アメリカ赴任者の奥様
昨日、「なんじゃそりゃ?」と思うような話を、うちの家内から聞きました。
以前、私が勤めていた日本の会社から、こちらにあるアメリカ法人に赴任された方がいらっしゃるんですね。確か1年くらい前のことだったと思います。
そのご夫婦、お子さんをお持ちで(2人だったか)、この9月に、うちの近所のミドルスクール(6年生~8年生)にお子さんが入学されたとのこと。
こちらの学校は、日本に比べると、親が参加する催し物が結構あるんですね。たとえば、9月に学校が始まって、その2週間後あたりに、「Back to School Night」とか言うのがあって、自分の子供を受け持つ先生の教室に親が集まって、先生からクラスの方針だとか、年間予定だとか、宿題の量だとか、そんな説明をするんですね。まぁ、親が教育熱心なのかどうかは知りませんが、そう言う場でいろいろと質疑応答がされるわけです。
また、何か学内活動、たとえばクラブに所属したい場合には、各クラブの説明会に親が参加したり。あるいは、子供たち主催の催し、たとえば、マルチカルチャーフェアなどの説明会にも親が参加して、各自の持分を決めたりします。
ですから、(私が知る限りでは)日本よりも、親の学校への「登場」の機会がずいぶん多いんですね。
これがハイスクールになるともっと多くなります。うちの上の息子はこの9月に大学に入る(予定)なのですが、大学提出のアプリケーションの説明、スカラシップの説明、成績の説明、などなど、親がいちいちハイスクールに言って説明を聞くのです。教育熱心だからでしょうか...。うちは、すべて私が参加しました(汗)。
で...
話がかなり横道に逸れてしまいましたが...
そのミドルスクールに入学されたお子さんのお母さん、その赴任者の奥様ですが、そんな感じで学校に行く機会がかなり多いそうなんですね。まぁ、旦那さんが仕事で忙しくて、子供の学校に行く時間がないからでしょうね。
ところが、その奥様、英語がかなり苦手らしいんです。どのくらいのレベルかは知りませんけど、まぁ、少なくとも高校3年までの授業は受けているはずですから、そのくらいのレベルなのでしょう。
苦手な英語とは言え、子供の学校に行ったときは、先生とコミュニケーションをとらなければなりません。「沈黙は金なり」は日本のことわざですが、あるかどうか知りませんが、アメリカでは「沈黙は死を招く」と言われ...てはいないと思います(笑)が、それくらい「話す」ことが大切なんですね。
だから、多分、その奥様、使えない英語を必死に駆使して、自分の意思を先生に伝えようとしたんでしょうね。立派だと思いますよ、ほんと。
でも...
何と...
お子さんのクラスを受け持つ先生が...
「お宅、英語、全然できませんね。アダルトスクールへ行って英語を勉強してください」だと?!
この話を家内から聞いた時は、はっきり言って「ざけんじゃねぇよ、何じゃそいつ?」と半ば怒鳴り気味に言ってしまいました。
家内も「先生として最低」と。
確かに英語が理解できなければ学校へ行って英語を勉強する必要はあるんですね。これは自分の意思でやるものです。「子供の学校に言っても、先生の言っていることが全くわからないから、アダルトスクールで勉強しよう」と本人が感じて行動することです。
私も「アドバイス」を求められれば、アダルトスクールなどの英語学校に行くことをお勧めしてます。
でもねぇ、「英語が下手だから、あんたとはコミュニケーションできない。だから英語学校に行きなさいよ」ってのは、ちょっと変じゃないかなぁと思うんですね。
その先生、アメリカの常識からかなり逸脱していると思いますね。ご存知だと思いますが、アメリカの小中高校にはESLクラスと言って(今は言い方が変わってたかな?English Second Language)、英語を第二外国語とする子供たちのためのクラスがあるんですね。
日本から親の都合で日本から連れてこられた小中高校の子供たちは、そんなクラスに入ります。で、そんな子供たち、初めは英語は全くできません。当たり前ですよね。だから、そんな子供たちでも授業にしっかりと付いていけるように、英語が堪能な日本人(たとえばうちの子供たちとか)が彼らを援助するような仕組みがあるんですね。たとえば、ESLクラスの先生から、うちの子供たちに連絡が入って、「ちょっと困ってる子がいるので助けてあげてくれないかしら」とクラスに呼ばれることもしばしば。
私は「さすがアメリカ、気が利くよな」と思ったほど。
それから考えると、この先生のしたことは、「間違っている」とは言い切れませんが、もっと他に方法があるんじゃないかと思うんですね。頭ごなしに、「英語ができない人は、勉強して英語ができるようになって、顔洗って出直してきてね」と言ったかどうかは定かではありませんが、そんなことを言うべきではないと思うんですね。
と言うことで、ちょっと腹の立つお話でした。