アメリカ企業でインターンシップ ー 裏話編
さて、今日は、インターンシップの話を少し。
アメリカ企業でインターンシップの話はこのブログにもたくさんあります。「検索」してみてください。
なので、今回は、裏話的なことをお話してみようと思います。
アメリカに留学していらっしゃる方にとっては、インターンシップはアメリカ企業への就職の砦みたいなものですね。OPTあるいは、オプショナル・プラクティカル・トレーニングと言うこともあるようです。
日本人留学生にとって、アメリカ企業でのインターンシップは、就職と同じくらいハードルの高いものになっています。壁となっている最も大きなものは、やはり「言葉」でしょう。
私もネイティブではないので、微妙なところはよくわからないのですが、大学のクラスで学ぶ「言葉」と、会社で使う「言葉」は多分違うと思います。
インターンシップをする職種にもよりますが、私のいるような「エンジニアリング」だと、その壁は他と比べて低いはずです。ある程度の技術を知っていれば、テストの手伝いや、設計の手伝いが出来ますからね。ま、私がこれまでアメリカ企業で働いてこられたのも、私が技術職だったからです。もし、営業職やマーケティングなどに就きたかったとしたら、私の英語レベルではまず無理だったでしょうね。
ここでインターンシップの狙いどころのポイントが分かります。
「可能なら技術職に応募する」
いろいろとあると思いますね。電子回路はもちろんのこと、建築、バイオ、ソフトウエア、医療などなど、まだまだたくさんあると思います。技術職に応募するもうひとつの利点として、就職の際に必要な「Hビザ」が他の職種と比べると、比較的簡単に取れることです。私もご多分に漏れず、割りと簡単にH1ビザを取ることができました。留学ではありませんでしたが。
この「技術職に応募」と言うのは、ネイティブのアメリカ人にも当てはまることです。他の職種だとアメリカ人でもインターンシップのポジションをゲットするのに苦戦しているようです。
さて、幸運にもインターンシップの機会をゲットできた…
給料とか福利厚生とか気になりますよね。
では…
福利厚生に関しては、インターンシップはバイト(テンポラリ社員=臨時社員)と同じ扱いですから、保険とかなどの「ベネフィット」はありません。
給料は時給が普通だと思います。
バイトはやはり給料の良いところが良いですよね。ここでポイント。
「大企業の技術職のインターンシップは比較的時給が良い」
これ、マジです。
うちの会社も含めて、大企業の技術職インターンはかなり高い時給をゲットしています。いくらでしょう…
時給20ドルは固い。20ドル。
一日8時間働くとして、日給160ドル。週給800ドル、月給約3200ドル。
これ、その辺の企業で一般事務として働いている人と同じくらいじゃないですか(笑)?
私が知る範囲内で、今までで最も高給をインターンに支給していた会社、時給25ドル。
破格ですね、ほんと。
逆に言うと、それくらいインターンに期待しているってことですよ。なので、20ドルに見合わない働きのインターンは切られるってことです…はい。
ちなみに、この9月から大学のシニア(4年生)になる息子、今、ロサンゼルスにある電子技術系のベンチャー企業でインターンシップをしているのですが、時給たったの12ドル。いつも「安い!」とブーを垂れていますが、まぁ、バイトですからね。
でも、彼曰く、「安い給料なのにめちゃ絞られてる」そうです。
つまり…
「ベンチャー企業のインターンへの給料は高額は期待できない!」
さて、インターンとして雇われると何を「やらされる」のでしょう。
事務系は、書類の整理とかコンピューターへの数字の入力とかが多いと聞いたことがあります。それらを通して、会社のシステムを理解していくってことでしょうね。他にもいろいろな仕事があると思いますが、私は専門外なので、よく知りません。
技術系の場合…(ここから私の専門 笑)
まずは、テストのお手伝いが一番多いです、はい。もちろん、計測器の使い方から、データの入手方法、データの解析、レポートへのまとめ方などなど、いろいろと学ぶことができます。
大学生の場合、クラスでのラボワークなどもありますが、おそらく数年前の技術を使ったものですので、彼らが持っている技術知識はほとんど役に立たないのが普通です。なので、理論から入る場合も多々あります。
我々雇用サイドは、自分の仕事の空き時間を使って、インターンたちに指導をします。こちらが忙しい場合は、一日中ほったらかしにされるようなこともありますが、なるべくそう言うことのないように、事前にいろいろと学んでもらって、毎日何かしらの仕事をしてもらうようにします。
場合によっては、
「これと、これを使って、こんな仕様で、こんなものを作ろう。調べてやってくれる?」
みたいなプロジェクトをお願いすることもあります。そんなことをお願いされるインターンは、不安もありますが、やりがいも感じてくれるわけで。大学でやらせてもらうような機会がないものであれば、なおさらモチベーションを感じてやってくれます。
もちろん、そのプロジェクトは、われわれがやっているメインのプロジェクトから少し外れたところにあるんですけどね。でも、彼らにお願いしているプロジェクトのアウトプットがあって初めて、1つの大きなシステムが構築できるわけで。なので、
「君たちのプロジェクトのアウトプットが、我々のシステムの一部になっているから、がんばってやろうな!」
などと、励ますこともできます。
ちなみにうちの息子、ベンチャー企業で同じようなことをしているようですが、従業員が少ないため、今まで誰もやったことのないようなことを頼まれたみたいで、ヒーヒー言っています。でも、それをすることによって、技術だけではなく、人と話す力、人に説明する力、人を納得させる力も養えるんですから、がんばってやるべきでしょう(笑)。
と言うことで、インターンはこんな感じのことをしながら会社生活が進んでいきます。