アメリカ企業でAll Hands Meeting(オールハンズミーティング)
All Hands Meeting...
日本語で言うと「全社会議」でしょうか(?)。
ベンチャー企業のような小さな会社の場合には、会議室に全社員を集めて行われます。また、従業員が1000人とか5000人とかを超えるような大きな会社や、世界各国に支社があるような大企業の場合には、電話会議、あるいは、ウェブ会議で行われるのが普通です。
うちの会社の場合、従業員6000人がヨーロッパやアジアにちらばっていますので、ウェブ会議が使われます。それも、ヨーロッパ向けには朝早く、アメリカ国内向けの場合は日中、アジア向けの場合は夕方行われます。時間が上手く合わない場合には、2、3回に分けて行われています。
たとえば、木曜日、カリフォルニア時間午後4時、本社XXX会議室で、カリフォルニアとアジアの従業員に向けて行われるとか。この場合は、本社の人間はその会議室で直接ミーティングに参加できますし、我々支社の人間は、ウェブ会議に参加します。金曜日、カリフォルニア時間午前8時、アメリカ東海岸とヨーロッパ向けに行われるとか。
頻度は年4回、ちょうど、四半期に一度、会社の売り上げ、利益などが世間に報告されるタイミングで行われます。
つい最近、7月初めに、第2四半期後のオールハンズミーティングが行われました。
最初にCEOから、日ごろ鬼のように働いている従業員へのねぎらいの言葉、そして、今期の売り上げ、損益などを、グラフを使って各ビジネスユニットごとに報告します。ふつーは、前年比、前期比など、今期と比較して、上がったのか、下がったのか、どうして上がったのか、下がったのかを、細かく報告します。
「今期は、XXXビジネスユニットの利益が過去最高だったので、会社の純利益も過去最高になりました。XXXの皆さんの日ごろのがんばりに感謝します。」
とか何とか。
場合によっては、CFOが登場して、さらに細かく、売り上げ、損益の分析結果を報告します。
そして、「お金」の話が終わると、今度は、今後の計画について報告をします。
たとえば、手狭になった、YYYオフィスから、現在建設中のZZZオフィスに、AAAグループが移ることとか、今年のファミリーデーは、会社創立20年のお祝いとともに、全社をあげて盛大に行うとか。あるいは、先月、BBBビジネスユニットの長として、CCCから来た、何のたれべぇ(古い!)が、Executive Vice Presidentとして働き始めたこととか。ま、重要事項の連絡ってことですね。
その後、いくつかあるビジネスユニットの長の一人が登場し、そのビジネスユニットについて、ビジネスの状況、技術の進歩具合などを全社に向けて報告します。
そして、最後に質疑応答。
日本だと、質疑応答はあまり活発に行われないですよね(私の経験)。場合によっては、その時間もなかったりします。
ところが、こちらの会社では(もちろん私の経験)、待ってましたとばかり、ガンガン質問が出ます。株価は今後上昇が期待できるのかとか、XXX技術に関してうちの会社は出遅れているが、今後、それをどうキャッチアップしていくのかとか、YYYとの特許訴訟はどうなったのかとか。。。
かなりハイレベルな質問から、毎週月曜日のフリードーナツサービスはいつ復活するのかとか、駐車スペースが足りないので何とかしろとか、「お前、そんな質問、この場でしなくても良いだろう」と言うような質問まで出てきます。
CEOも水を得た魚のように、活き活きとして質問に答えます。従業員との対話が必要だと感じているんでしょうね。
次のオールハンズミーティングは、9月初め、第3四半期の報告後に行われます。
日本の報告会は、事務的で一方的な物が多いですよね。
私がある企業で初めてテレコンに参加したとき、ホスト(アメリカ企業の側)から「誰か質問のある人は?anyone?○○さんは?」と、当時トレーニング期間中だった私の同期が名指しで聞かれて、こんな下っ端でも耳を傾けてくれるんだ?!と驚いたのを覚えています。
あの時、電話の向こうに人がいるんだと実感しました。
日本の大きな企業では、一般社員が社長と直接話すなんてことはないですからね(少なくとも私の時代は)。遠い雲の上の人のような存在でしたから。
こちらでは(少なくとも私の会社では)、社長も同じ会社の従業員。話して何が悪い?って感じなんですよね。確かにものすごく偉い人なんですが、でも、同じ人間ですよね。なので、気軽に「ハイ、スコット!」みたいな感じで挨拶すれば、「ハイ、マサ!」なんて答えてくれたりもしますし、直訴メールを出せば、それに対して、返信もくれますしね。
そう言う社長の方が、人間味があって、尊敬できますよ。
コロナウィルスの影響でしょうか?ネオヴィアでは最近全く開催されません。