Wedding Vow Renewalレポート 1
みなさん、お久しぶりです。
結婚6年目にしてやっと正式に結婚式を挙げる、という一大イベントに忙殺され、しばらくおやすみしていましたが、やっと一段落したので今日からまた復活します。
いわゆるアメリカの結婚式というものを体験してまた様々なことを学んだので、少しずつ記事にしていけたらと思います。
以前にも書いたとおり、私が行ったのは正確にはWeddingではなくてWedding Vow Renewal、また招待したのも30人程度と、非常にこじんまりした式であり、伝統的な結婚式の要素もかなり取り除いた簡素版、ミニチュア版結婚式とでも言うべき内容でしたが、それでも準備は本当に大変でストレスフル、途中で何度も「もうやめたい、こんなこと企画しなきゃ良かった」と思ったほどでした(無事に終了した今は頑張って実行して本当に良かったと思います)。これがいわゆる本格的な大人数を招待する結婚式だったらいったいどうなってしまうのか・・・と、全米の花嫁に敬意を表したくなります。
準備をしながら何度か思ったことなのですが、大人になって渡米した私にとって意外とハンデなのが、アメリカのパーティ文化になじんでいない、ということでした。
パーティと言っても規模は様々ですが、アメリカに生まれ育つ人々はほんの小さな赤ちゃんのときから「パーティをするから来てね!」と招待され、また自分たちでも開催するという文化に触れて育ちます。
1歳のバースデーですでに、赤ちゃんなのにドレスを来てハイチェアに座らされ、ケーキを手づかみで食べる・・・なんて、そんなイベントは記憶には残らないでしょうけど、バースデーパーティは毎年するので4歳、5歳くらいからはしっかり覚えていることでしょう。
子供のバースデーと結婚式の間にも基本的な共通点は存在します。
まず基本構成として、「儀式」があり、そのあと「レセプション=食事」があり、最後が「ケーキ」、ゲストが帰るときは「Favor」を渡します。
子供のバースデーパーティはまずみんなで遊ぶ。そのあと食事して、ケーキのろうそくを吹き消して終了。帰るゲストにはおもちゃなどのParty Favorを渡します。
結婚式はまず儀式。そのあと食事、そしてケーキカットです。ゲストにはデザートなどのWedding Favorを渡します。
そして両方に「テーマ」があります。子供のバースデーパーティは、女の子だったらプリンセスだったりハローキティだったり。男の子だったらスパイダーマンとか野球とか、レースカーとか。そのテーマに沿って子供たちの服装、食事に使うお皿のキャラクターや色が決まっていきます。
結婚式の「テーマ」も非常に重要です。まずはカラースキームを決めて、最初に「白とピンク、アクセントにミントグリーン」などと決めたら、招待状からテーブルクロス、お花、メニュー、ネームカード、ブライズメイドのドレス、Groomのネクタイにいたるまで、とにかくその色で統一します。さらに「50年代風」とか「ビーチ」とか「ワインカントリー」とか、式をあげる場所や新郎新婦がであった場所などにちなんで具体的なテーマをきめ、そのテーマに沿ったアイテム(貝殻、古い本、鳥かご、ワインのコルク、などなど)をまた招待状からテーブルの上のセンターピースにいたるまで、あちこちにちりばめます。
Pinterestでテーマカラーをピンク、テーマをビーチにした結婚式のイメージを集めてみるとこんな感じです。
プリンセスをテーマにした子供のバースデーのイメージがこちら。
アメリカの子供たちはこうして、まずは自分のバースデーパーティを通してパーティの基本を自然に学んでいくのだと思います。
私にとっては自分がほとんど一度も出席したことのないアメリカの結婚式を、いきなり自分がホスト側になって開催しなければいけない、というのがまず非常に大きなプレッシャーで、様々なことをまず基本から勉強しなければなりませんでした。
また細かいことは追って書いていきたいと思うのですが、このようなパーティ文化について考えるうちにふと、「なぜ日本には独特のお色直しという慣習があって、アメリカにはないのか」という謎も解けました。
アメリカでは小さいころからパーティのゲストになったりホストになったりして、お姫様なようなドレスを着る機会が結婚式以外にもたくさんあるのです。
前述した1歳のドレスから始まり、4、5歳まではフラワーガール・ドレスを着ることも多いでしょう。プリンセスにあこがれる10歳前後までは、ハロウィーンで思い切り本格的プリンセス気分を味わいます。
小さい女の子たちの家には、クローゼットいっぱいにディズニープリンセスのドレスがずらりと並び、お友達の家に遊びに行けばまずは好きなドレスを選んで着替えてから他の遊びを始めるのです。
そして思春期になるころ、何度か正式にドレスアップしてパーティの主役になるチャンスがやってきます。
16歳になると「Sweet Sixteen」と呼ばれる、準成人式のようなお祝い。
またPinterestで「Sweet sixteen」のドレスを検索してみると、ウェディングドレスも顔負けのゴージャスなドレスがたくさん出てきます。
中学校、高校では有名なプロムパーティ。
フォーマルドレスを着るチャンスは大学、大学院のパーティでもあり、また周囲が結婚する年齢になればBridesmaidとして、ちょうど日本のお色直しで着るような素敵なカラードレスを着る機会が何度もやってきます。
でも、最後まで大事にとっておくのが白いウェディングドレス。トレインの長さも、レースの豪華さも、またお値段の高さも(!)、他のドレスとは何ランクも違う、特別なドレス。
せっかくそんな特別なドレスを着るのだから、結婚式の日はもったいなくて他のドレスを着る気にはなりません。お色直しをしたらまるでBridesmaidの一人のようになってしまいます。
一方で日本では、自分が主役になって素敵なドレスを着てみんなの注目を一身に集めるチャンスは一生に一度の結婚式だけ、ということで、この際ウェディングドレスだけじゃなくてカラードレスも!と一度にいろいろと着てみたくなるのではないでしょうか。
などなど、忙殺されながらも日米文化の比較をしては「あぁ、とんでもないプロジェクトを始めてしまった」と嘆きつつ準備を進めていた日々。今となっては本当に楽しい思い出となりました。次回からも引き続きアメリカの結婚式について学んだことを書いていきたいと思います。