共同親権の壁

アメ10#11

こんにちは、Tomomiです。

最近、ハーグ条約について学んでいる。

離婚するわけじゃないんだけど。

実は先月、サンフランシスコの友人が離婚することになり、ハーグ条約の問題で、すったもんだがあったのだ。

友人は日本人の女性。彼女は日本に駐在員として来日していたアメリカ人の男性と恋に落ち、彼の日本での任期が終了する時に結婚。共に渡米した。

その後、子供にも恵まれ、彼女はアメリカで10年間、ずっとHouse Wife(主婦)として生きてきた。

そんな彼女が離婚することになり、理由は「長年の価値観のズレ」とのこと。

そして驚くことに、離婚協議中の旦那さんには、もうガールフレンドがいるそう。

アメリカのドラマっぽい。

しかし、そのガールフレンドとは、離婚を話し合い始めてから付き合いだした(?)とのことで(ほんまかいな)、特にこの離婚協議には影響はないそう。

既に結婚生活は破綻していたという見解だ。

今、彼にガールフレンドがいることによって、今後協議される財産分与、親権に影響することは一切ないのだ。

ふーん、やっぱりアメリカっぽい。

今、彼女がぶち当たっているのは、ハーグ条約だ。

書けば長くなるので、ものすごく簡単に説明すると、離婚した際に、片方の親がもう片方の親の同意を得ずに、子供を自分の国へ連れ去ることを防止するための条約だ。

ほとんどの主要国が加盟していたこの条約に、日本が加盟したのは2014年4月。ごく最近のことだ。

日本では、離婚後の共同親権は認められていないので、片方の親が親権を持つことになる。
しかし、アメリカは、共同親権が認められていて、夫婦どちらかに相当の問題がない限り、共同親権となるケースが多いのだ。

今回離婚する友人も共同親権になる。
しかし、彼女はずっと主婦だけをして生きてきたアメリカで、今から職を探し、働いて、自分の力で生きていけるのか、不安でたまらないと言う。

彼女の希望は、生まれ故郷である日本の東京に戻り、そこで働いて生活を築きたいそうだ。

でも共同親権で、子供は今後お互いの家を行き来する生活を望む夫と、話の折り合いがつかないでいる。

もちろん、今の状態で彼は、妻が子供を連れて一時日本帰国することにも同意しない。

彼女がこのまま仕事が見つからず、経済力がゼロなら、父親が親権となる可能性もある。

そうなると、彼女は一人で日本に帰るのか?

彼女は言った。

「ともちゃん、アメリカは甘くないよ。」と。

彼女がどうしても諦め切れないのは、子供。

だったらアメリカで踏ん張るしかない!

でも、アメリカでの10年間はずっと主婦で、英語もそんなに得意じゃないと彼女は言う。

でもやるしかない!

でも自信がない。

毎日そんな気持ちの繰り返しだそうだ。

 

今回の友人の離婚問題は、私も色々考えるきっかけになった。

別に離婚を考えているわけではないが、結婚している以上、

みんな離婚予備軍でしょ?

 

Visited 65 times, 1 visit(s) today

8 comments on “共同親権の壁”

  1. この記事をみて、ふと思い出したのが
    結婚して10年以上たてば、離婚しても
    定年後か、年金をもらえる年齢に達すれば
    あなたの夫の半分のソーシャルセキュリティがもらえるということ。
    離婚するなら、10年後をおすすめしたい。
    カリフォルニアは女性に有利なので、離婚しても
    もし家を持っていたら、妻の所有になると思います。
    また、これまで主婦として 家で働いていたので、
    そのぶん、別れる夫に請求できると思いますよ。
    今、思い出したことだけ書きました。

  2. シギーさん、
    コメントありがとうございます。
    友人にすぐに情報をメールしました、ありがとうございます。
    シギーさんのパラグライディング読ませていただきました。
    サンフランシスコで素敵な生活をされていますね。高所恐怖症なので飛べませんが、読んでるだけで楽しくなりました。

