アメリカからのメッセージ 日本の企業さん、マジ大丈夫っすか?

スピード感

こんにちは、Masaです。

 

ここ1週間ほど、北朝鮮との緊張が続く世の中、日本の方々はどんな気持ちで毎日をお過ごしでしょうか。

トランプいわく、

 

「世界が未だ目にしたことのないような炎と怒りに直面するだろう(it would be met with fire and fury like the world has never seen.)」

 

この言葉に、多くのアメリカ人も反応しています。毎日のようにニュースとして取り上げられています。私の周りのほとんどの人たちの反応は、

 

「ばかなこと言ってんじゃねぇよ。マジやばくね。」

 

ただ、日本や韓国の人たちほど緊張感はなさそうです。

 

さて、今日のお話、最近日本やアメリカだけではなく、世界のいろいろなところで話題になっていることについて、

 

「ああ、やっぱりな」

 

と思ったことについて。

 

“Case Study in How to Blow It as an iPhone Supplier” (The Wall Street Journalより)

 

日本語では、

 

「iPhoneサプライヤーの失敗例、ケーススタディ」(かな?)

 

ご存知のように、いろいろな部品メーカが、自社製品をアップル製品に使ってもらえるように、日夜アップルに足を運び営業活動をしています。私の友人で数人、アップルで働いている技術屋がいるのですが、彼らによれば、ほぼ、毎日のように部品メーカが足しげく訪問してきて、自社製品の売込みをしているそうです。

それもそのはずで、いったんアップル製品、特にiPhoneやiPadに製品が載れば、一生安泰...とまではいかないまでも、「iPhoneに製品が載っている」というだけで、ものすごいマーケティング効果になるのですから。そのために、毎日アップルに足を運び、赤字覚悟の見積もりをだしている部品メーカがどれほどいるか。

 

ウォールストリートジャーナルに出ているこの記事は、「ジャパンディスプレイ」のこと。

ジャパンディスプレイ 3700人削減を正式発表

など、日本でも話題になっていますね。

 

ジャパンディスプレイはアップルに「液晶パネル」を納入していたのですが、ご存知の通り、Samsungや他携帯電話メーカーが続々と、液晶パネルから「有機ELパネル」に乗り換え始めたんですね。アップルもそのうちのひとつ。iPhone 8はアップル初の有機ELパネルが採用されるとか。また来年以降はすべて有機ELパネルになるとか。

 

で、LGだとかSamsungなどは、

液晶パネル ⇒ 有機ELパネル

という携帯電話の図式をすでに随分前に見越していて、有機ELパネルの技術開発のために先行投資をしっかりとしていたわけです。

 

もともと、ジャパンディスプレイの業績は今日までそれほどいいものではなく、さらに有機ELへの移行が遅くなったため、手の付けられない状況にまで落ちこんでしまった、ってことのようです。

 

正直、この話、個人的にはめちゃくちゃ学ぶところが大きい。

 

このような状況になってしまった原因は、今更ながら、以下の2つ、

 

・先を読む能力の欠如
・スピード感の欠如

 

と思っています。

大企業病の原因というか、弊害というか、そんなものですね。ただ、こういった問題は、大企業だけではなくて、ふつーの企業にも起こりうる話じゃないですかね。

大きな会社に入り込むことができて、安心してしまったので、将来に向けての開発業務を怠ってしまった、とか、独占的にやっていたが、他社もどんどん参入してきて、コスト削減活動も満足にしておらず、結果、値段で勝てず持っていかれてしまったとか。

 

最近つくづく感じるのですが、これから先、「スピード感を持って先をどんどん読みながら進む」ってことがいかに大切なことか。技術ってものすごいスピードで進んでるじゃないですか。なので、ほんの少しよそ見しているだけで、他社よりもどんどん遅れていって、気がついたときには、もう手の付けられないところまできているんです。それでも気がつかない人たちがどれほど多いことか。こういうの平和ボケっていうのかな...。

 

アメリカにいていつも思うのが、

 

スピード感が半端ない

 

日本にもっとがんばってもらいたいんですよね。日本の技術ってまだまだいけると思うんですよ。底力っていうのか、まだまだ他に負けないものってたくさんあると思うんです。

日本に足りないところは、これだけって言っても過言じゃないと思います。

 

スピード感

 

のろのろしていてはダメです。他社はえらいスピードで突っ走ってます。それに追いつくことを目的として突っ走ってていてはダメです。それを一瞬にして追い抜いて、ようやく現状が打破できるかなってくらい。そこから、他社を引き離すために、がむしゃらに突っ走ります。

 

俺も全速力で走るぞ! 

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8 comments on “アメリカからのメッセージ 日本の企業さん、マジ大丈夫っすか?”

  1. スピード感がない理由ですが、失敗を恐れるからではないでしょうか。どんな細かいミスでも「終わり」という感覚があるので、すべてに100%を求める。100%を求めれば当然時間もかかります。一方で外国の旅行者が日本に来ると電車の時間の正確さや町並みのゴミのなさが評価されます。これって「100%」主義との裏腹ではないでしょうか。日本はどちらに向かえばよいのでしょうか?

