日本の会社の場合、少なくとも私が勤めていた10年ほど前は、オフィスには共用の電話が設置されていました。
そうですね、4、5人に1台くらいの割合だったか。課長や部長など、偉くなると自分の机に1台、電話を置くことができました。
書く電話には、1つずつ内線番号が割り当てられていましたが、外線は確か3つとか4つくらいだったか。つまり外線は課内で共有するってことです。
誰かが課長宛の電話を受けた場合は、その人が課長の机の上にある電話に転送したり。あるいは、誰もいないグループの電話が鳴った場合には、隣のグループの人間がリモートでピックアップしたり。
結構複雑なことをやっていました。
今はどうでしょうか。
構内用のPHPを持ち歩いている人に対しては1つずつ電話番号が付与されているとか。あるいは、携帯電話のみとか。多分、ずいぶん変わっているのでしょうね。
10年ほど前にアメリカに来て、すでに4社ほど会社を変わっていますが、すべての会社で、必ず、電話は1人1本与えられています。つまり、自分専用の外線を持つと言うことです。
もちろん、受付にも電話があって、そこにかかってきた電話は、自分の電話に転送されてくるのですが、そのようなことは年に数回あるかどうか。
自分の名刺には自分のオフィスの電話番号が入っていますから、必ずそこにかかってきます。
自分の家族も何も気にせずに、電話をかけてきます。ま、携帯電話もありますけどね。
ずいぶん昔に、このブログにも書きましたが、1人1台電話が割り当てられていますから、電話会議などは、自分の机の上で参加できるわけで。ですので、居眠りもOK(失礼...)。
今の会社の電話は、VoIP電話で、ネット接続されていますので、結構いろいろな機能があったりします。
たとえば、オフィスに不在で、留守電になった場合、その録音音声がメールで送られてきて、パソコン上で聞くことができたりします。つまり、たとえば出張中に留守電があった場合には、出張先で留守電の内容をパソコンで聞くこができるってこと。
また、オフィスの電話を自分の携帯にすべて転送することもできますし(つまり、オフィスに電話がかかってくると、携帯が鳴るってことです)。
極めつけは、自分のノートブックパソコンのみで電話会議に参加できるってこと。ノートブックパソコンには普通スピーカーとマイクが付いていますから、ネット上から電話回線に接続して、スピーカーとマイクでもしもしはいはいができるってことです。スカイプみたいです。
昔から考えれば、今は空想の世界の話です。
技術先進の日本なら、もっとすごいことをやっていそうですね。
カテゴリー: アメリカ企業
アメリカ企業の電話
景気...悪いよね...
「景気...悪いよね...」
最近、人と顔を合わせると必ず最初に出すのがこの言葉。
「そうだよなぁ...お前んとこの会社、どんな感じ?」
「今のところ、大きくは崩れてないけど、明日にはどうかなっちゃうって感じかな...」
「そう、うちよりはまだましみたいだな。昨日、また10人ほど切られたよ。明日は俺かもしれない...」
アメリカのダウジョーンズも7000ドルを切りそうな勢いです。
昨日、突然、見知らぬ人から私のオフィスに電話がかかってきました。
彼「XXXXと申します。突然電話をして申し訳ありません。ある人から、あなたの名前を聞いて電話をしています。今、仕事を探しているんですが...」
私「・・・あ、そうですか・・・」
彼「私の専門はXXXXで、YYYYの設計経験もあって...」
私「・・・いや・・・私の部署ではXXXをやっていて、あなたの経験と少しずれてますから・・・どうかなぁ...。うちの会社には他にXXXなどの部署があって、そこにはオープニングがあるかもしれませんね...」
彼「すみません。でも、私はXXXの経験もあって...」
私「では、採用の人間をご紹介しますので、そちらの方に連絡していただけますでしょうか。」
話によれば、私も登録している、ビジネス系の大規模ソーシャルネットワーキングサービスのLinkedInで、彼のコネクションから私の連絡先を聞いたとのこと。
彼はしきりに迷惑をかけて申し訳ないと謝っていました。
彼の経験を聞けば、かなり高度なことをやってきた人だとわかります。でも、そのような人でも首を切られる世の中なんですね。
ちょっと恐ろしくなりました。
幸い、先日のAll Hands Meetingで話題に上っていた、「大きなプロジェクト」を取ることができたので、少なくともうちの部署はしばらくは首がつながっていると思います。
ただ、今後、景気がどんどん悪化に向かうと、どうなるかわかりませんが...
