アメリカ企業でボスになるための7つの条件
最近は、日本でも年功序列制度がかなり崩れてきましたが、いまだに、それをしっかりと守っている会社もあるとか。
アメリカでは、年功序列なんてのはないんでしょうねぇ。どこかにあるのかもしれませんが、私は聞いたことがありません。基本的には、経験のあるやり手が組織の上の方にいるのが普通です。もちろん、そうでない場合もたくさんありますけどね。「どうしてあんなやつがいるんだ」と部下に言われるボスもたくさんいます。
さて、では、アメリカ企業でボスになるためにはどうすれば良いでしょう。私の独断と偏見で考えてみました。これらをすべて満たせば、かなりの確度でボスになることができるはずですが、すべてを満たしていなくても、十分に可能性はあります。場合によっては、まったく満たしていなくてもボスになることもできるかもしれません。
また、そのためにはどうすれば良いのか...のようなことも考えてみました。
1.良い大学を出ていること
「え?アメリカって学歴社会なの?」、「実力社会じゃないの?」とお考えになる方もたくさんいると思います。確かにハイスクールのドロップアウトが会社のCEOになっていたり、三流大学を出て大企業のオーナーになっているとか、そんな例はたくさんあります。ただし、今では、それはかなり難しい。ハイスクールを中退している人にとっては、アメリカでもかなり住みにくくなっています。職がないですからねぇ。
面接の機会にひっかかるためには、やはりそれなりの大学を卒業していることが必要です。残念ながらそれが事実です。われわれが数十人の採用候補者からの履歴書を見る場合、その人の職歴が最重要ですが、必ず学歴も見ます。技術屋の場合、「短大卒(Associated Degree)」ではまず良いポジションに就くことはできません。つまり、アメリカ企業でボスになるためには、良い大学を出て、企業に就職することが必要です。
今からでも遅くはありません。夜間の大学に行って学位を取る人たちはたくさんいます。とにかく「受講して、単位を取っている」と言う事実が必要です。
2.コネクションをたくさん持っていること
まずは、周りを固めることです。社内にコネクションが多ければ多いほど、何かあった時に、動いてもらえる、そして、彼らとともに実績をあげることができる。そしてそれが自分の成果として認められるってこと。ベンチャー企業のように、従業員がそれほど多くない場合、数は限られますが、つながりの強い、良いコネクションを作ることができますね。大企業の場合は、往々にして自分といっしょに動いている人たちが限られる傾向にありますが、とにかく機会があれば、どんどん部外に出て、いろいろな人に会って、顔見知りになることが必要です。個人的には、メールや電話よりも、直接会って話すのが良いと感じています。メールや電話ではかなりのやり取りがあるのに、まだ会ったことのないような人に対しては、直接訪ねること。
「おー、Masaかぁ...。いつも電話で話しているけど、会うのは初めてだったよな。よろしく!」
なんてこともあります。こうなれば、その人とのその後の仕事はやりやすくなるに決まっています。
3.周りに対して公平であること
これ、結構難しいことだと思いますね。
「あいつ、いつもダラダラしてて気に入らないんだよね、まったく。ほんと、給料泥棒だぜ。」
なんて人、いますよね。自分がその人のボスになった時のことを考えてみます。どう扱います?即、クビ?まぁ、そんなボスもいるでしょうが、会社によっては、人のクビを切るにも、ちゃんとした手順を守らなければならない場合があります。「90日ルール」みたいなのがあって、部下と今後90日間、どうやって自分を正していくのか相談をします。そして、両者合意の上で計画を立てて、それを実行します。90日後に再度話し合いを持ち、部下の行動に改善が見られない場合に初めて、「クビ」。ボスは常に公平でなければなりません。
仕事は仕事、人の好き嫌いで仕事をを選ぶようなことをやっていてはだめ、誰とでも「仲良く」仕事ができるようでなければダメってことです。
4.何事も計算づくであること
こう言ってしまうとちょっと語弊があるかもしれませんね。つまり、すべてのことに対して、「こうすれば、どうなる」とか「こうしたければ、ああする」とか即座に考えることができるってことです。
ボスは何かと人に頼られます。非常に込み入った問題を持ち込まれることもあれば、「お前なぁ、その程度のこと、自分で考えられるだろうよぉ。」と思いたくなるような、しょーもない相談をされる場合もあります。(部下に対してだけではなく)すべてに対して、公平に判断して、人を納得させるような答えを持っておく必要があります。なので、常日頃から、いろいろなことに関して、興味を持ってあたり、「あれが来れば、こう出る」などと玉を持っておきたいですね。
5.動き回ること
つまり、行動力があるってこと。考えているだけでは何も始まりませんからね。部下から相談を持ちかけられたときに、「あ~、あれね。あの人にこーやってって頼めば良いから」でも良いのですが、関係者を集めて、ザザザっと話し合いをして、その場で問題を片付けてしまうとか...ね。「こうだ!」と思ったら、回りを引き込んで、結論が出るまで、引っ掻き回すとか。もちろん、誰が見ても正しい行動をしていなければならないですけどね。
6.言葉が達者なこと
これも、ちょっと語弊があるかもしれません。人を説得できるってことでしょうか。大勢の前で、自分の考えを彼らと共有して、彼らを賛同者とすることができること。もちろん、ボスは誰が見ても常に正しいポジションにいる必要があると思います。頼もしい存在でなければならないと思います。そうではないボスもたくさんいますけどね。
7.上司に人気があること
これ、悲しいかな、かなり重要だと思いますよ。ボスになるためには、自分のボスにも自分を認めてもらわなければならないですから。上の1~5すべてを満たしていても、自分のボスに認めてもらっていなければ、ボスになることはできません。ま、ふつーのボスだったら、あなたの1~5を見て認めないわけはないですけどね。
これらは「アメリカ企業」に限らず、日本でも当てはまるでしょう。
初めにも書きましたが、これらは私の独断と偏見に満ちた考え方ですので、100%そうだと理解しないでくださいね。「参考」としてお考えください。
「自分のボスがこうだったらなぁ」などと思えるようなボスがあなたの目指すところでしょう。