Peel me a grape
最近、夏の間だけ日本人幼稚園に通う娘のために、毎日お弁当を作っているのですが、先日デザートのブドウをいれようとして、
「皮を剥くべきかどうか」
迷いました。
アメリカでもっとも一般的なブドウは、よく日本で見る小さい種無しブドウと、巨峰ブドウの中間くらいの大きさの粒です。
このブドウの皮を、アメリカ人は普通、剥きません。そのまま食べます。
(下手すると洗わず食べたりしてます。パーティでスーパーから買ってきたのをそのまま並べてるのを何度もみたことあります。)
他に、日本なら剥くけどアメリカでは剥かないフルーツの皮といえば、ネクタリンやプラムなど、リンゴ(剥くときもあるけど、剥かないのも全然普通)、オレンジの薄皮(日本人でもミカンの薄皮を剥かない人はいるだろうけど、剥いてるからってびっくりしない。アメリカ人はびっくりすると思う)などなど。
夫の実家でネクタリンの皮を剥いていたら、「日本人って何でも皮をむくんだよ!」と夫が義母に説明していました。
義母は、「わかるわ。農薬が心配なんでしょ。日本人は慎重なのよ」といかにも良く知ってるよという風にコメントしていました。
そこで私は、「アボカドの皮なら剥くでしょう?オレンジの外皮も剥くでしょう?私がネクタリンを剥くのも同じ理由です!」と説明しましたが、そこにいた義理家族一同、「???」とあまりピンときてませんでした。
さて、ブドウの皮ですが、ときどき慣用句として使われる「Peel me a grape」というフレーズがあります。
もとは30年代の古い映画の中のセリフで、最近では有名なジャズシンガーのDiana Krallが「Peel me a grape」という題名の歌を出しています。
映画でも歌でも、ブドウの皮を誰かに剥いてあげるという行為は、ものすごく献身的に誰かに尽くすことの象徴として扱われています。
オレンジやリンゴの皮じゃない、あの小さな薄い、別に剥かなくてもまったく問題ないはずのブドウの皮を剥く!そこまで尽くすのは相当なことだ、という感覚です。
Diana Krallの歌の歌詞は、「ブドウの皮をむいてちょうだい、桃の皮をむいてちょうだい、ワインを冷やして、氷を砕いて、ナッツを割って、ボウルをボンボンでいっぱいにしてちょうだい・・・」と、自信たっぷりの美女が高飛車に彼女に恋する男に次々言いつける内容になっていて、これをDianaが気怠くセクシーに歌い上げます。
もともとの映画と、この歌のせいなのか、「Peel me a grape」というフレーズにはそのような恋人に尽くす男性または女性のイメージも重なります。
それほどまでにインパクトがある、逆に言うとそれほどまでに「剥くのが大変で面倒で、普通は剥かないで食べる」と見なされている、ブドウの皮。
でも、日本では普通に剥きますよね。アメリカでそんなセクシーなイメージになっているとは想像もせず、家族で団らんしながらブドウの皮を剥いて食べてます。
巨峰の皮なんて剥かないで食べる人がいるとは思えません。小さい種無しブドウは、きゅっと指で押すと皮がつるんと剥けますね。どうも、あのタイプのブドウはアメリカでは見かけません・・・。日本で食べやすいように品種改良されたのでしょうか(さすが日本!)。
これが、普段のプリスクールのお弁当だったら迷わず皮つきのままランチボックスにいれるのですが、日本人幼稚園だとどうだろうか??
「あら、皮を剥かないでいれるなんてこのお母さん、面倒くさがり?」「子供が可哀相」
なんて、思われちゃうかしら・・・
しばらく悩みましたが、結局皮はむかずにそのままいれました(笑)
皮を剥くと水分が出てしまって水っぽくなって、風味も落ちるかな、と思って・・・
それにもう1歳のころから、皮つきで普通に食べている、アメリカの子供なので。
どんなフルーツも野菜も、できるだけ皮つきで食べた方が良いと言いますね。皮のすぐ下にとくに栄養が集まっているとも聞きます。
ただ義母の言うように農薬の問題はたしかにありますので、できるだけオーガニックな野菜や果物を入手して、それを丸ごと食べるのが理想的なのだと思います。
でも・・・
皮を剥いたブドウ、柔らかくて甘い部分だけになって、確かにおいしいですよね。プラム、桃、リンゴ・・・皮があったほうが味わい深くなって好きという人もいるかもしれませんが、私は子供のころから馴染んだ、柔らかくて甘い味わいがとても好きです。
アメリカ人のボーイフレンドがいる女性は「日本ではみんなこうするのよ」と言って、ブドウの皮を剥いてあげたら・・・その細やかさに彼がすっかり心を奪われてしまうかも?!