  3. ご友人の職歴や日本の家族のサポートにもよるけれど、雇用差別が残る日本で
    10年職歴のない女性が日本で十分な収入を得る事もそう簡単ではないですよね・・。

    日本で築いてきたのものを捨て、
    外国で0(どん底)から始める人は(私も含め)たくさんいます。
    私が米国に来た時はESLで中級位、(正直今も大した英語力じゃないけど)
    レストラン等でバイトして、少ない収入から学費を出して。
    彼女はGCがあるから就職に制限はないだけでも有利ですよ。
    専業主婦でもアメリカで10年生きてきたんだから、全くゼロではない。
    だから踏ん張ってみたらどうだろうと思ってしまう。

    私は医療系なので、医療系の事情について述べると
    米国は日本よりずっと細分化が進んでいるので、
    ○○テクニシャン・○○セラピスト・アシスタント等
    短期間で取得できる医療系サティフィケートがあります。
    医療従事者の中では底辺になるからお給料は”すごく良い”とは言えないけど、スキルのある医療従事者。販売等より良いし、安定につながります。
    例えば、透析テクニシャンなら3-4か月でサティフィケートが取れる。
    12時間勤務週3回の労働でフルタイム扱い。8時間後は超勤扱いで時給が1.5。おそらく日系企業等よりしっかりしたベネフィットが付きます。
    週4日休みで、フルタイムでベネフィットが付いて、お給料もそれなりにもらえる。子供が大きくなったら時間を増やす事も出来る。将来的にナースなど更に上の資格を目指しても良い。 
    難点は、どの職種にも言える事だけど、経験者優遇で最初の就職先を探すのがとても大変です。一度とにかく就職して経験し、更に条件の良いところへ転職する人が多い。転職は仲間の紹介が一番良いです。
    どんな仕事が良いか模索中だと思うので、こういう分野もあるという参考になればと思って書いてみました。

    ある国際離婚をされた方のBlogによれば、
    日本人妻は口々に単独親権を取りたがるけど
    米国ではよほどの事がない限り共同親権。
    単独親権を主張するか否かは自由だけど
    現地の離婚事情を理解せず自己主張するのは裁判が長引き、悪徳弁護士の金づるになるだけだそうです。
    可能と不可能をしっかりアドバイスしてくれる弁護士と、
    アメリカの離婚事情を理解する事が大事だと書かれていました。

    私自身が片親の元で育ったこともありつい長々書いてしまいましたが
    すべてを手放して日本へ帰国に帰るのは最後の手段。
    勇気を持ってアメリカで再出発してほしいと思いました。

  4. しぇろさん、
    貴重なアドバイス、ありがとうございました。渦中の友人もこの記事とコメントを読んでいて、しゃろさんのコメントを読んで、アメリカでの職探しの意欲が高まったと、しぇろさんにお礼を申し上げたいとのことです。
    アメリカに住んでいると、本当に資格が大事だなと思います。
    日本のように新卒など無経験でも、わりと会社が受け入れてくれる社会はとても貴重ですよね。
    私が日本で働いていた会社でも、無経験で全く別の職種から転職してくる人がとても多かったです。無経験でもやる気のある人材を受け入れて、トレーニングして育てる、そんな日本の会社体制が私はとても好きです。
    コメント、ありがとうございました。

  5. 昔、お金が必要で労働許可もないのに日系病院の募集に応募した事があるんです。もちろんSSNがないから不採用だったのですが、
    その後医院長の方から手紙が届いたのです。
    私も初めてここに来た時いろいろ苦労した。今回は残念だったが頑張って自分の夢をかなえて欲しい。このお金でおいしいものを食べて。という内容でした。$100の現金入りで・・。
    医院長にいただいたお金で医療辞書を買いました。

