アメリカ企業で10倍うまく立ちまわる方法物語ー入社編
Masaです。今日は、いつもとガラリと変えて、全く新しいタッチで書いてみます。皆さんの目の前に情景が映るように物語風に書いてみましょう。ではごゆっくりお楽しみください…。
8時20分。
今、新しい会社の駐車場にいる。8時半から、新入社員オリエンテーションに参加するために、本社のあるロサンゼルスまで来ている。心なしか緊張気味。自分らしくないな。
思い返せば、この会社の採用が決まるまでいろいろなことがあった。
ちょうど6ヶ月前。前の会社で働いていたころ、運よく夫婦でDV2004*に当選し、グリーンカード(永住権)取得。それから自分の人生が大きく変わったように感じる。
今までは、ワーキングビザと言う大きな足かせがあって、なかなか思うように行動できなかった。
会社にレイオフ(解雇)されたら、10日以内に荷物をまとめて出国しなければならない。また、会社がつぶれても同じこと。
とにかく、ビクビクの毎日だった。自分の周りにある情報もそれに拍車をかける。
「日本企業を退社して、あるアメリカ企業に現地採用されたが、その企業の業績が思わしくなく、結局数ヶ月でレイオフされて、日本に強制帰国させられた。」
「現地ベンチャーに就職したが、不況のあおりを受け、会社が倒産。ビザサポートが現れず、日本に帰国しなければならなくなった。」
などなど。もし、彼らがグリーンカードを持っていれば、帰国以外の選択肢もあったはずだ。
「自由の国、アメリカ」、「移民の国、アメリカ」などと言われるが、それも昔の話。外国人に対する労働市場は、間違いなく年々縮小している。H1ビザの発行数もどんどん減っている。国としてそれを考えた場合には納得のいく話かもしれない。自国民が満足に職に就けないのに、どうして、外国人に労働許可を与えることができるのか。まずは、自国民、それから、外国人だ。
などと、いろいろと思いをめぐらしていたら、8時30分になってしまった。車から降り、小走りにビルディング4に向かう。ビルのドアを開けると、受け付けの女性がこちらを見てニコリ。
「あの~、今日、ここで新入社員のオリエンテーションを受けることになっている、マイク・ホソノと言いますが、どちらに行けばよいでしょうか?」
「ちょっと待って。今、名簿を調べるから。ああ、確かにあるわ。マイクね。わが社へようこそ!じゃぁ、このネームプレートを付けて、その入り口の向こうの部屋に入って。そこがミーティングルームだから。」
「ありがとうございます!」
と、指された方に目を向けると、入り口の脇にミーティングルームがある。ドアには「オリエンテーション」と書かれた紙が貼られている。汚い字だなぁと思いながらドアを開けて中に入ると、すでに6人の新入社員と思しき人たちが、席に着いて何やら書類に記入している。同年代と思われる男性の横の席が空いていたので、そこに座る。
「初めまして、マイクと言います。」
と彼に握手を求める。
「ああ、初めまして、デイビッドです。」
「それ、何ですか?」
「これ?住所とかの連絡先や、家族の情報、保険とか、いろいろ。」
「ありがとうございます。じゃぁ、僕も書こうかな。」
と、机の上にあった、書類を取って、カリカリと書き始める。
初めてアメリカに来たころは、フォームにある質問がさっぱりわからず、電子辞書を片手に記入していたことを思い出す。
「われながら英語が上達したもんだな。」
アメリカに5年もいれば、そのあたりの事情も十分に理解しているので、よほどのビッグワードに出会わない限り、辞書は不要になる。しっかり意味が理解できると言うことではなく、
「大体こんなもんだろう。」
と思うことが大抵当たっているってこと。勘が鋭くなってるってことかもしれない。
フォームに記入し終わったところで、ヒューマンリソース(人事部)の女性が入ってきた。
「キャシーです。今日は、午後12時ごろまで、新入社員オリエンテーションと言うことで、会社について説明しますね。手元のバインダー、New Employee Orientation(ニューエンプロイーオリエンテーション)を開いてください。」
各自に配布されているバインダーを開くと、中には会社のポリシー、福利厚生についてが説明されている。それを頭からものすごいスピードで、ダーっと説明していく。キャシーがひと呼吸置くタイミングで、新入社員が間髪入れず質問をする感じ。
「健康保険(ヘルスインシュランス)にいくつかオプションがありますが、ひとつづつもう少し詳しく説明していただけますか。」
「有給休暇についてですが、最大日数は何日でしょうか。それから、最大日数を超えた場合、超えた分についてはどのように処理されるのでしょうか」
などなど、細かい質問が飛び交う。
説明が一通り終わる。
次は、自分の業務を題材にしたちょっとしたディスカッション。それぞれが自分の業務について簡単に説明し、それについて会社が自分に対して何を期待しているかを、あーでもない、こーでもないとディスカッション。高度な英語を使えないと言うハンディキャップを持つ自分を、他と同レベルに引き上げるには、とにかく話すしかない。大切なのは、他に自分の緊張を見せないことだ。常に、自分の考えに対して自信を持っていることを他にアピールすること。それと笑顔。これで相手を自分のペースに引き込める。完璧!
