日本帰国便が新型コロナで欠航!VWPでの滞在期限を延長した話
はじめまして。Myu です。アメ10最初の投稿です。
2020年3月より、止むを得ない事情でサンディエゴに短期滞在中、パンデミックの影響で帰国予定便が欠航したため、Visa Waiver Program(査証免除プログラム・VWP)の滞在限度日数を延長するという、貴重な経験をしました。
米国居住者は(VWP関係ないので)まず知らない(ので相談しても分からない)ですし、実際に滞在延長をしたという体験談は現時点で見当たらなかった(※個人調べ)ので、こちらに情報共有したいと思います。
このブログの読者様ならご存知のとおりですが、日本のパスポートは、ノービザでアメリカ旅行ができる VWP の対象で、最大90日間の滞在が認められています。私は今回、ぴったり90日間の滞在予定でしたが、日々コロナの影響が大きくなり、出国の約2週間前、帰路のサンディエゴ~成田直行便の欠航が報じられました。
平常時であれば、サンディエゴからの直行便がなければ、ロサンゼルス(以後、ロス)もしくは、サンフランシスコにコミューターで飛んで乗り継ぎ、というルートになるのですが、アメリカ国内線も大幅減便で、ロスまでの便がありません。飛行機で行こうとすると、シカゴやダラスやバンクーバーまで行って1泊して乗り換える “40時間級のエクストリーム乗換” とならざるをえない状況です。
アメリカ西海岸から日本へ向けて、現時点で飛んでいるのは、ロス~羽田の週1便のみ。それに乗れなければ、帰国できません。エクストリーム乗換を決意するかどうかはさておき、まずは週1便しかない貴重なロス便の席を押さえました。そして、4月に日本総領事館からメールで知らされていた滞在許可期間の延長を試みることにしました。
そのメールの内容は以下の通り(本文ママ)です。
件名:新型コロナウイルス感染症関連情報(4月21日)
【査証免除プログラム(VWP)を利用して米国に短期滞在する外国人渡航者向け,滞在許可期間の延長について】
4月17日,米税関・国境警備局(CBP)は,査証免除プログラム(VWP)を利用して米国に短期滞在する外国人渡航者(ESTA取得者)に向け,滞在許可期間の延長(Satisfactory Departure)に関する案内を発表しました。主なポイントは以下のとおりです。手続きに際し御不明な点がある場合は,米国当局にお問い合わせ願います。
(1)CBPが,VWP渡航者からの申請に基づき,新型コロナウイルスに関連した渡航制限,フライトの欠航,発病により米国から出国できない事情があるとして「Satisfactory Departure」を認めた場合,滞在許可期間の満了日からさらに最大で30日間の滞在延長が可能。
(2)「Satisfactory Departure」を希望するVWP渡航者は,パスポート番号を用意して以下に連絡すること。
·米税関·国境警備局(CBP):入国空港またはDeferred Inspection Siteのオフィス
(入国空港)https://www.cbp.gov/contact/ports
(Deferred Inspection Site)https://www.cbp.gov/contact/ports/deferred-inspection-sites
·米市民権·移民局(USCIS):コンタクトセンター
(コンタクトセンター)https://www.uscis.gov/contactcenter
·詳細につきましてはCBPのサイトをご確認ください
かなりさっぱりした内容なので、指定されたアクセス先を見れば、明瞭な指示が書かれているものと思い、1番目の「入国空港」を(PCで)開いてみました。ところが、開いた画面には、米国地図がドン!とあるだけで、本件に関する説明などは見当たりません。特設ページではなく、常設のページなのでした。
地図は州単位でクリッカブルになっていて、カリフォルニア州のピースをクリックすると、「Locate a Port of Entry in California」という空港施設リストページへ遷移しました。サンディエゴだけでも複数、連絡先があります。
どうやら、この中から経験値と直感で、正解を見つけて連絡を、ということなのでしょう。しかし、経験値も直感もなかったので、片っ端から電話をかけました。
が、タイミングのせいか留守電ばかりで、たった1度だけ人が出たと思ったら「私わからないから、来週かけて!」と切られてしまいました。出鼻を挫かれ、この先どのくらいの時間をかけたらゴールにたどり着くのか、不安な気持ちがよぎってきました。
