アメリカ移住体験談 ー アイダホ在住MICHIさんの場合
こんにちは。Masaです。
この体験記をシリーズ化しようと企んでいるのですが、こうやっていろいろな人といろいろな話をしていると、アメリカに住んでいらっしゃる日本人の方々、いろいろと経験されていますね〜。今後が期待できそうです。
さて今日は、アイダホ在住のMichiさんのお話です。では、お話を伺いましょうか。
Masa:
Michiさん、こんにちは。今日は、Michiさんのアメリカへの思い、たっぷり聞かせてください。
Michi:
はい、では早速…
私が初めてアメリカに渡ったのは大学の時でアメリカの大学への留学をきっかけに最終的にはこうやってアメリカに住むようになりました。
Masa:
Michiさんは、アメリカ留学がきっかけなんですか。そういう方、確かに多いですね。移民に対しての締め付けが若干きつくなっている最近は少し数が減ってきてると思うのですが、アメリカ就職を目的に留学している方ってまだまだ多いと思いますね。
思うに、アメリカに移住している方のパターンって、
アメリカ留学
アメリカ赴任
ふらっと
の3つじゃないかと思ってます。3つ目の「ふらっと」と言うのは最近じゃほとんどないんでしょうけど。ビザとかの話もありますしね。「アメリカ人と結婚」もこの「ふらっと」に入りますかね。
おっと、余談でした。続けてください。
Michi:
はい。アメリカの大学を卒業して「卒業したら必ず帰国する事」という父との約束を守るために帰国し、地元の東京で就職するのですが、アメリカでの生活が忘れられず「いつか絶対アメリカに戻りたい!」と思いながら仕事をしていました。
アメリカは就労VISAがないと働けないので、とりあえずは仕事をしながらお金を貯めて自分のお金で大学院へ留学をしようと計画し、正社員としての仕事の他に、週2日英会話スクールの講師。社会人クラスは夜が多いので夜のクラス担当しました。それから、日曜日だけ近所のケーキ屋さんで仕事をして。
3つ掛け持ちでして早くアメリカに戻ろうと(笑)!
Masa:
そりゃすごい!仕事を3つも掛け持ちとは…。なかなかの経験をされてますね。それくらいアメリカ行きの意志が強いから、どれだけ苦しくても頑張ってこれて、目標を実現されたんですね。
Michi:
はい、そうですね。目標があったから出来たことです。ずっと出来るとは思っていなかったから。
そんなことをしているうちに間もなく東京で仕事をしていたアメリカ人の前の夫と結婚することになり、彼の仕事の転勤でサンディエゴに結婚後渡りました。ですので、この時点でグリーンカードを取得しました。
Masa:
ほ〜、それは…、なかなか…、興味深いと言うか…。
じゃぁ、Michiさんの場合は、アメリカ留学を機に、アメリカの素晴らしさを知り、アメリカ移住を決め、アメリカ人との結婚を機に、アメリカに移住されたということになりますね。
F-1ビザ ⇒ 帰国 ⇒ K-1ビザ ⇒ 結婚 ⇒ グリーンカード
ってことですね。
んで、サンディエゴで新婚生活を始めたと。
Michi:
はい、サンディエゴに3年ほど居たのですが、その際にはホテルのフロントの仕事と、その後日系企業の事務職に転職をし、3年後東京に戻って夫と教育サービスの事業を立ち上げ英会話スクールを2校運営していました。起業はその時が初めてで28歳で大したスキルもないままスタートしましたが、日本での英会話スクールで経験した「教える仕事」がとても気に入り、自分が好きな事で自分のビジネスになるなら週7日働いても苦にはならないな・・・とその時に感じました。
Masa:
おお、またまた、すごい経験をお持ちで…。Michiさん、起業されたんですか、それも日本で。
英会話スクールって日本ではかなりの需要がありますもんね。私の知り合いもやはり日本で英会話スクールやってるんですが、そこは、旦那さんが日本人で奥さんがカナダ人とか(笑)。
Michi:
で、まだその当時はインターネットも電話回線からやっとADSLに変わったくらいの時期で今のようにSNSも無かったですし、素人でも簡単に作成できるホームページのソフトやサービスも無かったですし、レッスンやスクール運営の仕事の合間に書店で買った「初めてのホームページ作成」みたいな本を買って一からHTMLのコードを独学で学んで、超ダサいホームページも作って全てが手作り感満載でした(笑)!