Tamamiさん、楽しく読ませていただきました。私も来たばかりのときパーティで(いかにも洗っていなそうな)ブドウがデンとでて、皮を悪戦苦闘して剥いていましたら、旦那に「日本人はブドウの皮を剥くんだよ~!」と満座で叫ばれ、まるで動物園の見世物状態になったことがありました。(笑) Tamamiさんと同じように必死に自己弁護?したのですが、誰にも分かってもらえず・・・。勿論今では皮付きのまま食べちゃっていますが、当時は凄く違和感がありました。農薬も心配ですし、ね。今日本でブームの「50度洗い」を実践してなるべく農薬を落として食べている、今日この頃です。
日本人って几帳面なんですかね? こちら来て「あら、そう?」と思うことって本当にありますよね。 そしてこちらに人には判ってもらえないという空しさ・・・。
家はプレゼントの包装紙を同じように言われました。
「日本人はきれいにテープをはがして、丁寧に折りたたむんだ!」ってね。
私も最初はあのブドウの皮、迷いました。
でも、日本のブドウに比べて、皮が薄い気がしませんか?巨峰の勢いでむこうとすると、薄くてうまくいかなかった気がします。
子供にあのブドウを出すときは、のどに詰まらせるのが嫌なので、皮をむくかわりに、半分に切って出しますが、それも周りのアメリカ人に言わせれば珍しいらしいです。
うちの母が日本から来て、食後に果物の皮をむいて切って出してくれたときは旦那がビックリしてました。
アメリカで売ってるぶどう、日本のスーパーで「皮ごと食べられる!」ってシールがパッケージに貼られて、売ってるの見ました。
あのぶどうの皮を剥くのは至難のわざですよね。赤ちゃんのときにはそれでも剥いてあげてたけど、いまは剥かなくても食べられる年になって、あー楽チン♪っておもってます。
Eriさん、コメントありがとうございます。あのパーティでよく見る、いかにも洗ってないそのままのフルーツって、ちょっとどうかと思いますよね。シュリンプカクテルとかもよく、凍ったままのを並べて自然解凍とかさせてるけど、やっぱり一度水洗いしほしいなーと思ってしまいます。
Eriさんも私とすごく似ている体験をしていて嬉しいです!
Mikiさん、包装紙のこと、よくわかります。とくにホリデーシーズン。カラフルな可愛いパッケージを「びりびりっ」と思い切り破くのが良いなんて・・・そんな開け方をされたら日本人だったら傷ついてしまうかもしれません。
でも、私の義母(アメリカ人)は、毎年きれいに包装紙とリボンを保存して翌年にリサイクルしてます!まあそれは節約精神なんですけど。日本人は、包装もプレゼントのうち、という感覚で、丁寧に持って帰りますよね。アメリカではその場でゴミ箱にポーンと捨てたりしていて、ほんとに感覚が違うなーと思います。
Erinaさん、そうですね、アメリカのブドウはたしかに皮がうすくて剥きにくく、無理に剥くと食べるところが減ってしまう感じですね。私も今はまったく違和感なく、皮ごと食べています。
うちも子供が小さいときは、喉に詰まらせないように半分に切ってました!
Makiさん、そっか、あれは日本的にも剥かなくて良いブドウという位置づけなんですね・・・。日本にも売ってましたか・・・。
初めて旦那の家族に夕ご飯に招待された時、
出されたブドウの皮が剥きづらくてびっくりしました。
他の人達がそのまま食べているのを見て、
ああこのブドウは、日本のものと違うんだ!
皮付きで食べて、口の中に皮が残らない。なんて美味しいんだ!!
と感動したことを覚えています。
それ以来、桃やネクタリンも違う品種と思い
皮付きで食べます。
でも、リンゴや梨だけはやっぱり剥いてしまいますね。
果物、美味しいですね。
Norikoさん、コメントお返事遅くなりすみません。
たしかに、違う品種だと思えばいいんですね。(実際ブドウはちょっと違う品種ですしね。)
桃は、私はあの産毛がびっしり生えたみたいな皮を食べるのはやっぱり抵抗があり、まだ剥いてしまいます。
リンゴは逆にTシャツできゅっきゅっと磨いて丸ごとかじるアメリカンスタイル(?)に最近慣れてしまいました(笑)