    異国で生活するのは大変ですね。
    経験がなくて50件採用を断られた屈辱も私は経験済み。
    でも捨てる神あれば拾う神ありです。
    周りが助けてくれるでしょう。
    採用しても良いよという職場がある。
    給料が安くても、有給で勉強させてもらっている!
    と思えば頑張れる。頑張れば周りが認めてくれる。

    Tomomiさんのお友達も、そして自分に余裕が出た時、
    困っている人を助けてあげればいいのだと思います。

    私は現地で頑張る日本人の役にいつか立てたら・・と思っています。
    なかなか自分の生活だけで精いっぱいですが・・。

  6. しぇろさん、
    その医院長の心遣い、素晴らしいですね。
    私もこちら来て何十社かわからないほど履歴書を送りました。
    結局どこも落ちて、今は元同僚の日本の会社に所属して、家でフリーランスで働いています。
    でもまた落ち着いたらアメリカの会社にチャレンジしよう!としぇろさんのコメントを読んで思いました!
    この記事で書いた友人も、しぇろさんのコメントにとても感謝しています。
    ありがとうございます。

  7. はじめまして。日本在住、海外経験なしの50歳代女性です。
    見聞を広めるためにちょくちょく拝読させていただいています。
    tomomiさん、しぇろさんの会話に感銘を受けたのでお伝えしたいと思いました。

    tomomiさんのご友人もそうですが、離婚と求職という気の滅入るテーマに果敢に向き合っていらっしゃってすばらしいです。

    私の周囲にはーマスメディアの住人も含めてー状況の苦しさゆえか、どうしてそんなに衝動的に、安易に大事なことを決めてしまうのというケースが少なくありません。

    例えば、離婚と再婚を繰り返すという形を取る場合があります。
    その度にこどもを産む。ステップファミリーの問題に直面する。
    問題が複雑になり、感情的、精神的な制御が難しくなる。そしてますます生活や仕事が重荷になっていく…という具合にです。

    結婚や離婚や求職は人生のマイルストーンになるときですね。
    正直に自分に向き合うには良い時です。
    自分の自尊心、プライド、目標、何が好きで何が嫌いで、本当はどんな生き方をしたいのか、などなど、いわば心の棚卸しですね。

    ある程度まとまった時間とエネルギーを取り分けて(数日でも)心の土台が少し程度落ち着けば、冷静な選択ができるようになりますし、良い出会いもあると思います。
    また自分のテーマに関連した本を軸にして、読みながら考えるというのも良い方法です。
    あくまでも私の経験から述べていることなので、誰にでも当てはまることではないかも知れませんが。

    長々と書き連ねてしまいました。
    ごめんなさい。

    ご友人はtomomiさんのような親身になってくださる友がいるのできっと心強く感じていらっしゃることでしょう!

    フルマラソンのランナーに応援の掛け声を贈る沿道のひとりという気持ちで書き込ませていただきました。

  8. こんにちは。久しぶりにこのサイトに遊びにきて、この記事に辿り着きました。
    最後の「結婚している以上、皆離婚予備軍」、まさにその通りだと思います。
    私は国際結婚で、今3歳の息子を育てながら、大学院に通い、フルタイムで仕事をしています。
    仕事をしたかったのは、これから先何があってもいいように、です。
    旦那とは結婚して6年、知り合って10年。今のところうまくいっていますが
    何かのきっかけで不仲になるかも分からないし、
    旦那が事故で亡くなったりするかもしれない。
    そうした時に一人でも生きていけるように仕事をもっていたかったのです。
    大学院に行っているのは、アメリカでの学歴を得るため。
    日本の学位を持っていますが、ほとんどの場合でその単位は認められない為
    アメリカの学校院に通うことにしました。それに加え、今の仕事とは違う仕事に興味があるので
    その勉強をするためです。
    英語ができないからとひきこもるのではなくて、外に出て社会の中で刺激を受けながら
    自分のできる範囲で社会貢献をしていくことが、将来何かあった時に、自分を救う手段になると思います。
    これから国際結婚をするという人に、是非知っておいてもらいたいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です