アメリカの新卒採用、え?「新卒」って概念ないの?

こんにちは、Masaです。

 

今日は「アメリカの新卒採用ってどうなってるの?」というテーマで、ちょっと真面目にお話しします。

 

アメリカに住んで30年。いまだに戸惑うのが「日本の常識がまったく通じない瞬間」です。その代表格が—新卒採用。

 

たとえば「新卒で4月入社」とか、「内定式」とか。そんな話をアメリカ人にすると、「それって軍隊か何かの儀式?」と真顔で返される。いやいや、日本ではみんなそれが普通なんだよ!と力説しても、ポカーン。

 

アメリカに「新卒採用」なる概念は存在しません。

 

“新卒”という言葉は存在しない国
アメリカでは、大学を卒業しても「さぁ、みんなで入社だ!」なんてノリはありません。卒業=就職じゃないし、企業側も「新卒枠」なんて設けてません。

 

それどころか、就活でまず問われるのは「で、何ができるの?」とか「インターン経験ある?」という、“即戦力”前提の質問。未経験者OKの求人でも、実は「経験者歓迎」が本音だったりします。

インターンが命。うちの子どもたちも…
この国ではインターン経験が将来を決めるといっても過言ではありません。実際、うちの息子も娘も、大学時代にインターンした企業にそのまま就職しました。

 

「インターンで成果を出す → 社内で顔を覚えてもらう → 卒業後に内定」
この流れは、アメリカではごくごく一般的です。言い換えれば、“就職活動”は大学3年くらいからもう始まっているとも言えます。

 

成績や専攻ももちろん大事ですが、それよりも重視されるのは、実践力と適応力、そして行動力。日本のような“学歴と筆記試験で勝負”というモデルとはまったく異なります。

 

新卒の現実:数字が語る「厳しさ」
最近のデータによると、2025年春時点でアメリカの新卒者の失業率は5.8%。これはコロナ以降で最も高い水準のようです。さらに41.2%が過小雇用—つまり、せっかく学位を取っても、それに見合わない仕事にしか就けていない若者が4割以上もいるとか。

 

さらに悪いニュースとしては、企業の52%がAIの導入でエントリーレベルの職を削減中という報告もあります。

 

実際、2024年には「来年の卒業生は7%多く採るつもり」と言っていた企業も、2025年春には「やっぱり0.6%くらいしか増やせないかも」とトーンダウン。企業も様子見モードに入っているらしいです。

日本との決定的な違い
日本のように「決まった時期に、みんな一斉に就活・入社!」という流れはありません。アメリカでは採用は年中無休。企業が人を欲しがるタイミングで募集し、応募者が出せる時に出す—まさに“流動性の世界”です。

 

しかも、アメリカには“終身雇用”の概念も薄く、採用する側も「この人、数年で転職するだろうな」と思って雇ってます。だから、入社したからといって「将来安泰」ではなく、むしろ「次に備えて今から動けよ」がスタンダード。

 

最後にひとこと
「じゃあ、アメリカの若者はどうやって就職してるの?」とよく聞かれます。答えは—泥臭く、自分の価値を発信しながら、一歩ずつです。

 

キャリアセンターはあくまでアドバイザー。履歴書の書き方や模擬面接は教えてくれますが、就職活動は完全に“個人戦”。LinkedInで企業の人事にDMするのも普通の戦略です。

 

自由だけど、超シビア。でもその分、自分でキャリアをつくる実感がある。

 

だからこそ、アメリカの若者は強くなるのかもしれませんね。

 

…と思うMasaでした。 

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