Who wants to tell a joke?
最近、5歳の娘が「Do you want to hear a joke?」と言っては自作のジョークを披露したがります。聞いているといくつかパターンがあるのがわかってきました。
ひとつはジョークというより日本で言うと「なぞなぞ」に近い感覚のもの。
「Why did the cow cross the road?」(牛が道を渡りました。なぜでしょう?)
「To watch a moooovie!」(ム~ビーがみたかったから)
これは、牛の泣き声が「モ~」ではなくて「ム~」と表現される英語ではないとうまくいかないジョークなのですが、とにかくこういうのが典型的で、もしかすると日本の「おやじギャグ」に近いかもしれない、言葉遊びというか駄洒落系です。
まずジョークを言う人が「Why…?」と謎かけをし、受ける人は「Why?」と聞きかえすのがお約束です。
日本で、「せかいの真ん中にいる虫はなに?」答え:「蚊」(せかい、という言葉の真ん中の文字が「か」)みたいな謎々がありますが、こういう謎々がアメリカの子供にとっては謎々じゃなくてジョークになるという感じでしょうか。
もうひとつは
「Knock knock!」
で始まるもの。ドアをコンコン、とノックするしぐさをしめす言葉です。
これを言われたら必ず
「Who’s there?」
と返さなければいけません。
ここからがジョークで、たとえば
「Lettuce!」
などと言います。なぜレタスがドアをノックしているのか謎ですが、とにかく
「Lettuce who?」
と聞き返します。
すると答えは
「Let us in!!」
これは、「レタス」と言う言葉と「Let us」がまったく同じ音なので、その音をかけた言葉遊びです。結局こちらも駄洒落系ですが、とにかく最初に「Knock knock!」で始めるのが決まった形式なのです。
こういうジョークはどうやって子供たちに広まっていくのかな?と思っていたら、ちょうどそのきっかけを目にする機会がありました。
夏のキャンプで4歳から10歳くらいの子供たちが集まり、体育館で朝のアクティビティをしていたときのこと。
その日のアクティビティが「ジョーク」でした。
先生が「Who can tell a joke?」と子供たちに声をかけると、大勢の子供たち(ほぼ全員)が、「Me, me, me!!!」と手をあげて発言しようとします。
こういうときいつも、先生が何を聞いているかわからないのにとりあえず手をあげて「Me, me, me!!」と言う子が何人かいて、あてられるととりあえず立ち上がり「Ah.. I forgot」とか言って座ってしまいます。間髪いれずみんなまた「Me!! Me!! Me!!」。
日本の子供たちも年齢が低いうちはこんな感じなのでしょうか。どうもアメリカの子供たちのほうがとにかく発言したがるというか、みんなの前で何か言うことが恥ずかしいというよりも嬉しくてたまらないことだと思っている気がします(もちろんシャイな子もなかにはいますが・・・)。
そんなわけで、その日も一人の男の子(7、8歳くらい)が指名されて前に出てくると、例の「Why」で始まる謎かけのジョークをはじめ、オチを言うと先生をはじめみんなで拍手喝采。「次は誰?」という先生の声でまた「Me, me, me!!!」、全部で5、6人の子供たちが前に出てきてはジョークを披露しました。
後ろで見ていた私は、「すごいな~、堂々としたもんだな」と感心していました。こういうとき私は最近の日本の子供たちを知らないので、自分が子供だったころの日本としか比較できないのですが、私の記憶では日本では「先生にあてられる」というのはとても緊張することだったし、とくに指名されないのに自分から進んで前に出て行って発言するということもなかったし、「ウケないでシーンとなったらどうしよう」なんて不安に思わず堂々とジョークを披露する、なんてとても考えられませんでした。
ジョークだけではなくてプリスクールのころからたとえば、「Show and tell」というアクティビティがあったりします。これは子供たちが家から何か好きなもの、おもちゃでも本でもいいので持っていって「これはこうやって使うものです」とかなんとか、自分なりに説明をするというものです。3歳、4歳という小さいときから、言ってみれば「プレゼンテーション」の原型を学び始めているようなものですね。
ちなみに、うちの娘はまだジョークの意味をわかっていなくて、たとえば最初の「牛が道を渡ったのは・・・」の牛を「猫」に変えたりしてまったくジョークが成り立たないのに一人で大笑いしたり、「Was it funny?!」と聞いてきます。最初の1、2回はお愛想で笑ってあげても、そのうち「No, not funny at all」と冷たく答えてしまう、お疲れ気味の私です。
私もコレには感心します。ここは大阪か?と思うくらいのアメリカンジョークの英才教育。
うちの子は、キンダーの後の時間外保育で年上の子供たちと触れ合う機会が増えてから、めっきりネタが増えたようです。
日本語が母国語の親としては、子供のジョークについていけない時ほど、「あぁ、自分の英語力もここまでか・・・」と寂しくなることはありません。
あれってただ単に英語力じゃないから、子供の柔らかい脳みそと、英語の「言葉感覚」みたいなのが必要になりますよね。大学とかESLでも、ジョークのセンスを教えて欲しいなぁ。
面白い記事、ありがとうございました。
あぁ、うちも、面白くないジョーク(っつーかそもそもジョークになってない!)のを聞かされます。Knock knockのなんて、永遠に続くから疲れる。。
なぞなぞの方は、アイスキャンディーの棒に書いてあったりしますよね。
日本のギャグも教えてあげなきゃいけませんね。
「隣の家に囲いができたってねぇ」「へぇ~」とか、べたなところから。
Erinaさん、年上の子供たちから伝授されるのですねー!私も最近、ジョークどころか普通の会話も何を言ってるかよくわからず「なに?もう一回言って」と何度も聞き返すうちに「Never mind!」とかあきらめられてしまい悲しいものがあります・・・。
Makiさん、やっぱりジョーク攻撃を受けてましたかー!そう、あのジョークでもなんでもない意味不明ワールド・・・、せめて早くちゃんとしたジョークを覚えて披露してほしいものです。
そうね、「ふとんがふっとんだ」とか「あったかい毛布、あったかい?」とかねー。日本的にはいわゆる「駄洒落」「おやじギャグ」と言われてしまうんだけど、アメリカではこれが立派なジョークなんですね。