかりません。
・・・・・と、これらが、自分の上司を評価するための個人的な項目です。
これらを踏まえた上で、上司の見極めはいつするのか。
それはズバリ、「面接のとき」です。
「え!そんな前から?!」と、驚くかもしれませんが、実は面接から上司とあなたの関係は始まっています。そこで「この人の下で働きたいな」または「働きたくないな」を察知しておかないと、「こんなはずじゃなかった・・・」ということになるのです。
もちろん、面接の段階ではわからないことはたくさんあるでしょう。上司の業界内での評価や、会社での立ち位置、ストレスマネジメントの上手さなどは、面接ではわかりません。
ただ、上司がどんな人間なのか、この人の下で働きたいと思えるかどうか、それは面接をしに行ったときに自分で見つけなくてはいけません。
面接というと、自分だけが試される、質問される、調べられる、というイメージがありますが、私はそうは思いません。
逆に、自分がこれから働く場所、生活の一部になる場所ですから、そこで働く人や上司が、どんな人たちなのか知るための機会だと私は思います。
- 部下に愛情とリスペクトを持っている人か?
- 仕事に情熱を持っているか?
- 会社をどれだけプレゼンできるか?
- 自分を大切にしてくれるか?
それらを見極められる質問をしましょう。
上司は完璧ではありません。誰にだって得意・不得意はあります。それを「客観的」に評価し、自分のゴールとすり合わせをしていく。それが可能ならば良い上司だと私は思いますし、そうでなければ転職など別の可能性を考えるのも一つだと思います。
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面接では建前で話がされる事も良くあり、上司の資質を正確に判断するのは難易度が高い、と考えています。
部下の育成とリーダーシップ、マネージャーとしての責任についての価値観が、いまの自分には重要だと考えています。
個人的には、具体的な質問を投げかけるしかない、と考えました。こんな問題が起こった時にどう対処するか?や新しい規制についての見解を聞く、など。
上司の資質を見極める為の最も有効な質問ってなんだと思いますか?