マイナンバー制度、成り済まし詐欺にはご注意を

ソーシャルセキュリティ

初めまして、かおるです。

アメリカにはソーシャルセキュリティというものがあります。米国に滞在中私たちにとってこのカードは必須品、このカードなしにアメリカには住めません。

アメリカに滞在している日本人でもいづれ日本に戻ってしまうという方も沢山いらっしゃると思います。日本では現在国民背番号、マイナンバー制度が開始しその番号の交付が2016年1月から始まっています。

米国滞在の方も日本に戻って住民票を提出したらこのマイナンバーが交付されるでしょう。

アメリカのソーシャルセキュリティーと日本のマイナンバー制度は厳密にいうと全く同じ機能ではありませんが、ソーシャルセキュリティというナンバー制度を取り入れたアメリカから学べることがあります。

それは成り済まし詐欺に合わない自分で最低できるプロテクション。

ところでこの制度が基で発生したウソのようなホントの話、アメリカで起きたソーシャルセキュリティに関連した事件があるってご存知でしたか?

舞台は、今から70年強前の1938年、ニューヨーク。ある財布製造会社が「ソーシャルセキュリティーのカードがキッチリ入るお財布を作ろう」という素晴らしいアイディアを思いつきました。

そして、ダミーのソーシャルセキュリティーを入れたお財布を販売しはじめたのです。お財布に入っていたダミーのカードに入れた番号は「078-05-1120」。ダミーだから当然見た目も本物っぽい。

タミーの番号なのでこの番号は無効のはず。しかし実はこれホンモノの番号でした。なんとこの番号の持ち主、この会社の社長さんの秘書ヒルダさんという方のものだったのです!このダミーカード付き、いやいやホンモノのカード付きお財布はその頃人気のあったウールワースと呼ばれる全国のチェーンストアで販売され始めました。

彼女の番号が使われたことから会社では「チョット有名になったね」、などとジョークを言われたのもつかの間、多くの人達が彼女の番号を使い始めてしまったのです。その数なんと40,000人。ついにはFBIが直接彼女の家まで来て、「何故こんなに番号が使われているのか?!」と質問される羽目に。

ここまで大勢の人に使われた理由は、その頃ソーシャルセキュリティーシステムの概念はまだまだ新しかったためお財布に入っていた偽のソーシャルセキュリティーカードは「お財布を購入したら自分の番号になる」と理解していたのかもしれない、とも推測されているようです。

結局、彼女の番号は無効となり新しい番号が割り与えられたそうですがこんな大人数に不正につかわれたらたまったものではなかったでしょう。

本物の番号を使用し“ダミーカードとして使う”なんて今となってはかなり非常識な話ではありますが、このソーシャルセキュリティナンバーの詐欺事件、昔も今も人事ではありません。

冒頭で述べたマイナンバー制度。国民の背番号ともいわれるこの番号制度にはさまざまな情報が紐付けされています。クレジットカード等もマイナンバーと紐付けされるようになると、情報が漏洩し悪用されることだって十分ありえます。

個人で出来る最低のプロテクションはカードを持ち歩かない、カードは大切な場所に保管しておく、むやみに開示しない、定期的にネット上でしようしている銀行口座などのパスワードを変えるなど当たり前のことをここアメリカでもいっています。

ちょっとしたことでリスクは回避できるので、めんどくさいなーとは思わないほうがよさそうです。

米国に滞在中はもちろんのことこのソーシャルセキュリティの保護はきちんとして日本にもどったらマイナンバーの保護もがっちりとしておくようにしてください。

第二のヒルダさんにならないためにも。 

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