The I405

Interstate 405、通称I405は、南カリフォルニアを南北に貫くハイウェイです。

私も毎日のようにこのハイウェイを使って通勤したり、買い物にでかけたりしています。

このI405。

「全米でもっとも交通渋滞がひどいハイウェイ」として悪名高いのです。

I405の別名は「Parking Lot=駐車場」です。

ハイウェイが駐車場って?

と意味がわからないかもしれませんが、写真を見れば納得するはず。

 

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前後左右にびっしりと車が並んだまま、ぴくりとも動かない風景はまさに駐車場です。

LAを舞台にした映画やテレビドラマにも、よくこのハイウェイが象徴的に登場します。いかにも都会という雰囲気を演出するのにはいいですが、自分が日常的にこの巨大なハイウェイをびっしりとうめつくす無数の車のひとつに乗っているのかと思うと、ちょっとこわくなります。

I405の車線数は、一番広いところで8車線。8車線もあるのに、渋滞になってしまうのです。少しずつ動いているときは、8車線の中で少しでも速い車線に移ろうとしてあちこちで車がうろうろと車線変更するので、ぶつかりそうになったり、無理やりわりこまれたり、もう大混乱です。

こんな大混乱を毎朝、毎晩なんとか切り抜けながらもう何年もハイウェイ通勤をしているのですが、少しでもストレスを減らそうといろいろ努力しています。

  • オーディオブックを大量に図書館から借りて、通勤時間を有効活用。

アメリカではオーディオブックと呼ばれるCDなどに本の内容を音声を吹き込んだものが普及しているのですが、これは車社会ならではのニーズだと思います。日本でも通勤電車の中で音楽を聴く人はとても多いと思いますが、CDプレイヤーを持ち歩いている人はいまどきあまりいないのでは・・・?

車の中ならかさばるCDケースも問題ないので、オーディオブックをいつもたくさんキープしています。

CDプレイヤーはもう車の中には必要ないのでは?という議論が車メーカーの中でもされているのですが、実は年齢層の高いお客さんを中心にまだまだニーズがあり、オーディオブックもその理由のひとつかもしれないと思っています。

もちろん、電子的にオーディオブックを配信するという試みはあり、iPhoneにダウンロードして車のスピーカーにつなげて聴く、という人もたくさんいるとは思います。図書館からダウンロードすることもできます。いまのところ図書館にはその書籍数が少ないので、私はまだまだCDを利用しています。

  • とくに渋滞する時間帯と曜日を把握して、できるだけ避ける。

ハイウェイの渋滞がいつもよりましになるのは、月曜日と金曜日です。

これは、会社を休む人がとくに週末につなげて休むことが多いからだと言われています。またある程度授業の選択に自由が利く大学生(I405の利用者といえば、UCLAの学生)も、金曜日の講義を避けるので、とくに金曜日のハイウェイはいつもより空いています(いつもよりマシ、というだけで十分渋滞はしている)。

そのかわり、火曜日と木曜日はしわよせを受けていつもよりひどい渋滞になります。

時間帯で言うと、やはり通勤・通学ラッシュが最悪。昼間もラッシュ時とあまり変わらないくらい渋滞。

これを避けるとしたら、早朝に家を出て、ある程度残業して遅く帰ってくるしかありません。

グーグルマップにとても便利な機能があるのをご存知でしょうか。今現在の渋滞状況のほかに、曜日と時間帯での平均的渋滞状況を表示することができるのです。

このデータによると、朝は7時前、夜は7時以降であれば、「駐車場」状態は免れることができそうです。

そういえば日本にいたころ、東京の通勤ラッシュを避けるために「朝早く出れば電車は空いてるんだよなぁ・・」と思いながら、毎朝結局ぎりぎりまで寝てしまってギュウギュウの電車に乗って通勤していたことを思い出します。

あれから20年近く経過してもまったく成長していない私は、今日もしっかり通勤渋滞にはまりながら出勤しました・・・。

  • 雨が降ると大渋滞

冬の天候が過酷な中西部で免許をとった私には驚きの現象だったのですが、一年中あまり雨が降らないここLAでは、雨がふるとドライバーたちはいきなり弱気になり、普段の半分くらいのスピードで運転したりします。

