英会話 どうすればうまくなる? その2
1年以上も前に、こんな記事を書いていました。
英会話 どうすればうまくなる?
>少し長くなりましたので、次回に回しますね。
と書いておきながら、すでに1年以上経ってしまいました(苦笑)。
次が知りたい!と言うコメントもいただいていますし、出し惜しみせずに、ぼちぼち書いてみようかと思います。重複もあると思いますが、その辺はお許しを。
超長くなりますので、覚悟して...。
確か、英語脳の話でした。
大学生と高校生のうちの子供たちは、それぞれ5歳と3歳で初めてアメリカに来ました。土曜日に、日本人補習校に通っていましたが、小学校を終わると同時に(下の娘は4年生で)、補習校を辞めました。
あとは、ずっと、アメリカ人学校...と言うか、ふつーのアメリカ人の子供たちの通う学校へ。
我々親と会話する以外は、ほぼ100%、英語を使っています。たまに、学校で日本人の子供たちと日本語で話すこともあるようですが、それもめったにありません。
このような生活を毎日送っていると、脳が2つになる。もちろん私の勝手な考え方ですけどね。
日本語脳と英語脳。
我々親と話すときには、日本語脳を使い、学校の子供たちと会話する時には、英語脳を使う。たまに、2つの脳の間で、トランスレーションセンターを介して情報がやり取りされるが、それもめったにない。
そんな話でした。
で、我々が英会話能力をつけるために必要なのは、英語脳を鍛えることだ、と言うことでした。
ふ~っ、やっとたどり着いた...。
さて、英語脳を鍛えるには...
どうすれば良いか...
そもそも英語脳、日本語脳ってなんなんでしょうね?
人間、話をするときには、言語脳を使うと言われます。言語脳って?
よく言う左脳ってやつです。
左脳はものを考えたりするときによく使いますね。何かを分析するとか。論理的思考に向いているとか言います。だから、何かを話すときには、左脳が必要になるんでしょうね。
じゃぁ、英語が話せるようになるには、左脳を鍛えればよいのかってことになりますかね...。
つまり、英単語詰め込んで、英文法と英作文を叩き込んで...中高でやったようなことをすれば話せるようになりますかね。
多分なりません。だからみんな苦労してる。
じゃぁどうすれば良いか。
すでに、ほとんどの方がご存知ですが、「生きた英語を聞く」。
通勤電車の中でiPodとかiPhoneで英会話を聞いている人、いますね。私もその昔、「リンガフォン」なる高額な英会話教材をやっていたことがあります。大学時代だったかな。かなりまじめにやってました。
どうです、英会話、できるようになりました?
ま、やらないよりは、少しはましになったと思うでしょう。
まだだめですか...。
あとは何ができますかね?
駅前の英会話教室なんかはどうですかね?左脳を鍛える読み書き、それに生きた英語も聞くことができます。おまけに、英語の質問に対して、英語で答えることもできます。読み書き、聞く話す...すべてできます。
英会話、できるようになりました?
だめですか...。
簡単に言ってしまえば、「完璧な英会話が出来る日本育ちの日本人はまずいない」ってことでしょうね。どんなに、「あの人は英語がぺらぺら」と言っても、それは日本人から見たレベルってことなんでしょう。
少し「英語脳」からずれてきました。「言語脳」って単純に「左脳」だけではないようですね。
これは私の経験から言えること...だと思います。私自身の経験もありますが、私の家族、あるいは、英語を母国語としない友達を見ていて感じたこと。
人間ってどうやって言葉を覚えていきますかね。
小さいころを思い出してみてください。自分の両親に聞いてみてください。
人間は必ず目と耳から言葉を覚えていきます。
「4つ足で『ワン!』とほえる」→「Dog」
「4つ足で『ニャー』となく」→「Cat」
「手で誰かを押す」→「Push」
「手に持ったボールを投げる」→「Throw」
ってな感じ。目で見たもの、自分で動作したことが耳から言葉として入ってくる。そこに「文字」は介在しません。
お母さんが、「これなーんだ?」と言って、本を見せる。そうすると、子供が「本(Book)」と答える。お母さんは「そーだね~、本だね~」と。
そして、お父さんが、文字と絵を描いた積み木を買ってきてくれる。「これってなーんだ?」と言って、木の絵が描かれた積み木を出す。子供が、「きー!」と答える。お父さんは、「そう、『き』だね」。子供は「き」と言う文字を覚える。
そして幼稚園。「あいうえお」から「わをん」まで字を覚える。そして、本が「ほん」と言うことを理解する。それと同時に、「おもしろいほん」、「たのしいほん」などと言う「文」を覚えていく。
言うまでもありません。人間はそうやって言葉を覚えていきます。まさに右脳的ですね。
うちの子供たちも、そうやって、5歳、3歳から英語を覚えていきました。我々親は、彼らに日本語を教えたことはありますが、一度たりとも英語を教えたことはありません。
だから...簡単に言えば...
