日本企業のアメリカ法人 - 赴任者の方は絶対に読まないでください
こんにちは、Masaです。
最近、サンノゼで会社を立ち上げて頑張っておられる方にお会いする機会がありました。
以前、一度だけ、これまた会社を立ち上げて頑張っておられる知り合いとの食事の席で紹介されてお会いしました。もう2、3年も前じゃないかな。
この方、さすが起業して20年も経つので、バックに大きな看板がある企業の日本人赴任者とは違い、世の中の動きを的確に捉え、自分の進むべき道をまっしぐら…という感じの方。
Facebookではずっと繋がっていて、「いつかは食事をご一緒したい!」と話していたのですが、ようやくその機会が実現したってわけです。
お会いするのは今回で二度目。しかし、二度目とは思えないほど、ざっくばらんにいろいろな話をして、お互いの意見を言い合うことができました。ほんと、食事をした甲斐があったと思える再会でした(と思っているのは俺だけか…)。
その方がご自分のブログでこんな話をしていました。
この方、文才に恵まれていらっしゃるので、読者をぐっと惹きつける文章をお書きになっています。どこかの誰かとは全然違う…(苦笑)。
この投稿を拝見した瞬間、
激しく同意
マジに、自分が常々考えていて、なかなか人に伝えられないことを、完璧に代弁していただいたと感じました。
あらかじめ断っておく必要があるのですが、これから話すことは、今私が勤めている日本企業のアメリカ法人に限って話しているわけではなく、アメリカに存在するほとんどの日本企業のアメリカ法人に言えることです。
アメリカ企業を去って、今の日本企業のアメリカ法人に移って早5年。アメリカ企業での学びも非常に多かったのですが、今の日本企業に移ってからもそれ以上に学びの多い毎日。
というか、今の自分、アメリカ企業にいたころの考え方をベースに動き考えているので、
「アメリカ企業だったらこうするんだろうなぁ…」
「なんでこうなっちゃうかなぁ…」
「こうすべきなんじゃないかなぁ…」
と思う毎日。決して「アメリカ企業が日本企業よりも優れている」と考えているわけではないんだけど、納得がいかないことが多すぎる…ということかな…。
この方がおっしゃっている、
自動車関連では大手メーカーをはじめT社の電装品を扱うTier1など多くの企業が50代過ぎの駐在員をTOPにオフィスを構えてるが会社の看板掲げて態度偉そうでも存在感は皆無だ。危機的状況が垣間見える同産業において、この先数年後に来る大変革に対して的確に状況を見据え判断ができるTOPがいなければ将来は無い。また、判断ができてもそれを実行できない、もしくは同じような管理職を多数擁し井の中の蛙になりかけている親元を動かすことができない輩が、法外な家賃と生活費を払ってまで、こちらに居ても何の意味もないし、そういう浪費に気づかない日本の本社も終わっていると思う。
こと。まさにうちの会社でも見受けられること(もしかしてうちの会社のことか? 爆)
大企業のトップは、数年後の大変革にすでに気づいていて、下のものに発破をかけるが、中間から下のものがそれをうまく理解できない。今まで、そのような危機的状況を経験したことがないために、何をどうすれば良いのかが判断できないってこと。
今のこの状況の中で、最新技術を使って競合他社を押しのけてでも、いの一番に新製品をださなければ ならないのに、
「今の人材を教育して、来るべき新製品開発に備える…」
などと悠長なことを言ってるって…、どういうこと?
アメリカ企業なら、そんな状況下に置かれれば、とにかく即戦力となる 「できる人材」を高額を支払ってでも採用して、「できるチーム」をつくって、スピード感を持って新しいビジネスを作り出すに違いない。
でも、状況を把握できてない中間層が、
「予算がないから、なかなか人が雇えないし、プロジェクトもなかなかうまく進められない」
とかなんとか…。
予算がもらえないというのは、日本の本社が予算をアメリカ法人に与えないってのもあるわけで。
つまり、この危機的状況を判断できないために、アメリカ法人が今本当にしなければならないことを、日本の本社が理解できず、したがって、アメリカ法人の日本本社に対する予算申請が通らない…ってことになるわけです。
これは、この方がおっしゃるように、
終わってる
また、予算をある程度本社から与えられ、プロジェクトのための人材も採用できる場合もあるが…
即戦力となる「できる人材」をうまく雇えない。アメリカ人を雇ったことがないために、良い人材なのか、悪い人材なのかを見抜くことができない。
アメリカ人は、小さい頃から話す訓練をしてきているので、口八丁手八丁で、自分の能力の無さを隠すことができる人たちが結構いて、そんな人たちの話していることを真に受けて、
「うん、この人なら即戦力になるはず」
と安易に雇ってしまって、蓋を開けてみたら…。
「なんじゃ、こりゃ?」
でも、後の祭り。
一般的に、日本企業のアメリカ法人は、アメリカ企業と比べると、人を切るのも下手なので、仕事のできない人でも雇い続ける。
これ、お金の無駄遣いですね。
というわけで、危機的状況の中で、一旦動き始めると、どんどん負のスパイラルの中に落っこちていく…という感じにしか見えません。
表面的にはうまくいっているように見えても、実は、今気づかないと、すぐに取り返しのつかない状況になる…ということを早急に理解すべきだと思うのですが…。
どうなんでしょうねぇ…。
ま、下々のものの一人が危機感を持っていてもどうにもならないのでしょうか。
ベンチャー企業で働いていたころは、つねに危機感を持って、「失業」と隣り合わせで働いていましたから、こんな「余計な」ことまで考えてしまう。自分が何か言わないと自分が失業してしまう…。
俺って今の会社でウザい存在なのかなぁ…。
P.S. 偶然、この記事を読んでしまった、日本企業のアメリカ法人に出向しているあなた。もし、反論があれば、私に直接メッセージください。ブログの上の方に「コンタクト」タブがありますので、そちらからお願いします。この手の議論が大好きです。
激しく同意です。
現在はアメリカの会社で働いてますが、アメリカの日系企業は日本本社の大きな看板を引っさげて、日本人にだけ威張っていて、でも何も完遂できないケースが多いです。またおっしゃってるとおり、Laid Offできない企業が多く、それも日系企業で働くデキル人の不満につながってることがほとんど。
アメリカの会社がすごいということを言うつもりは全くないですし、また私がアメリカにある素晴らしい日本企業で働けてないだけかもしれませんが、Masaさんのディナーがどれだけ充実できてたのか想像できました。
Happy New Year!!
Azucarさん、コメントありがとうございます。
同意いただき嬉しいです。こちらに住んで、こちらの会社に勤めたことのある人じゃないと理解できない内容なので。
まじ、日本企業にはもっと頑張って欲しいです。