バイリンガル環境で育つ子供
もうすぐ4歳になる私の娘は、生まれたときから私が日本語で話しかけ、ダディは英語で話しかけ、1歳半からアメリカのデイケア、3歳から平日はアメリカのプリスクールで土曜日だけ日本語幼稚園、という言語環境で育っています。
プリスクールに入ったときは、「英語の話せない子供」として扱われていて、半年くらいしたときに「最初はほとんどゼロだった英語が、とても上達しましたね」というコメントをもらいました。
プリスクール入学当時、私の目から見ると、娘はけっこう英語の語彙もたくさんあってダディとも簡単なコミュニケーションを英語でしているし、言葉の発達度は英日半々くらいかな、と思っていたのですが、「英語がゼロ」とプリスクールでは思われたのがちょっとショックでした。
しかし、入学後しばらくして娘をプリスクールに迎えに行ったとき、他の子が話す様子を見ていたら、語彙も表現力も娘より明らかに圧倒的に上なので、これは確かに「英語が話せない子」として扱われて当然だわ、と気がつきました。
一方、日本人ママが集まる機会に他の両親とも日本人の子と私の娘が日本語で話す様子を見ていたら、これがまた、娘の日本語レベルが格段に低いのです。
2人でプールにボールが落ちちゃった、という話をしているのですが、
娘:「あのね、あのBallが、あの・・・Waterにね、ばっちゃーん、しちゃったの」(ジェスチャーを加えて必死)
お友達:「・・・ああ、ボールがプールのお水に落ちちゃったってこと?」(とてもスムーズで早口)
という感じでした。まぁなんてレベルの違いでしょう、とそばで聞いていた私は娘を不憫に思ってしまいそうでした。
二つの言語を学ぶということが、アドバンテージではなくてハンデになってしまったら可哀想だな、そういうことにならない言語教育をちゃんと考えてあげなきゃ、とこのとき強く思いました。
それから、娘がこういう話し方するとき「Ball」とか「Water」の部分は、完全に英語の発音になっているのです。
逆に、アメリカの叔父さんに「今日は何食べたの?」と電話で聞かれて、「I ate あまいあまいpumpkin pie!」なんて日本語を混ぜてしまうこともあります。
他の変なミックス語といえば・・・
- 「I’ll do itってもいい?」→「自分でやってもいい?」と言いたい
- 「これwetってるよ」→「これぬれてるよ」と言いたい
- 「ねえ、BlanketでCoverって」→「ブランケットをかぶせて」と言いたい
- 「ママ、Can youおんぶしてNow?」→「ママ、もうおんぶしてくれる?」
その他「Buyして」(買って)、「Brokeしちゃったの」(壊れちゃったの)、というふうに、日本語の構造に英語の単語をあてはめる、というのはしょっちゅうです・・・というか、日本語はほとんどそういう風にしか話せないようです。
英語を「直訳」してしまう間違いも多くあります。たとえば、「転んじゃった」を「落ちちゃった」と言うのですが、これは英語で「転ぶ」も「落ちる」も「Fall」だからでしょう。
今のプリスクールに通いはじめて1年半ほどが過ぎ、今では誰が見てもあきらかに英語が娘のネイティブ言語になりました。日本語をいかにキープしていくかが今後のテーマです。
これはアメリカで子供を育てている日本人の親すべてにとっての難しいテーマだと思うので、また詳しく他の記事にしたいと思います。
ウチの姉(英国で結婚)は「経験から言って英語よりも、日本語の読み書きのほうが難しいはず」と、旦那(英国生まれの香港人)を説得して横浜に帰ってきました。もちろん母は孫に囲まれ嬉しい毎日だし、旦那チャーリーも頑張って日本語会話ができるようになり、今では母と料理の話や買い物に行けるまでに。
もうすぐ高校3年の長男は「日本の大学」と言ってるが、次男は「イギリスのお婆ちゃんとこからロンドンの大学かな」と言ってます。
日本人だから「漢字の
読み書き」
携帯からのコメント、バグりまくりました。ごめんなさい。
…「読み書き」はできたほうが良いけど、アメリカ人だから英語で苦しんで欲しくない、みたいな。
大変そうですけど、楽しみですね。
お姉様、お子さんたちのために大決心しましたね!家族みんなで移住ってなかなか大変でしょうね。
お姉様の言うとおり、日本語のほうが読み書きは絶対難しいですよね、だって漢字の数とかすごいし!!
アメリカで育つ子供も、漢字までやるかどうかが大きな分かれ目なんですよねー。
うちはアメリカ人としてアメリカで育つ子供なのでやっぱり母国語の学習の邪魔はしたくないし、悩みます・・・!
子供をバイリンガルに育てるのって、本当に難しいですよね!