我々もそうやって英語を覚えていけばよいと言うことです。
では、中学校でどうやって英語を学んだか思い出してみましょうか。
どうやって習いました?
Sがどうの、Vがどうの、これは目的語だから、後ろから訳して、最後に動詞を訳せば、和訳は簡単にできる...とか。
教科書に書かれた文を見て、This is a pen.(これはペンです)。penは単数だから前にaを付ける...とか。
我々が言葉を学び始めた状況とは明らかに違いますね。文字が先に来ている。文をこねくりまわしている。「言葉、文字→絵」となっている。つまり、余計な知識がたくさんあるので、それが邪魔をして、英語を「丸のまま」理解することができないようになっているわけです。
これらから言えることは、英語を丸のまま理解できるような環境を自分で作り出し、その中に自分を置く、それが「英語脳」(脳のどこにあるのかよくわかりませんが)を鍛えることにつながるんでしょう。
若ければ余計な知識がないので、英語がすんなり入ってくる。英語の環境に毎日どっぷり浸かっていれば、否が応でも目、耳 → 言葉、文字と言う流れで英語が入ってくる。納得できません?
逆に言えば、歳を取るにつれて言葉を学ぶことは難しくなってくる、英語の環境に浸かっていなければなかなか話せるようにならない、ってことですね。
じゃぁ、我々はもう手遅れなのでしょうか?
そんなことはない...と言いたい...。65歳で自衛隊を定年退職(?)した男性が、アメリカに来て大学を卒業し、そして起業したことを聞けば、「まだまだ現役」と考えたいですね。
ただ、思うに、この男性が最も苦労したのは、間違いなく「言葉の問題」でしょうね。9分9厘そう言える。
どうすれば良いか???
以下は、私が実践してきたこと、実践していることです。もちろん100%の効果は保証しません。
1.「英語がうまく話せない」と言うネガティブな考え方は捨てる。常に自信を持つ。
2.常に英語を「見る」、「聞く」
3.常に英語を話す
4.適当に文法なんかを覚えてみる
「なーんだ、俺もやってることじゃん」、「これやって話せるようになれば誰でも話せるはず」と思いますよね。
がっかりしました?
「期待してたのに...」
まま、そうおっしゃらずに。
そう、本当に簡単なことだと思います。でもね、英語がぺらぺらになりたいと思っている人たちの何%が実際にこれらを『確実に』実践していますかね。
1つずつご説明しましょうか。
#1
これ、先日、「Three Feet from Gold – あきらめるな!」でもお話しましたが、こう言うネガティブな意識があると、英会話に関することがすべてシャットダウンされてしまうんです。せっかく一生懸命覚えようとしていることが、すべて手前で通せんぼされてしまう。覚えるため、話せるようになるための技術とか知識が、すんなりと体に入っていかなくなってしまいます。だから、嘘でも良いので、アメリカ人相手に、ぺらぺら英語をしゃべってる自分を常に思い浮かべてください。
そして、「完璧主義」を捨てること。所詮、今の年齢で、アメリカ人と互角に戦えるほどの英語力を身につけようってのが、そもそも間違いなんです。...こう言っちゃうと語弊を招きますかね。ハードルをより高く設定することは良いことなのですが、高すぎると一生超えられません。適当な高さに設定して、それを乗り越えたら、また少し高く設定して、また乗り越えて、また少し高くして...それを繰り返していけば良いと思います。
#2
常に英語を「見る」???「見る」ですかぁ?
