アメリカに移住するまで Tamami編 -5

前回の続きです。

 

無事、ビザサポートをしてくれる会社に就職し、あっというまに3年がたちました。

H1Bの有効期限は3年間で、一度だけ更新ができるので計6年間です。もし6年以上アメリカにいたいと思ったら、H1Bが切れる前にグリーンカード(以下GC)の申請を始めます。

 

当時働いていた会社はGCのスポンサーをしてくれるものの、弁護士費用は個人持ちでした。たしか、最初に払う金額だけで数十万円相当だったと思います。

また、申請してから取得までどんなに早くても2年、長い人では10年近くかかると言われているGC、申請するからにはその間は同じ会社で働き続ける覚悟が必要です。(建前上は取得後も働き続けるべき。)

 

私自身はこの時点で2年とか10年とか待ち続ける覚悟は完全にできていなかったのですが、申請してもいつでも打ち切りはできるわけだし、日本に帰国すべきかどうか判断しかねる状態で時間だけが過ぎていくなら・・・と思い、とりあえず申請を始めました。

が、結果から言うと、私はこのときのGC申請は途中で打ち切って日本に帰国してしまったので、実際には何年も申請手続きをすることにはなりませんでした。

そしてその1年半ほど後に、今度は結婚を通してGC申請、ほんの数ヶ月で取得。

 

一方、私が最初に職場を通して申請したときに、ほぼ同じタイミングで別の会社で申請を始めた友人がいたのですが、私が結婚して4年ほどが過ぎて、GC申請のことが遠い思い出になりつつあったころ、彼から「ついに取得できたよ!」と連絡がありました。

彼の場合、申請してから実に6年後です。

同じグリーンカードを取得するのでも、就労と結婚では本当にまったく世界が違います。

就労の場合でも「あと10年くらいはこの会社で働きたいなあ」と思えるくらい、その環境に満足していれば、申請したあとは普通に日常生活を送っているだけなので、それほど苦労する感覚はないかもしれないのですが・・・。

 

そうでない場合、身動きのとれない状態で長期的計画をたてることも出来ず、何年もひたすら移民局からの連絡を待つ長い月日となってしまいます。

もし、結婚を考えているアメリカ国籍のボーイフレンド・ガールフレンドがいるけど、具体的な計画はないのでとりあえずGCは就労ベースで申請しようかな、と考えている人がいたら、私はぜひともその彼を説得してさっさと結婚するべき、と言いたいです(笑)

別にGC目当てで結婚しろと言っているわけじゃありません(それは立派な詐欺で犯罪ですし)。そうではなくて、この苦労の差が非常に大きいということを、一般的なアメリカ人はよくわかっていないので、そこはきちんと説明すべきだということです。

 

いずれ結婚するだろうと考えている真剣な交際相手であれば、結婚を1年とか2年とか延ばすことによって、日本人の恋人がどれほど苦労し、どれほど大きなコストがかかってしまうか(H1ビザ申請は自力でする人はほとんどいません、弁護士のサポートが必須です。弁護士費用は非常に高額です!)を知れば、必ず「じゃあ、籍を入れるだけでも先にしよう」など何かしらの対応を考えるはずです。

「来年ビザが切れるので帰国しなきゃいけないの」と言われて、「あっそう、じゃあさようなら」なんて言う相手だったら、それまでの関係だった(その程度の男・女だった)ということで、あきらめて就労ベースのGC申請を頑張るしかありませんが・・・(そしてもっと誠実な人を探すべき)。

 

・・・と、話が別の方向に行ってしまいましたが・・・実は、私自身が当時、現在の夫とつきあいつつ、企業を通してGCを申請していたのでした。

 

弁護士費用だって大金で、結婚ベースのGCならそんなお金も必要ないのに、と、まったくプロポーズする様子のない現夫、当時のボーイフレンドを恨めしく思っていました(笑)

今思えば、彼にも就労と結婚でGC取得がそんなに違うという知識がなかったし、まだ学生だったので簡単に「じゃあ結婚!」というわけにもいかなかったのでしょう。でも私は「だめだわ、このままでは私の未来はない」と、また、日本からアメリカに留学したときと同じようなことを考えて、GC申請を打ち切り、突如日本に帰国してしまいました。

 

ちなみに弁護士費用は半分返金してもらえました・・・良心的な弁護士で良かったです(笑)

 

 

次回に続きます

 

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2 comments on “アメリカに移住するまで Tamami編 -5”

  1. はぁ~、ここ、難しいですよね。
    Tamamiさんは両方のプロセスを見てるんですね。

    私も結婚を通して(割と)すんなりとGCを得られたほうですが、それでも「結婚」というチョイスは当時、あまり考えていなかったです。

    当時、付き合っていた今の旦那が、私の状況(当時は学生ビザ)を知って、「じゃあ、卒業前に結婚したほうがいいじゃん!」と持ち出してくれました。(ってかそれがプロポーズ?)
    私も当時は「卒業後はなんとかなるだろう」くらいにしか考えてない、かなりのんきな学生だったので、彼のほうが危機感があったのかもしれません・・・。一応、付き合いは結婚を前提だったので違和感もなかったのですが、今考えるとちょっと冷や汗もんですね。

    でも本当、付き合っているアメリカ人彼氏・彼女がいるなら、私たちが外国人であることの意味や、何らかのビザなしでは生活が成り立たないという事実をきちんと知ってもらうことは必要ですね。それが結婚につながる、つながらないとしても。

  2. エリナさん、ビザのことって、自国のことは逆によく知らないんですよね。単に知らないっていうだけで「いずれは結婚すると思うけど、今年とか来年は無理だから、会社にサポートしてもらったら・・・」っていう話になってしまうのは、あまりにも非効率的だと私は思うんですよねぇ。結婚してから「あのときの弁護士代、数千ドルがあれば家の頭金の足しになった〜」とか思うかもしれないし(笑)
    でも結婚っていうのはまた、人間の感情に関わってくるものだから難しいんですよね・・・

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