Masa:
お〜、なんか父ちゃん母ちゃん企業みたいですね(笑)。
Michi:
東京にはその後10年ほど居たのですが、その10年の間に離婚しました。
夫は日本語が話せず、日本で仕事を見つけるのが大変であろうと思ったので、夫にスクールは任せ、私が他で仕事を探し、OL生活に戻ったんです。
またそこで「アメリカに戻りたい病」が再発し(笑)、今度はリタイヤしたら絶対住みたい…と思っていたハワイへの移住を考え始めました。
Masa:
Michiさん、いろいろと経験されてますね。いろいろあっても、やっぱり「アメリカ」なんですね。なんかわかるなぁ、その気持ち。
Michi:
ただ、その時には日本に帰国し10年も日本に住んでいたのでグリーンカードは没収(泣)。旅行でハワイに行った際に入国審査の時に私のパスポートのスタンプを見て、
「君はもうアメリカに長く住んでいないね?このグリーンカードは破棄するよ。またアメリカに戻る際には大使館で再申請しなさい」
と言われ空港で没収!あらら・・・アメリカ移住の夢が遠のいてしまった・・・と一瞬思ったのですが、またここでそれがモチベーションとなり、OLしながら夜間で週2日大学院の授業を受け、フリーランスで週10時間契約の仕事をして、1年で300万円貯めて、専門学校ビザ(M-1)を取得し、ハワイの観光専門学校の7か月のプログラムに入学してハワイ移住を果たしました。
Masa:
なんかものすごい人生を送っていらっしゃいますね。とにかく経験されていることがすごい。自分の目標を達成するために、とにかくできることをどんどんされている、ってことですね。モチベーションを持ちながらガンガン進むからこそ、目標を達成することができるんですね。これくらい行動すれば目標が達成できないわけがない…。
で、ハワイに移住されてどうなったんですか?
Michi:
アメリカの本土には留学時代の同級生などがチラホラ色々な場所に居たのですが、ハワイは「人脈無し」。おまけにリタイア後はマウイ島に住みたかったので。オアフ島については殆ど皆無。正直全然オアフ島には興味がなかったのですが、学校も仕事もオアフ島以外は本当に限りがあるので、とりあえずはオアフ島にいました。
Masa:
お…、ちょっと妥協ですね(笑)。
Michi:
専門学校の担当者に、
「学校を卒業しても就労VISAは下りないし仕事は無いと思うのでそのつもりで来なさい」
と言われたので、
「大丈夫です。専門分野の勉強と市場調査のために1年弱ハワイに行きたいので・・・」
と伝えました。本当に就労VISAは取得が厳しいので、その前に友達を作ろう・・・とネットで色々な人たちと交流する間に今の夫に出会い、専門学校を卒業するくらいの時期に再婚、で、グリーンカード再取得しました。
Masa:
う〜ん、「思考は現実化する」ってこのことなんじゃないですかね。思っているだけじゃ実現しない、でも、思っていることを実現するために行動する、それが実現に結びつく。
なんか、すごい人生ですね、Michiさん。これ、アメリカに移住したいと考えている日本の方々に、素晴らしいお手本になるんじゃないでしょうか。Michiさんのやることなすことが、すべて「アメリカ行き」につながっていますね。
Michi:
そうでしょうか…。いずれの時も結婚に伴うグリーンカード取得なので、あまり他の方の参考にはならないかと思いますが、1つアメリカに関して言えるのは、日本よりもっと学歴社会で生活も仕事もシビアなので、アメリカ移住を検討されている方は言語はもちろんのこと、アメリカでも通用するスキルは絶対に持っているべきだと思います。
ハワイは日本人に人気のエリアで、移住を希望されている方が多くいらっしゃると思いますが、観光以外にこれといった産業がないハワイは、就職をしたところで大した給料はもらえません。それもあって日本人在住者でも事業をされている方、会社経営者が多くいらっしゃいます。
Masa:
確かに、ハワイに移住したいって方、たくさんいらっしゃいますからね。あそこは、気候もいいし、日本人も多くて、日本に住んでいるのと変わらないような感覚で生活することができますからね。でも、それほど世の中甘くはないってことかな。