次にトライする連絡先には、親切そうな名称の「コンタクトセンター」を選びました。ページを開くと、 Emma さんという親切そうなAIアシスタントがいたので、今回のキーワードである「Satisfactory Departure」について質問してみました。
Emma さん、その意味についてはすごく丁寧に教えてくれたのですが、肝心の取得方法については言及してくれませんでした。
フレンドリーなコンタクトセンターにも敗北し、ますます不安が募ります。最後の望みを「Deferred Inspection Site」につなぎます。
サンディエゴエリアのオフィスの受付時間は、ウィークデイの正午から午後3時までと短いため、月曜まで待って、正午ちょうどにかけることにしました。
今回もすんなりとは行かないだろうと、過度な期待を禁じて臨んだため、かけてすぐに受電された時、むしろびっくりする始末。ジェントルな口調の男性オフィサーが、淡々と、しかし優しく対応してくれました。
延長申請の理由として、パンデミックで帰国便がキャンセルとなった旨を伝え、入国日と元々の出国予定日、パスポート番号などの質問に答えると、条件的に Satisfactory Departure に適合、ということでI-94 (電子式自動出入国審査システム)の記録を修正するフォームの入手方法を教えてくれました。
少し話がそれますが、I-94というのは、他の方のブログにも書かれている通り、とても重要な情報です。旅行者がアメリカに入国した際、自動で作成されるデータで、この記録が合法的な滞在資格があるか否かを証明するものです。パスポートの記載にかかわらず、 I-94 が有効であれば問題ありません。昔は紙で発行されたようですが、現在は オンラインで最新の滞在可能期間や過去5年分の渡航記録を閲覧したり、紙に印刷することも可能です。
さて、先ほどの男性オフィサーが教えてくれたのは、そのI-94を修正するためのフォーム(Application for Correction of Arrival / Departure Form(I-94))を受け取る方法ーーあるメールアドレスに空メールをするーーでした。
アメリカでは政府のウェブサイトから多くの申請フォームを入手できますが、調べたところ、今回のように個別対応が必要なものは、掲載されていないようです。
そのアドレスに空メールを送信すると、必要書類·必要情報と申請方法の詳細、注意事項、そしてその修正申請フォームが添付された自動返信メールが返ってきました。
主な内容はこんな感じです。
【 必要書類 】
1. もれなく記載された I-94 修正申請フォーム(メール添付で)
2. パスポートの顔写真のついた情報ページの写し
3. 米国ビザの写し(※今回は該当しませんでした)
4. (可能であれば)最新の米国入国のCBPアドミッションスタンプの写し
5. (※これ以外はビザ取得者向けの条件だったので割愛します)
【 主な注意事項 】
* 申請フォームの記入や必要書類を確実に揃えてメール送信して下さい(不足してると処理できません)
* 必要書類が全て揃った時点で処理を開始します
* 修正処理の完了連絡はしません
* 上記以外の書類が必要な場合や、ご自身に赴いてもらう必要がある場合連絡します
* 処理には5~7営業日かかります など
【 申請フォームの項目 】
* 修正の申請理由(記述式。今回は「Satisfactory Departure Request」と書くように指示がありました)
* 名前・生年月日
* パスポート情報
* ビザ情報(米国ビザを持っている場合)
* 最新の入国情報(日にち、入国した空港、搭乗便情報、ビザの種類)
* 修正理由(4択式)
* 米国滞在中の住所
* 直筆サイン
* 記入日
ここには書いていないのですが、オフィサーからは、以下のフライト情報も出すよう求められました。
* キャンセルになった元のフライト情報
* キャンセル状況を示すもの
* 振替(取り直した)フライト情報
これらを網羅し、申請準備が完了しました。処理が終わるまで5~7営業日かかると書いてあったので、間違いや情報の抜け漏れによるタイムロスを避けるべく、3回見直して送信。(※仕組上、同じ自動返信メールが返ってきますが、送ったものは届くべきところに届いているので、問題ありません。)
数時間後、 CBP(US Customs & Border Protection)から返信があったので、書類に不備があったかと、慌てて開封してみたところ、こんな内容が。
Your request has been accommodated. Please check at https://i94.cbp.dhs.gov for your updated record of arrival.