あるいは雨の日の運転方法を知らず、スピードを出して事故を起こしたりします。

そのため、朝起きて「雨だ」とわかった瞬間、「ああ、今日は遅刻だ」と思ったり、あわてて早めに家を出たりします。

雨というものがそれほど珍しくない日本では信じられないことかもしれませんが、LAは全体的に雨に対する準備がまったくできていません。

大雨が降ると道路がウォータースライダー状態になったり、誰も傘を常備していないので駐車場で「わーー」と叫びながら走っていたり、運転しながら前が全然見えないので「ああ、レインガードを買わなきゃ」と思ったりするのですが、また次の日から延々と晴れの日が続くのですぐに忘れてしまいます。

そしてまた雨が降ったときにまったく同じことが繰り返されます。

雨が降ると遅刻するんだから、前の日に天気予報を見ておけばいいのに、と思うかもしれませんが、何しろ毎日「晴れ」「晴れ」「晴れ」と続きすぎるので、天気予報を見ることすら忘れてしまうのです。

そしていざ雨が降ると「うわぁーー!!今日は雨だ」と大事件のように騒ぎます。

  • イベントごとでも渋滞

毎年、ハロウィーンやバレンタインの日は渋滞します。

クリスマスやサンクスギビングであれば、会社も学校もお休みになるので関係ないのですが、ハロウィーンとバレンタインは平日のこともあるので、みんな「早く会社を出てデートしなきゃ」「早く家に帰って子供をTrick or Treatに連れて行かなきゃ」とばかり、一斉にハイウェイに乗り入れます。

その結果渋滞。うんざりしますが、みんな家路を急いでいるのかな、と思うと少し気持ちが和んだりもします。

  • カーマゲドン

この悪名高いハイウェイ、I405も、拡張工事などで閉鎖されることがあります。

LAの大動脈とも言える経路なので、そういうときはかなり前から大々的に告知され、「今週末は必要なとき以外は車で外出しないほうがいいよ」などと言われます。

ちょうど昨年、ある週末に大規模なI405閉鎖があり、そのときは「ハルマゲドン」を文字って「Carmageddon」などと呼ばれてLAの人々に恐れられていました。

何が一番恐ろしいかというと、普段I405を使って移動している車が一斉に別のルートに向かうわけで、I405ほどのキャパシティがない他のルートがパンクしてしまい、空前絶後の渋滞になるのでは・・・という予測がされたのです。

まあ、実際はみんなが恐れて外出しなかったためにいつもよりも道路が空いていたという意外な結果となったのですが。

というわけでI405のネガティブな側面ばかり書いてしまいましたが、もう何年も利用しているハイウェイなので、実は私なりに愛着もあります。

朝、I405を南に下り、LA空港近くでI105と交差するころ、さっと左右に車線が広がって風景が明るくなり、頭上の標識に「Long Beach」と表示されると、いつも少し楽しい気分になります。

まるで明るいビーチに向かう朝のようで・・・(実際にはロングビーチは工業地帯なのですが。)

今日もそんなI405の渋滞にもまれつつ、帰宅したいと思います。 

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2 comments on “The I405”

  1. はじめまして。
    LAは渋滞すると聞いていましたがこれほどとは・・・

    私はシアトルの近くに住んで二十数年になります。
    ここに住み始めた頃、日本とは違うフリーウエイの広さに開放感を感じ、
    シアトルへの往復も渋滞を避けられる時間を選んで運転を楽しんでいました。

    ところがしばらくして、どの時間でも車が多いように感じ、「?」と思っていたら、CAの方から引っ越してくる人々がいてここの人口が増えているらしいと聞きました。

    LA出身の友人は、
    「CA人は、ここをアラスカのように寒い所だと勘違いしてるみたいで侵害だと思ったけど、これ以上増えても困るので、そう思ってもらったままでいい」
    などと言います。

    ここの人口が増えているのはCAからだけでもないと思いますが、やはり渋滞は大変ですよね。(これからもっと増えるそうです)

    ちなみに雨が多いこの付近の皆様は雨での運転は慣れてらっしゃると思いきや、雨が久しぶりに振った日(夏はほとんど雨は降らない)は事故が多く、早めに家を出た方がいいそうです。

  2. 私もIrvineに住んでいた頃、405を使っていました。本当にひどいですね。コスタメサ~ロングビーチの間は、午後は絶対に行きたくありませんでした。
    サンディエゴ人は、ここから北上するとき、LAのラッシュアワーにあたらないように出発時間を計算します。でも何かしらにあたるんですけどね。(爆笑)

    Hanaさんも渋滞対策は色々やってるんですね。私はよくラジオを聞いていたので、当時は流行の音楽をよく知っていた気がします。
    405、懐かしいなぁ・・・。

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