って、最近私もちょっと危機感を持ち始めてるんですが・・。
バイリンガルにしたいなら、親は、漠然とバイリンガルに~と思っているだけじゃなく、はっきりレベルを決めて努力していかないと、なかなか達成できませんね。
がんばってください。
私もがんばりまーす。
そうですよね。
僕はまだ子供がいませんが、バイリンガルの教育を教えるのは本当に大変だと思います。
実際にこっちの大学にやELSに行って実際に苦労してる人たちを何人も見てます。でもみんなのやる気じゃないかな。
あと大学のクラスでもバイリンガル教育を勉強しましが、はっきりとした答えはわかりませんが、親がちゃんと別々の空間をつくってあげることが一番大事だと思います。家では日本語だけ、外では英語。
Makiさん、ほんとそのとおりですね。漠然としていると、日本語の言葉をいくつか言えるただのアメリカ人になりますね。
実は私自身は娘にあまり日本語完璧になってほしいという希望がありません。それより、どちらかの言葉を極めてほしいな、と思っています。アメリカで生きていくアメリカの子供だから、どちらかといえば英語になってしまいますので、私と母国語を共有できないことは淋しいですが、英語なら英語を極めて欲しい。知的で美しい英語を身につけてほしいです。日本語の中途半端な勉強がそれを妨げるなら、日本語はばっさりあきらめてもいいくらいです。
いろいろ情報交換していきましょうね!
Isaoさん、コメントありがとうございます。
家では日本語、外では英語というのがきちんと実行できれば効果的だろうなと思います。実際私の友人で、日系2世になるのですが日本語が完璧で、普通にしゃべっている分には日本人そのもの、という人がいますが、彼の両親は本当に英語がわからない状態で渡米してきたので、必然的に家の中は日本語オンリーだったそうです。
これを我が家で実行するのはけっこう大変です。夫は日本語話せるのですが、たとえばしつけをするのにもたどたどしい日本語で言い聞かせても子供にはなかなか通じないですしねぇ・・・。
大学生二人の母です。上の子3歳半、下の子1歳で日本から渡米しました。
夫はアメリカ白人ですが、子供達は二人とも現地校に通いながら土曜日の日本語補習校に幼稚部から通い、中学を卒業しました。補習校の宿題が大変な上、習い事やスポーツとの兼ね合いもあり、何度も私の方が挫けそうになりましたが乗り切りました。
今では日本語の敬語もそこそこ使えるので、アルバイトもすぐ見つかりました。
何より複雑な話をするときに日本語で良いのでとても楽です。
家の中では父英語、母日本語のようにはっきり分けて子供に接すれば大丈夫です。
頑張って下さい。
Hanaさん、
コメントありがとうございます!
経験に基づく先輩からの助言、励まされます。
現地校の宿題だけでも大変なのに、日本語学校の宿題や自宅での漢字学習など、本当に大変だろうなと思います。
でも日本で育っても敬語があやしい人がいるのに、しっかり身につけたお子さんたち、素晴らしいですね。
私はどこまで頑張れるか自信がないのですが、将来きっとやって良かったと思う日が来ますね。くじけそうになったら、成長した娘が敬語を使いこなす姿を思い浮かべて(涙が出そうです!!)がんばります!
アメリカの家で英語以外の言語を話す人が40パーセントだったか、それぐらいいるみたいですが、子供は学校では英語、家では違う言語を聞いているので、その結果やはり完全なアメリカ人の家庭よりも語彙が少なかったり、小学生くらいだとその差の開きは大きいように思います。
>実は私自身は娘にあまり日本語完璧になってほしいという希望がありません。それより、どちらかの言葉を極めてほしいな、と思っています。
子供をバイリンガルにできなかった親の言い訳になるかもしれませんが、私も同じ意見です。英語しか話さなくてもそれほど寂しいと思ったことはありませんよ。今は大学生で親から離れて生活しているのがさみしいくらいで、日本の親御さんと何ら変わりませんよ。
あずきさん、コメントありがとうございます。たしかに母国語の英語が遅れてしまうのは大問題なんですよね。言葉の問題だけじゃなくて、クラスの中で「なんだか自分だけがついていけないな」って子供が感じてしまうことが、とくに人生の一番最初の学校である小学校では後々まで悪い影響になってしまうような気もします。
この投稿を書いてからしばらくたちましたが、娘の英語はますます上達、日本語はかなり退化してます(涙)私といるときよりダディといるときのほうがやっぱり生き生きと会話しているし・・・。さみしいですが、あずきさんのおっしゃるとおり、子供はいつか独立していくものですしね。子供のことを一番に考えて、あまり自分の理想を押し付けないように、様子を見ながら考えていきたいと思います。
バイリンガルでもトライアンガルでも多分コアとなる言語があると思います。育った環境や文化の影響を受けるので。前置きが長くなりましたが、子供自身で決めるのがいいです。子供は親の背中を見て育ってるような気がするので、きちんと日本の文化も理解していると信じています。Tamamiさんのように、自分の意見をしっかり持っていらっしゃる方のお子さんは真っ直ぐに育っていると思いますよ。