アホじゃなかろか...
すでにご覧になった方も多いと思いますが。この記事、
米メリル、身売り直前に高額賞与 最高幹部は109億円
「そこまでして、金が欲しいんかぃ、あぁ?(怒)」
あきれてモノが言えませんよ。
「通常より時期を早めてボーナスを支給」
「どうして?」
「なんでそんなことするんだよぉ、あぁ?」
自社で抱える巨額損失に比べれば、36億ドルなどはした金で、無視できるとでも考えたのか?
愚の骨頂、救いようのないアホども。
やつらが手にしたボーナスで何人が首を切られずに済んだのかわかってんのか?
普通、人を採用する場合、何もかも含めて一人当たり年間20万ドル(2000万円)くらい見ます。先日うちの会社で200人が切られましたが、簡単に言えば切られたために浮くお金が4000万ドル程度ってことです。まぁ、実際はこんなに単純ではなくて、切られた人に支払う解雇手当のようなものもあるんですけどね。
で、この記事によれば、最高幹部4人に支払われたボーナスの総額が何と109億円!!!
と言うことは、もし、こいつらにボーナスを払わずにその分従業員に回したとすると、100人を1年間雇用できることになるんですよ。
わかりますか、こいつらが何やってるのか?
会社から切られて求職活動を続けている人があふれていると言うのに...。
絶対に間違ってる...。
All Hands Meeting
昨日は、四半期に一度のビジネスユニットのオールハンズミーティング。
不況のために先日レイオフがあったばかりですから、みんなの焦点は「今後、うちの部署は大丈夫なのか」に注がれます。
うちの会社の場合、ビジネスユニットがいくつかありますので、部署ごとのオールハンズミーティングと全社的なオールハンズミーティングがあります。両方とも頻度は四半期に一度。先週全社オールハンズミーティングで、今週はわれわれの部署のオールハンズミーティング。
今回は、ビジネスユニットの長であるSenior Vice President君が、うちの本社のアーバインでプレゼンを行いました。サンディエゴを始めとする各拠点は、ネットミーティングを通してミーティングに参加します。
ミーティングでは、先期の全社売り上げ、利益から始まり、うちのビジネスユニットの売り上げと利益、さらに、今期以降の商品開発計画や売り上げ/利益予測などが報告されていきます。
競合メーカの分析や、顧客のビジネス状況分析などもあって、結構面白いデータを見ることができます。
下々のもののもっぱらの興味は、「今後、会社はどうなっていくのか」、「今後、大規模なレイオフはあるのか」などに集中しています。ですので、質疑応答になると、あちこちからそれに関連した質問が飛び出します。
そのような質問に対し、SVP君は当たり障りのない受け答えをしています。ま、正直、彼にも見えてないと思いますね、今後どうなるかは。お客様あっての商売ですから、お客様の調子が悪くなれば、いくらわれわれの技術が優れていようと、サポート力があろうと、共倒れになるのは目に見えていますから。
お客様とのプロジェクトのキャンセルもいたるところで発生しています。プロジェクトキャンセルのあおりを受けた他部署のあるグループは、かなりの人間が切られたと言う話も聞いています。
とりあえずSVP君が言うには、今話を進めている大きなプロジェクトを取ることができれば、全く問題はないとのこと。逆に忙しくなるだろうと。
裏を返せば、そのプロジェクトが取れなかった場合には、何が起こるかわからないってことで...。
今のところ状況は変わらないってことでしょう。