再びRSU (Restricted Stock Unit)の話
RSUのご質問がいまだに多いようですので、今回はもう少しわかりやすい説明を...。
RSUとは何か?
簡単に言うと、ボーナスのようなもの。キャッシュではなくて、会社の株で支給されます。
すごく簡単に、乱暴に説明してしまいますね。
たとえば、去年、4000株のRSUをもらったとします。普通、その4000株は4半期ごとに換金できて、4年で満額支払いとなります。つまり、4半期ごとに4000株÷(4半期X4年)=250株を換金できることになりますね。だから、去年、4半期ごとに換金したとすると、250株X4回=1000株になります。換金時の株価が10ドルとすると、4半期ごとに2500ドルずつ、トータルで1万ドルもらえることになります。
では、今年、もう4000株をRSUとしてもらうとどうなるか。次4半期から、同じように250株ずつ換金できますよね?つまり、去年のRSUと併せて、250の倍の500株ずつ換金できることになります。株価は変わらず10ドルとします。そうすると、今年からは、毎4半期ごとに5000ドルずつおりてきて、トータルで2万ドルになりますね。
では来年は?もう4000株をもらったとすると、来年は4半期ごとに7500ドルずつおりてきて、トータル3万ドルになります。
ここがRSUやストックオプションのおいしいところ...だと思ってます。
もらった株を一度に換金することはできませんが、毎年、常にRSUをもらっていれば、会社にいる限り、換金額は毎年倍倍ゲームで増えていきます。もちろん、株価の上下がありますから、常に倍倍とは限りませんね。ある瞬間には3倍くらいになる可能性もありますし、その逆に倍にもならない場合もあるでしょう。
さらに、会社の景気が良い場合、株価がぐんぐん上がります。上がりすぎると、株の売買のしやすさを考えて、1株を2株とか3株とかに分割する場合があります。これを「スプリット」と言うのですが、このスプリットが起きると、今持っている株、1000株が、2000株になります(1株→2株にスプリット)。もちろん、1株の値段は半分になりますけどね。でも、自分の持ち株が倍になるわけですから、会社の景気がさらに良くなって、半分の株価が元に戻ったとすれば、換金額は2倍になりますね。
なんとなくイメージ、沸きました?
小学生の算数で簡単に計算できますよね。
でも...
実際にはそれほど簡単ではありません。いや、かなり難しいかも...。
「税金」が絡んできますからね。
私の理解が正しければ、RSUには2回、税金が絡んできます。
話を簡単にしなければなりません。難しい...。
RSUをキャッシュにするには、2つのステップがあると理解すれば良さそうです。たとえば...
4000株、RSUをもらったとします。その時の株価が10ドルとします。次の4半期には250株換金できるのですが、実際に250株、換金できるとは限りません。たとえば、換金時点で株価が20ドルになっていたとします。4000株のRSUをもらった時点での株価が10ドル、250株換金したとすると、2500ドル。ところが、換金時には1株20ドルになってますから、250株X20ドル=5000ドル。ここですんなり5000ドル換金できるわけではありません。5000-2500=2500ドルに「税金」がかかってきます。
わかります?
手取りはおおよそ、250株X20ドル-(250株X20ドル-250株X10ドル)X40%=4000ドル...になると...思います(100%、自信がなかったりして...)。
さらに話を複雑にするのは、この40%(あなたの年収によって変わってきます)の税金分の株価を前もって250株から差し引くこと。つまり、250株が200株になって下りてくるってことになります。
これが最初の「ステップ1」 - 「当4半期に200株下りてくる」
つまり、もらった4000ドルは「黙っていても」4半期に1度下りてきます。何と言うか...200株が別の受け皿に乗せられるって感じでしょうか。もし、4半期ごとの株価が20ドルで変動がないとすると、当4半期には200株が受け皿に乗り、次の4半期には200株足した400株が受け皿に乗っている、次々4半期は600株...
大丈夫ですか?
もっと混乱させますね?