  2. 齋藤さん、コメントありがとうございます。

    確かに100%を求めているからなのかもしれませんね。日本人は「100%」が見えて初めて「できる!」と言いますが、こちらの人たちは、それが80%くらいでも「できる!」と言いますから。そこにスピードの違いが出てくるのでしょう。

    ただ、(あくまでも私の個人的な考えですが)100%が見えてからでは、今の世の中、確実に遅れを取ると思っています。100%見えてなくてもとにかくズンズン進んで、後でつじつまを合わせるという方法も必ずあると思っています。

    そして、やはり失敗を恐れずどんどんやる、ことができるような環境が必要だと思います。

  3. 私もいつも思っていましたが、よく米国人は日本人の仕事を「遅い」っていうけれど、日本人は欧米人とは違って個人個人が自分の仕事に責任を持っているので、お仕事の仕上げがプロフェッショナルなんです。(基本的にこっちの人は大雑把で無責任なのが多いですからね。)ただし、それには時間がかかる。

    責任感についても欧米人は「日本人は責任を取らない」的なこと言いますが、どっちが無責任なんじゃこのぼけっ!ってほど自分の仕事に責任感を持っていない人が多い。仕事も大雑把=だから大雑把な商品も気にしない。のが米国人です。

    ここなんでしょうね。ポイントは。とにかく欧米向けに繊細さや職人技術は要らない。要るのは(日本人から見たら)大雑把で出来がいまいちだとしてもとにかく「新しい」ことが重要なんだな。といつも思います。サムソンはそういった意味でよく米国人を見てるなと思います。

    対日本向けと対外国向けとは人種的な特徴を考えてそれなりに対応していかないとスピードが追いつかないのは当たり前かと。私は半導体の研究開発の仕事を日本でしていましたが、日本の企業は新しいことへの挑戦は好んでやるタイプだと思っています。失敗なんぞ恐れてなんかいない。物作りには失敗が前提なのは分かって居るからです。ただし、日本人の性格が繊細で職人タイプが多いので、ついつい「とことん追究したくなる」物作りになっちゃうんですよね。(==; 細部にまでこだわるというか。余計なものまで付けちゃうとか。(笑 だからスピード感に欠ける。ただし、その分世界も「あっ」と驚くようなモノを作りあげることが出来るのです。

    日本向けには本当に質の良い製品も頑張れば良いし、海外向けには日本人から見たら粗悪だったとしてもそこそこの出来でも新しいモノをっていう戦略がポイントだな。

    と、米国に住んで思いました。(==)そういう意味では、日本以外の国は正直そこまで品質を求めてもしょうがないんだな。とちょっと思いました。

  4. スピード感は家族単位でもある

    4人のユニットでも決定に時間がかかると死に直面する。

    軍隊をもって世界中にケンカ売ってる國だから、意志決定=死っていう考え

    日本の戦國時代は意志決定、生死をかけて意志を下してたわけだから、これは日本人のDNAではないと思うんだよね

    そう思いこんでいるか、洗脳する誰かのてによるものか

    そこを見逃さないことだ

  5. トヨタをみてておもうが、もとは右ハン開発のものを左にオフセットしているから、動きにぎこちなさ、不自然さを感じた。

    それは運転する現地人をみればわかる

    いらいらしている。

    韓国はそこを理解している。
    しかし、カローラの乗り心地は世界、宇宙で最強だ

    あの下骨の技術が砦

    ホンダはもう大差ない。 ヒュンダイと。

    トヨタの現地で作った車はあまりよくない

    品質うんねんではなく、フォルクスワーゲンのほうがうまく作れている。

    アメリカ向けに作った車は、緻密さに欠ける。

  6. 奥田硯さんがいっていたが、ニュアンスの問題だと思う。

    暗黙知の範囲を伝えきれていない。

    そこはアルファベットで言語化できない

  7. いつの間にか、たくさんのコメントをいただいていたんですね。

    こまさん、GMDさん、コメントありがとうございます。

    正直、スピード感については私の考え方は偏っているのかもしれませんね。

    このブログでも何度か書きましたが、ピュアな日本人である私は、かなり得している部分があります。それは(自慢しているわけではありませんが)、日本人特有の「正確さ」をもってどんな仕事も行うこと。それがアメリカ人(アメリカに住んで仕事をしている人たち)にとっては、「ん?できるかも...。」と思わせるものになっているような気がしています。言われたことだけをする人、それも100%達成できないような人たちが多い中にそんな人がいる。

    確かにおっしゃるように、日本人は100%が見えたときにのみ「できる!」と言いますが、アメリカ人は80%程度でも「できる!」と言いますね。で、最後につじつまを合わせる。つじつまが合わない場合も多々あります(そちらの方が多いかも)。合わなかったときには「unfortunately…」と理由付け。

    ただ、100%を追求するあまり、リスクを取りたくない、リスクが取れない、それが、スピード感の欠如を招いているのではないかと感じています。

    完璧を求めるか、スピードを求めるか、そのどちらか、ということではなくて、当然どちらも必要になります。あえて言うとどちらを取るか...、ではなくて、両方必要、だと思います。

    コメントをいただくことで、いろいろな議論ができて、非常に有意義だと感じています。ブログ読者の方々の、ざっくばらんなご意見を聞けるとうれしいです。

  8. 100%にどれだけの価値があるかということでしょうか。アメリカ人、フィリピン人、オーストラリア人、イギリス人の知り合いと話していても、完璧に仕上げる職人技、分単位の新幹線素晴らしい、ということは言いますが、「俺がやれと言われたらやなこった」という雰囲気が顔に出ていますね。そんなに多くの外国人と話したわけではないのですが、多くの国の人たちは「100%じゃなくてもいいんじゃね。それよっか新しくてエキサイティングの方が楽しいよね」という感じがします。「完璧さ」の追求は素晴らしいことだと思いますが、それによる失われるものの方がこの「世界」で大きいのではないかと思います。個人的にはミスっても「ま、いっか」「また別の新しいことやろうよ」という方向性がもう少しあったら、楽しくなるかなと思っています。

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