アメリカ企業で自発的な部下を育てる
Masaです。
巷はもう、クリスマス一色。金曜日の今日は、我々も「ゴール前の流し」モード。特に午後はいつでも帰れるようになってます。一年のうちでも、クリスマス休みの前日ほど生産性が低い日はないんじゃないかと思うほど、みなさん、リラックスモードです。
昼食から戻ると、どういうわけか、駐車場の半分に空きができています。ってことは、すでにお帰りになった方もいらっしゃるってこと。
さて、今日のお話は、アメリカ企業で「自発的な部下」を育てるにはどうしたらいいかって話をしようと思います。
以前、
で、どんな上司が好まれるかってお話をしました。
では...上司として、部下をどう扱い、どう育てていけば良いのかって話をしましょう。部下をうまく育てることができれば、部下にとって「良い上司」になることができるのは当然でしょう。
部下をうまく育てて、自分自身も部下にとって良い上司になることができれば、部下は自発的に動くようになります。これは、組織として最高の形ですね。
じゃぁ、部下が自発的に動くようになるには、どのように指導していけばいいのでしょう。
これはあくまでも私の考えですので、必ずしも万人に当てはまらないかもしれません。ですが...ある程度実証済みです。
さて...じゃぁ、どうする。
一言で言ってしまえば、
「部下と一緒に仕事を楽しむ」
ってことに尽きると思っています。
具体的には?
日本の場合、部下を叱ることによって成長させようという雰囲気がありますね。ま、子供に対してもそうですが。
「xxするな!」
「はやくしろ!」
「なぜできない!」
私が日本にいたころは、よく周りでこのような罵声を聞いたことがあります。怒鳴られた部下は酒の席でいつもその上司の悪口を言ってました。
この「叱って育てる」方法はアメリカでは通用しないと考えていた方が良いと思います。叱られても部下が付いてくるような上司は、スティーブジョブズのようなカリスマ性を持っていないと、まずダメでしょうね。
その昔、私がアメリカにある、ある日本法人で働いていた時に、日本から出向してきた「部長」がこれをやって、部下から総スカンを食らったことがあります。いったん部下にこのようなイメージをもたれると、それを払拭するのはよほどのことがない限りまず不可能です。
だから気を付けましょうね。
「部下と一緒に仕事を楽しむ」にはどうすればいいか?
これ、結構難しいことです。人はプレッシャーを持つことを嫌いますよね。仕事をしていれば必ずプレッシャーを持ちます。上司から部下に、
「XXX,これ、YYYまでにやってくれるか?」
「じゃぁ、これは、XXXに責任をもってやってもらうことにしよう」
なんてことは、当たり前に起こることです。当然、部下はプレッシャーを感じます。
「XX日までにできなかったらどうしよう」
とか、
「こんなにたくさん納期までにできないよ」
とか思いますね。プレッシャーがかかりますね。で、胃が痛くなる。
じゃぁ、どうしてプレッシャーがかかるんですかね?
もちろん不安だから。当たり前の話ですよね。簡単にできるような話なら、プレッシャーを感じずに、サササっと済ますことができる。
なので...
部下がなるべくプレッシャーを持たないようにしてあげればいいわけです。
でも、課題が与えられれば、必ずプレッシャーを感じますから...どうすればいいんでしょうか。
一言で言えば、助けてあげればいいんです。そう、できるまで助けてあげればいいんです。
これ、付きっきりで見てろとか、マイクロマネジメントしてろって言う意味ではありません。
声をかけてあげるだけでいいんです。
「どう、進んでる?」
「難しい顔してるけど、なんか問題ある?」
「どこかわからないところある?」
人は、自分のことを気にかけてくれる人がいることを、悪くは思わないものですよね。
でも、普段から怒鳴り散らしている上司が、いきなりこんなことをしても、まったく効果はありません。かえって逆効果です。アメリカ企業では、怒鳴り散らす上司はまずいませんけどね。ぐちぐち言う上司は結構いますが(笑)。
「うっぜーんだよ。ほっといてくれ。」
と思われるだけ。
ここまで話せば、上司として、部下に対して、普段どう接していればいいかわかりますよね。
”常に笑顔で声をかける”
これをやっていれば、「上司は怖い」と言う意識がなくなります。そうすれば、困ったこと、わからないことがあれば、上司が相談に乗ってくれると考えます。上司から何か課題を与えられたとき、プレッシャーを感じたとしても、「わからないことがあれば聞きにいけばいい」と言う気持ちがあるので、プレッシャーのレベルが下がります。
もちろん、上司として叱る必要があるときには叱らなければなりません。ですが、頭ごなしに「何やってんだぁ~!」と怒鳴ってはいけません。冷静にロジカルに、自分のどこがまずかったのかを気づかせて、理解させてあげる。気付きを与えるためには、「質問」をどんどんしてあげるんです。上司としては自明のことでも、どんどん質問します。おっと...話がずれた。
このようなことを繰り返し続けていくと、部下の意識が徐々に変わってきます。グループ意識を持つようになります。「おれは、この上司をリーダーとするグループのメンバーだ」って。
ひとりひとりがグループ意識を持つようになると、それぞれが、自然に、「自発的」に動くようになります。面白いように動くようになります。そして、進んで自ら学ぶようにもなります。上司はそれをサポートしてあげる。
そうなると...今度は、逆に部下が上司を持ち上げようとしてくれるんですね。「この上司はおれが助けてやらなきゃ」って気持ちが芽生えてくる。そう、部下が上司を押し上げてくれるんです。なので、上司は、部下をさらに引き上げてあげる。
組織としては最高の形ですね。
ま、このような形の組織はそれほどたくさんはないと思いますが、「できる上司」の組織は、これに近い形になっています。
上司自らプレッシャーを感じていると、なかなかこういう行動はとれませんよね。そこが難しいところです。ただ、こうも考えることができませんか。
上司が自分の上司から大きな課題を与えられた。すっごいプレッシャーを感じている。でも、「おれのグループはそれぞれが自発的に動いてくれているから、彼らに話をすれば、必ず力になってくれる。」って。
相乗効果ですね。こういう組織ってどんどんうまくいくと思いますよ。
上司であるあなたが仕事を動かしているんじゃないんです。部下のみんながいるからこそ、仕事が動いていくんです。
できるグループを作りましょう!