ステップ2です。
「受け皿」に乗っている株をキャッシュにするときにも「税金」がかかってきます。
つまり、今、受け皿に600株乗っているとしますね。そのうちの200株を換金するとします。で、今の株価を30ドルとしますか。また話が複雑になりますね(笑)。
200株が受け皿に乗せられたときには、最初の株価10ドルと、受け皿に乗った時点での株価20ドルの差額分に税金がかかりました。だから、すでに税金が差し引かれていますね。
で、さらに今、20ドルが30ドルに上がっていますから、その差額分にも税金がかかります。もし、20ドルのままだったら、税金はかからないことになりますね...たぶん。
ってことで、RSUはおいしい制度ですが、株価の変動が大きいと、換金する時期(日)によっては、うまみが半減(それ以上?)してしまう場合もあります。
これ以上の説明は、ボロが出そうなので、また次回と言うことで。
Masa さん
RSUのレクチャーすごくためになりました、ありがとうございます!
夫の会社でRSUもらっているのですが、2人とも株には興味なくちんぷんかんぷんで・・・資料等よんでもなかなか理解できなかったのですが、Masaさんの説明で少しつかめた気がします。
毎年、「年末調整のあとに面倒な確定申告書類を作り、追加で高い税金を支払っている面倒なもの」としか思っていませんでしたが、仕組みが少しだけ分ったので、うまく運用できるように頑張ってみようと思います。
きくらげさん、初めまして。。。でしょうか。コメントありがとうございます。
お役に立てて幸いです。実はこの記事を書いたのはかなり前なのですが、まだこの会社で働いています。4半期ごとに降りてくるRSUの額もかなり増えました。これが会社の作戦なんですよね。その罠にまんまと引っかかっています(笑)。長く会社に留まるほど、会社にいる間にゲットするRSUが多くなる訳ですからね。
何かわからないことがあったらいつでもご連絡くださいね。ボロが出るまでご説明できると思います(笑)。
すでに確定申告リミット目前の今日、夫からRSUの話を聞き、何が何だかわからず困って検索してみました。
RSUの仕組みはMASAさんの説明を読んで少し理解できたのですが、確定申告についておしえていただけないでしょうか?
まず、給与なのに確定申告をしなくてはいけないのですか?たまたま夫の会社がそうなってるだけなのかもしれませんが…
換金はしていないのですが、株が付与された日の円で計算して申告すれば良いのでしょうか?
初めてなので、何もわからず申し訳ないのですが教えて頂けたらと思います。よろしくお願いします。
Akiさん、初めまして(かな?)。コメントありがとうございます。
Akiさんがいまどのような状況にいらっしゃるのかわかりかねるのですが、アメリカにお住まいなのでしょうか。それとも、日本にお住まいなのでしょうか。
「株が付与された日の円で計算して」とおっしゃっていますから、日本にお住まいで外資系にお勤めなのでしょうか。
状況によっていろいろと変わるってくると思います。私の場合、RSUが日本で税務上どのように扱われるのかを知らないので、お答えできそうにありません、ごめんなさい。
アメリカにお住まいであれば、RSUは基本的に給料と同じ扱いですので、それほど気にする必要はありませんが。ふつーに申告すれば問題はないはずです。
すみません、答えになってませんね。
MASAさん
ありがとうございます。
突然、日にちがなかったものであわてて質問してしまい、本当に申し訳ありませんでした。
良く考えてみれば、MASAさんはアメリカにお住まいなのに…なんて質問をしているのでしょう!恥ずかしい!それなのに、きちんとコメントして下さって本当にありがとうございます。
私は今日本におり、先日の地震で停電になったり、バタバタと後かたずけに追われていたりでMASAさんのサイトを見に来るのが遅くなってしまいました。ごめんなさい。
まだまだ余震が続いており、確定申告どころではなくなってしまったのですが、とりあえずお礼まで。
AKIさん、わざわざコメントバックありがとうございます。
今、非常に大変な時期だと思いますが、気持ちをしっかりと持って、安全に、ご健康にお過ごしください。
こちらでは、募金程度しかできなくて、自分にいらいらするばかりですが、とにかく応援し続けます。
今後ともよろしくお願いいたします。
説明が難し杉。 RSUって貰ったまたはVestされた瞬間に~40%税金分取られます。 1000株貰った時点で、すでに600株しか残ってません。 これから、株価がいくらあがって売っても、既に~40%の株を税金として収めているので、これ以上税金は掛かりません。Stock Optionと間違っていませんか?それに、売買禁止期間はありますが、それ以外は何時売っても構わないですし。
それに計算が間違いだらけ。 250株から40%引けば、150株しか残りません。 税金が最高の40%辺りまで取られるのはあっていますが。