ディスカッションが終わって、次は何をやらされるのかと考えていると、キャシーが一言、
「さ、これからテストを受けてもらうわね。私が説明したこと、わかってもらえてたら簡単なはず。」
「え~、んなの聞いてねぇよ~。」
とは言わないまでも、その意外性にみんなザワザワ。実際、テストの中身は中学生級だったので、皆さん無事にパス。
オリエンテーションの最後は、ICバッジ用の写真撮影。一人一人、壁の白をバックにして撮る。面白いのは、皆さん、「はい、チーズ」で、必ず笑顔で写ること。日本じゃ、笑顔がバッジに載った日には、同僚に何を言われるかわからない。こんな些細なところにも、アメリカと日本との文化の違いを感じるのは自分だけだろうか。ちなみに、自動車運転免許の写真も笑顔で写っている。日本の警察に呼び止められた時に、その免許証を見せたら、警官はどう思うだろうか...。
「皆さん、今日はありがとう。これでオリエンテーションは終わりですから、それぞれの職場に行って、ボスの指示に従ってください。部屋を出る前に、セキュアIDタグ*を持っていってください。」
「フーッ」
と大きなため息。緊張がほぐれた瞬間かな。やはり、見知らぬ人間の前では、かなり緊張しているみたいで、肩がガチガチに固まっているのがよくわかる。両腕をグルグル回しながら、駐車場にある自分の車の元へ向かう。
「さてと、これからサンディエゴか...」
兄弟がアメリカ国籍をもっており、兄弟のスポンサーによって永住権を取得しようと考えています。私は現在26歳です。日本の理系大学院を卒業し、アメリカの大学へ留学を目指していますが、現状は経済力がなく仕事をして資金を貯めているところです。アメリカの理系の大学院は授業料が免除になる場合もあり、その道に進めるものなら今すぐでも行きたいところですが、そう簡単には行けないと存じております。私の中では歳を重ねる前に少しでも早く渡米して、現地の大学院(phD)卒業する頃に永住権が取得できたら理想だと思っております。
早く現地に渡る方法があれば何かアドバイスを頂ければ幸いです。
Yosshiさん、こんにちは。コメントありがとうございます。まず、私のわかる範囲内のことをお話ししますね。
日本からアメリカの大学に留学する場合、経済力が非常に気になるところですよね。授業料、生活費込で(大学院で)2年の場合、100kは軽くかかりますから。
今思いついた方法があります。他にも方法はあると思います。
私はカリフォルニアに住んでいますが、もし、私がカリフォルニアの大学に入った場合、授業料は、州内居住者と言うことで、かなり安くなります。それでも、年間3万ドルは必要ですけどね。これが州外になると、倍近くに跳ね上がります。
つまり、永住権を取得して、ある州での居住が決まってから、その州の大学に行けば、学費はかなり安くなるってことです。
あまりいい加減なことは言いたくないので、詳しい方に聞いてみましょう。
MikaさんやErinaさんがコメントをしてくれるはずです。少しお待ちください。
Yosshiさん、こんにちは。
永住権がない今、アメリカに渡る方法は学生ビザでしょうか?
永住権申請中の家族対象ビザというのもあるはずですが、調べてみましたか?これだと申請中も滞在できるのだと思います。
Masaさんがおっしゃるように、永住権を取得してから、その州のレジデントとして学校へ行く方法もあるのですが、実はこれ、時間がかかります。
というのも永住権取得後の1年間は、州民学費は適用されないのです。
なのでこの1年間は、学校抜きでの生活費(または仕事)が必要になりますね。
Yosshiさんのシナリオを読んでいて感じたことは、焦らなくて良いんじゃないかな?ということです。
兄弟がスポンサーになってくれて永住権を取れることが確定しているなら、時間と戦わなくて良いわけですよね。
「早く渡米したい」という気持ちがあるならなおさら、日本でできるだけお金を貯めて、大学院を終えられるお金を充分にもってくることをオススメします。
というのも、こちらに来てみて在学中にお金が途切れた、仕事も無い、となってしまい、結果、適当な仕事で食いつなぐ・・・となると、卒業までに逆に時間もかかってしまいます。なので、これは「私だったら」という仮定ですが、2年なら2年で大学院をスパッと終われるように、お仕事のある今のうちに準備しておきます。
奨学金などもたくさんありますので、自分に合ったものをどんどんリサーチしてみることをオススメします。
がんばってください。