アメリカのレストランのメニューで見かける「GF」とは?

 

アメリカでレストランに行くと、よくメニューの横に小さな字で「GF」と書いてあるのを目にします。実はこれ、Gluten free(グルテンフリー)の意味で、グルテンを含まない料理であることを示しています。ところで、グルテンってなんなのでしょう?

 

グルテンは小麦粉を使った食品に含まれるタンパク質の一種ですが、もともと小麦に含まれているわけではなく、小麦を精製、加工のする過程で作られるものです。最近、このグルテンがどうやら身体に良くないと言うことが分かってきました。特に、グルテンに対するアレルギー反応により小腸に炎症がおこり、食べ物の栄養をちゃんと吸収できなくなってしまうセリアック病が知られています。そのため、セリアック病の人は小麦を使った料理をいっさい摂ることができません。

 

ところが最近になって、グルテンによるアレルギー反応はセリアック病のような「即時型アレルギー」だけではなく「遅延型アレルギー」も引き起こすということが分かってきました。

即時型と遅延型アレルギーの違いはその言葉が示すとおり、症状が早く出るか遅く出るかの違いです。即時性アレルギーは蕎麦アレルギーや甲殻類アレルギーなどのように食べた直後に蕁麻疹などの反応が出るもののですが、遅延型アレルギーは食べてもすぐには反応が出ない、あるいは反応が出ても気付かない場合がほとんどなので、自分がアレルギーを持っていることを自覚していないのが特徴です。

 

グルテンも遅延型アレルギーを引き起こす代表的なものの一つで、グルテンに対してアレルギーのある人は知らないうちにグルテンを摂取することにより、慢性的な腸の炎症を引き起こします。その結果、「リーキーガット症候群」と呼ばれるGut(腸)がLeaky(漏れやすい)な状態になります。腸が漏れやすいというのは、十分に消化されていないタンパク質が腸から漏れて血中に入るだけでなく、本来解毒されるべき菌や毒なども腸のバリア機能が働かないことでそのまま血液中に入ってしまうことになります。

その結果じわじわと身体に悪影響を及ぼし、アトピーや胃腸不全、またやる気が出ないなどを引き起こすことになるのです。特に興味深いのは、学習障害やADHD、自閉症の人にリーキーガットの症状が頻繁に見られること。これは腸と脳が密接に関わっている事を示唆していますが、これも最近分かってきた腸と脳の関係についてはまた何処かで書きたいと思います。

アメリカでは現在ほとんどのレストランでGFメニューを扱っていますし、驚くことに小麦粉がメインであるはずのピザやハンバーガー、パスタにもGFメニューがあります。これは、小麦を使う代わりに米粉やトウモロコシ粉などを代用しているようです。

民族的にもともと小麦を食べる習慣がなかった日本人は特にグルテンアレルギーの割合が多いとの報告もありますが、まだまだ日本では馴染みがないため、あまり気にする人は多くないようです。

自分がグルテンアレルギーを持っているかどうかは、小麦製品を2-3週間止めてみて体調に変化があるかどうかを知ることによって判断することができます。食べると変化が出る即時型アレルギーとは逆の方法です。もしくは、血液検査で遅延型アレルギー検査(IgG food allergy test)を受けると、グルテンだけでなく他の食品に対する遅延型アレルギーも調べることができます。

アメリカでも、自宅で簡単に採血できるキットを販売している会社がいくつかありますので、目的に合わせて自分で検査してみるのもいいかもしれませんね。

 

・・・とまぁここまでは普通のブログですがここで終わらないのがアメ10。

次回は「アメリカで遅延型フードアレルギー検査を受けてみた」です。おたのしみに。

 

 

 

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2 comments on “アメリカのレストランのメニューで見かける「GF」とは?”

  1. 小児性アトピー持ちながら米国移住後治まっていた口ですが、最近なんか痒みが激しいな、というタイミングで、この記事を読み、ちょっとグルテンフリーを試してみることにしました(メリーもGoogle Translateで無難に読めたらしい)。

    日本では、湿気とかが原因で、梅雨から夏場は痒いと思ってたが、もしかしたら、他にも要因があるかも、と思わされた次第。

    地元・横浜とか米国北西部住んでた時は何ともなかったのに、カンザスに来て鼻炎が始まったし(年齢とかもあんのかな)、これから色々あるんだろうな、と遠い目をしながら、ゆっくりと色々改善できればいいな。

    次回も楽しみにしています。

  2. 納豆をカンザスで発酵してます。もしよかったら試してみてください!

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