(適用されました。更新情報をサイトで確認してください。)
5~7営業日という注意書きを良い意味で裏切る高速対応に、拍子抜けしました。
早速、オンラインで自分の I-94を確認すると、すでに更新されており、滞在可能期間がちゃんと30日、延長されていました。タイミングも良かったのかもしれませんし、できるだけわかりやすい資料を使ったのも良かったのかもしれません。とにかく、ホッとしました。
最後に、滞在延長手続きの大まかな流れと、注意点をまとめました。
【大まかな流れ】
1. CBPのサイトで現状のI-94から滞在可能期間内にあることを確認
2. Deferred Inspection Site もしくは入国空港、米市民権·移民局(USCIS)コンタクトセンターに電話、状況を説明し指示を仰ぐ
・米税関・国境警備局
- 入国空港:https://www.cbp.gov/contact/ports
- Deferred Inspection Site:https://www.cbp.gov/contact/ports/deferred-inspection-sites
・米市民権・移民局(USCIS)
- コンタクトセンター:https://www.uscis.gov/contactcenter
3. オフィサーの指示に従い、書類をまとめて送信
4. 申請後は自ら I-94の確認(処理完了通知は来ない場合があります)
【注意点・その他】
*正確な情報収集をしましょう。外務省のメルマガ登録をお勧めします。(→「海外安全情報 無料配信サービス」 )
*申請は十分に余裕がある日程で。ギリギリの申請は危険です。
*修正依頼フォームは、自筆サインが必要なので、印刷してスキャンするか、ペンダプなどで pdf にサインを書き込めるアプリなどを用意する必要があります。
*申請時点で、振替のフライトを予約済み(=つまり、米国から確実に出国する日が確定している状態)でないと不可 なので注意が必要です。
*振替フライトも、延長期間内で余裕のある日程で。30日延長されたからといって、ギリギリにすると危険です。
途中、不安で心拍数が上がりっぱなしでしたが、無事に申請が完了し、その日の夜はぐっすり眠ることができました。そして後日、サンディエゴからロスまでの移動問題についても、親切な友人が片道2時間の運転を引き受けてくれることになり、無事に解決しました。
※ご注意 これはあくまでも個人的な体験談であり、状況は日々刻々変わりますので、必ずご自身で都度、政府サイトなどの公式情報にあたって、最新情報を取得してください。
久しぶりに、アメリカで立ち回る、を読みました。とても詳しくて勉強になりました。綱渡り政治が北朝鮮以上に激しい、今日のアメリカ政治です。今日できたこと、明日はかなわないことは、状況は刻刻変わります。どのように立ち回れるかはその都度変わります。臨機応変に対応されたこと
活写していただき大変勉強になりました。
ラッキーでしたね。
私はアメリカ駐在という形で
こちらで働いてました。
ある日、日本人でアメリカで学校に行ってた人を雇いました。
彼がサンフランシスコに来た時、
サンフランシスコ空港から追い返されたそうです。
問題は 1日だけオーバーステイ。
ブラックリストにのってるために、
まず ハワイもアメリカのどこにも入国できません。
帰国はビザの切れる1週間前に、が理想です
私は1回目は電話で何故アメリカにステイしているのかを説明、即時反映されました。2回目は、メールでI-94のデータをメールで送り、まだ満足できる出発はできませんと送ったところ再延長されました。特にほかのドキュメントは使用しませんでした。
Nady様 コメントありがとうございます!なるほど、様々なケースがあるのですね、勉強になりました!私は、初めてのことで少々うろたえてしまったものの、今になると面白い経験ができてよかったと思っております!
Fumio Sakuragi様 コメントありがとうございます!(そして返信が大変遅くてすみません!) 過ぎてみるとなんてことない経験のように感じてしまいますが、帰国困難になりかけていた当時は、本当にドキドキでした。この状況も落ち着くどころか、どんどん深みにはまって来ているので、同様のことが二度、三度と起こるかもしれません。それでも、こういった経験を活かして、落ち着いて対応できるようになりたいと思っております!
Shiggy様 返信が大変遅くてすみません! なんと、そんなびっくり事件があったのですね。。。!たった1日、されど、不法滞在。もったいないですが、仕方ないですよね。。>< 「帰国はビザの切れる1週間前に」本当にその通りですね、今回のことに加え、教えていただいたエピソードを読み、さらに気持ちが引き締まりました。どうもありがとうございます!
コメント失礼致します。
こちら、どこに空メール送られたのでしょうか。
教えていただけますと幸いです。
maaa 様
コメントをありがとうございます。空メールの送信先は、Deferred Inspection Siteに電話した際、電話口でお知らせいただきました。電話で条件に合っていると判断されて初めて教えていただけるようでした! 参考になればと思います!
MYU様
コメントありがとうございます。
何回も電話して、そもそもSD自体知らなかったり、案内に違いがあったりと、1時間半も電話をまって、さきほどようやく正しそうな案内に辿り着きました、、、
USCISからUSの電話番号に電話がかかってくるので、そこでverification codeを伝えたらその後メールアドレスにメールが来るようです。それまでドキドキですが、、、待ってみます!
ありがとうございます。