アメリカ本土に入ると事情が変わってっきますね。私もよくわかります。
Michi:
アメリカ本土においては、大都市以外では日本人コミュニティや日英のバイリンガルの仕事を探すのも一苦労です。英語に自信が無い場合には、アメリカに渡る前にビジネスレベルの英語を習得することをお勧めします。目には見えない差別も存在しますし、スキルや学歴が無い人間には結構厳しい国だと、住みながら思います。
Masa:
それは私も感じます。私のように技術屋でやってきた人間は、ある程度の技術レベルを持っていれば、アメリカ企業に入ることはそれほど難しいことではないのですが…、もちろん日常業務をこなす程度の英語力は必要になりますけどね。でも、営業とか、企画、マーケティングをやっている人たちは、結構苦労しているようですね。
日本企業から派遣されて赴任している営業やマーケティングの人たちが、日本企業を退社して、アメリカ企業に移ったと言う話はほとんど聞かないですから。もちろん、ゼロではないです。私の知り合いでもアメリカ企業で営業とかマーケティングやってる人たちはいますから。
でも、営業でもマーケティングでも技術でも、一旦アメリカ企業に入ってしまうと、次からは会社を移りやすくなったりはしますね。
ま、言えることはそれなりの英語力は持っている必要があるってことですかね。
ところで、Michiさん、今は自分で起業された会社で働いていらっしゃるんですよね?
Michi:
ええ、今度はアメリカで起業しました(笑)。
アメリカでの起業、法人設立の手続きは簡単にできるんです。今は便利な法人設立専門のネットサービスもあるんですよ。$200程度払えばどの州に住んでいても簡単に法人手続きを代行してくれる会社なんですけどね。また、経理などはQuickBooksなどで簡単に処理出来る時代になったので便利になりましたね!
Masa:
そうですね、実は私も起業経験がありまして。ほんと、簡単に起業できますね。もちろん会社を大きくできるかどうかは起業とはまた別ですけどね。
もちろんうちもQuickBooksを使っています。ネットに繋がっているので、今会社の総資産がいくらなのかも、それこそその辺の飲み屋にいてもみられますから(笑)、ほんと便利になりました。
Michi:
私は若い頃に日本で起業した経験が、日本でもアメリカでも色々な面でとても役立っています。現在はハワイ州とアイダホ州で不動産のライセンスを取得し、アメリカの不動産売買のお手伝いをしていますが、不動産エージェントは100%コミッション制なので売買の取引が無ければ収入はゼロ。収入は無くても毎年の全米不動産協会や所属する地域の不動産協会の会費、二年に一度のライセンス更新までに20時間の講習など本当にお金がかかる職業です(笑)。
なので、不動産以外にも日本人向けの教育サービス会社、これはオンラインで受講できる英語講座や子供の起業家マインドを育てるキッズビジネス講座やハワイとアイダホでホームステイを提供しているんですが、そんな会社を立ち上げて、常に2−3つ収入源を持てるように心がけています。
Masa:
Michiさん、恐れ入りました。
今の世の中、何が起こるかわからないので、確かにマルチの収入の流れを作っておく必要がありますね。すばらしい。
Michi:
ビジネスを立ち上げてもその9割以上は世から消える・・・と言われていますが、要は「無理をしない」、特に資金面でですが、そして苦しくなったら短期的に外に仕事に出る・・・などすれば個人事業も楽しみながら出来ると思います。
Masa:
いやぁ〜、Michiさん、アメリカ移住体験談というよりも、なんか起業セミナーのようになってしまいましたね。
でも、私のようにアメリカに来てもサラリーマンでいるような人もいれば、Michiさんのように起業家精神バリバリで、どんどんいろいろな会社を起業して頑張っていらっしゃる人もいるってことですね。
勉強になりました。
また、オフラインでもいろいろと教えてくださいね。今日は、ありがとうございました。
Michi:
こちらこそ、お話の機会をありがとうございました。