そう、「見る」です。言葉は文字から覚えるのではなくて、目と耳から覚えるんでしたよね。個人的に最も良い教材は「映画」だと思います。どんなものでもかまいません。子供向けのものであれば、それほど難しい英語は使われていないので、利用しやすいかもしれません。まずは、その映画を日本語で見る。そして、次に英語で見てみる。内容がすでにわかっていますから、英語で見てもそれほど抵抗はないと思います。
で、ポイントなのが、「こう言うときに、英語で何と言っているのか」を「見て」、「聞く」こと。1回見ただけじゃ、全然わからないと思いますね。だから、何回も見て聞くこと。慣れればわりと簡単に出来るようになります。
どうしても英語が聞き取れない場合には、わかる人に聞いてみる。「それができりゃ苦労しないよ」と言いたいでしょうが、でも、わからないままだと、それで「終わり」。だから、もし、英語が話せるようになりたければ、行動あるのみ。
あと、これも結構良いアイデアかもしれません。とにかく心の中で英語でつぶやいてみる。間違ってても良いです。水の入ったコップが机の上にあったら、心の中でつぶやきます。「a glass of water on the table」とか何とか。犬を連れて散歩していたら、突然、犬が吠え出した。「The dog is barking…」とかね。とにかく間違っていても良いのです。で、少し格好つけて、英語っぽくつぶやいてみるのも良いかもしれません。
#3
誰でも言うことです。
「学んだら使ってみろ」
日本に住んでいて一番困るのが、これ。周りに英語が話せる人がいないんですから。どうしましょうか...。
もちろん、英語を話す人たちの中に身を置くのが最良の方法ですが、一人でも似たようなことはできるんですね。
1.大声で話してみる
2.シャドーイング
まず、1。これは、今の会社の同僚で、ベトナム難民でカナダに移住した彼から聞いた話。
「Masa、英語が話せるようになるために、何かした?俺は、これを実践し続けた。そしたら、英語が話せるようになった。」
って。それが、「大声で英語を話してみる」と言うこと。彼がやったのは、まず、英語の本を「大声で」読み上げる。そして、忘れないように何度も繰り返す。すると、あら不思議。自分で発声した英語が、耳から入ってきて、潜在意識の中に刻み込まれ、絶対に忘れない...とのこと。彼いわく、「メモリに刻み込まれれば、必要なときにいつでも取り出せるようになる」と。
もちろん、彼の英語はなまりだらけ。でも、アメリカ人と互角に戦えるほどの英語力は持っています。
そして、2。これはよく言われますね。物まね...。英会話に合わせて、その通りに話してみること。つまり、映画で人がしゃべっているとしますね。その「しゃべり」の直後に、聞きながらその英語を口に出してみる。これ、簡単なようでなかなかできないですよ。ためしにやってみてください。慣れれば結構うまくいくはずです。これの良いところは、耳を鍛えるのと同時に、英語をそのまま理解できるようになること。かなりの練習が必要ですが、いったんモノにできれば、英語はずいぶん上達するはずです。
そして#4。
目と耳で学んだ言葉は、最終的にはきっちりと体系化されたルールに従う必要があります。そのために文法を学びます。ま、それほど神経質になる必要もないと思いますけどね。
ある程度練習をつめば、多少英文法が間違っていても十分に通じます。サンディエゴに中南米からの移民が何人住んでると思います?彼ら、スペイン語は話せますが、英語はそれほど話せません。でも、英語で立派に生活してますからね。自信さえ持てば大丈夫。
あと、もう一つだけ。
これが個人的に一番大切なことだと思っています。
「人前で堂々と、間違った英語を話すことが出来るような、図太い神経を持て」
と言うこと。完璧主義の人にありがちなのですが、人前、特に日本人の前で英語を話すことをいやがる人がたくさんいます。これは、英会話上達の妨げになる最も大きな要因、、、だと思っています。
別に、間違ったからってどうってことないじゃないですか。堂々と話せば良いんです。「悔しかったら、英語、しゃべってみ」くらいのでかい態度で話せば良いのです。
と...いろいろと書いてきましたが、期待はずれだった方も多いかもしれませんね(苦笑)。
でも、これだけは言えます。
「これは、俺が実践してきた英語上達法だ!」
って。
ちなみに、私は英語はぺらぺらではありませんが、会社で働けるほどの英語力はあるつもりです。英語は技術ではありません。技能です。だから、その程度の英語力、少しのがんばりで、誰でもつけることができますよ。
お互い、がんばりましょう!