クラウドファンディング
かつて、アップルのCEOであったスティーブジョブズは12歳のときに、ヒューレットパッカード社の社長ビルヒューレットに直接電話をかけ、「周波数カウンタを譲ってもらえませんか」とお願いしたところ、部品だけでなく工場のアルバイトの仕事をもらうことができました。
そんな根性自分にはないわー、と嘆かなくても、いまはITの時代。近年のソーシャルネットワークの普及により、パソコンやスマートフォンだけで人と人とが繋がりやすくなりました。
この素晴らしいアイデア、なんとかしてカタチにしたい!!
これがヒットすれば大金持ち間違いなしだ!!
でも、スタートアップのお金がない!!
かといって、銀行が融資してくれるはずかない!!
という人たちのために、ここ数年前より「クラウドファンディング」というものが普及し始めました。
クラウドファンディング(Crowdfunding)とは、大衆、群衆、人々を意味する「クラウド」+資金調達を意味する「ファンディング」の造語です。
銀行、投資家など金融の専門家ではない人々からの資金を調達することを指す言葉です。
映画、音楽などクリエイティブの分野や東日本大震災の復興支援での活用から世間の注目を集めるようになりましたが、現在ではITやものづくり分野を中心に小規模で実績のない起業・スタートアップの新しい資金調達手段として、その活用範囲を急速に拡大させています。
iPSの山中伸弥博士も、以前、マラソンチャリティとして、iPS研究資金2,000万円を集めました。
クラウドファンディングは資金提供者に対するリターン(見返り)の形態によって大別されます。
• 金銭的リターンのない「寄付型」
• 金銭リターンが伴う「投資型」
• プロジェクトが提供する何らかの権利や物品を購入することで支援を行う「購入型」
日本においては資金決済に関する法律等によって、個人間の送金や投資が制限されていることから、購入型のクラウドファンディングが普及しているようです。すなわち、「このプロジェクトをサポートしてくれたらオリジナルTシャツ差し上げます」というやつです。
しかし日本のクラウドファンディングは国内限定ですのでスケールが小さいのが現状です。
一方、KICKSTARTER(キックスターター)などは、世界の人々を相手にしているのでその額はぜんぜん違います。
KICKSTARTERで最近ちょっと注目を集めたのが3Dペン。当初のゴールは$20,000だったのですが、最終的に約$2,344,000を集めました。
クラウドファンディングのサイトは他にも、ROCKETHUBや、サイエンス研究向けのPETRIDISH、EXPERIMENTなどもあります。
アイデアがあっても、知識や技術がないっ!!という人にも、最近はインターネットでプログラミングやデザインなどは簡単にできますし、最近は3Dプリンターのおかげで、データを持って近くのプリンター屋さんに行けばとても安く作ってくれます。
このように、アイデアとパソコン一台あれば世界に発信できる時代です。
最近、Googleに32億ドルで買収されたNestの例のように、個人が一攫千金を狙える日も近い!?
大学とかの研究機関でクラウドファンディングしてるところってまだないんですか?
サンディエゴではQualcommがインキュベーター的なことをし始めてて、UCSD, USD, SDSUの三校といろんなことやってますよ。
実は私も将来的にはそっちに行きたいんですよね。VCとか。
アメリカはこの手のビジネスモデルがめちゃくちゃありますから、面白いですよね。
Erinaさん
コメントありがとうございます。
アメリカ国内でもいくつかあるようですが、そのほとんどがスチューデント向けで、ファカルティーはちゃんと国からお金をもらってこいってことですね…
http://en.wikipedia.org/wiki/University_and_College_Crowdfunding_Platforms
日本でもベンチャーキャピタルは普及しつつあるようなんですが、大学の教授がベンチャーを起こすという例はあまりないらしく、アメリカのようにPIがベンチャーで稼いだお金を大学の研究費に回すっていう方法もやっていけばいいのになーって思いますけどね。
ボクも将来ベンチャー起こしたいです。そのときは資金提供お願いしますw
このリンク、ありがとうございます。
へぇ、アメリカなんて国費はほとんど戦争ですから、研究費を取ろうと思うとやっぱり大変でしょうね。政治も含めた国益とか、直接的に影響しそうですもんね。(しかもアメリカってそういうとこ目ざとそう・・・)
州予算ってどれくらいなんでしょうか?州によってやっぱり違いがあります?
アメリカってNPOとかもそうですが、こういうシステムがかなり確立してるんですよね。大学でNPOやファンドレイジングの専攻があるくらいだし。私も仕事でNPOとかファンドレイジング分野の勉強をしますが、通常のビジネスとはメンタリティからして違うな・・・と思います。
研究者も、これからはお金の勉強が必要そうですね。
将来、Dr.Kazのパテントを買えるように、資金を作っておきます!!笑
Erinaさん
でも、アメリカはこれからどんどん軍事費を削減しようとしてて、アジアだけでなく日本の基地からもどんどん軍を撤退させていくみたいですよ。その代わりGPSを使った遠距離からの攻撃や、今までの高コストなミサイルに代わる「電磁波砲(レールガン)」の開発に力を入れているそうです。トマホークミサイルが一発100万ドルなのに対して、電磁波砲は一発1ドルで撃てるとか…
僕らのグラントは、NIH (National Institute of Health)っていう国の機関が握っているので、研究費のバジェットは結局は国の財政に左右されるんです。採用数が年々少なくなってきていて、アメリカを出て行かなければならない研究者がたくさんいます。特に僕らのような外国人はさらに厳しいんですよ。はぁ、アメリカ残りたい。