アメリカ人を管理する

管理=マネージメント。



アメリカにも日本と同じように職位と言うのがあります。会社によって呼び
方が違いますので、一概に「こうだ」とは言えません。



スーパーバイザー:
これは、今の会社に入って、始めてみた職位です。日本で言う係長クラ
スだと思います。



マネージャ:
普通、管理職はここから始まります。課長級ですね。



シニアマネージャ:
課長の一つ上。次長でしょうか。あるいは、部長補佐?



ディレクター:
部長...だと思います。



シニアディレクター:
部長の少し上。



バイスプレジデント:
日本語に訳すと「副社長」ですが、アメリカではそれほどのレベルではあ
りません。大きな会社ですと、部長の少し上くらいです。多分、自社株を
どうのこうの出来るようなレベルではありません。



シニアバイスプレジデント:
社長と部長の間くらい。



CEO、COO etc.



大体こんなもんでしょう。



ちょっと余談が長くなりました。



さて、アメリカ人を管理するって、どう言うことか。



日本人を管理するのとは訳が違います。日本人がアメリカ人を管理する場
合は特に気をつけた方が良いでしょう。



幸か不幸か、私は、今までいた会社で、マネージャを1年半、ディレク
ターを3年半ほど経験しました。



正直な感想。「めちゃ辛い」。



何が辛いか。日本人的発想で管理することは全く無理。ナンセンス。



課長さんや部長さんのように「おい、ちょっと。これ、まずいんじゃない
の?今日中にやってよ。明日の朝、客先に出すから。」とか、「お前なぁ、
何年会社員やってんだよ。顔洗って出直して来い!」なんてことを言おう
ものなら、



「あっそ。じゃぁ。」



って、その1時間後には退職届をもらうはめに。



まぁ、少し大げさな例ですけどね。



日本の場合には、一人一人にグループ意識があり、そのグループをある
方向に導くのが管理職の役目ですね。それによって一人一人の個性が
抑えられる場合がかなりあります。



アメリカの場合は、少し違っていて、個性の塊のような人間を、一方向に
向かせて、能力を最大限に発揮させるのが、管理職の役目、と言うこと
が出来ると思います。



専門職ですから、一人一人は、ものすごく高い能力を持っているんです
ね。彼らは、与えられた課題については、彼らの能力を十二分に発揮す
るんです。



でも、彼らから出てくるアウトプットは単独なんです。非常にレベルの高い
アウトプットなのですが、単独なんです。



個々から出てくる非常にレベルの高いアウトプットを一つにまとめて、成
果につなげるのが管理職の仕事なんです、と私は思っています。



そのためには、目標設定、スケジュール管理、結果のレビューなどいろ
いろな仕事があります。



週一でグループミーティングを開いて、課題、進捗などを確認し、目標か
ら逸脱しているような人間はいないか、スケジュールを無視してチンタラ
やっているようなものがいないかを確認しなければなりません。



そして、一人一人、この一週間のアクションアイテムを決める。そして、
目標の確認。



マネージメントで最も大切なのは(と私が思っているのは)、部下、上司
が納得した上で、動くと言うことです。個性の塊は、納得しないと動きま
せん。たとえ動いたとしても、そこから期待していた結果は出てきませ
ん。



では、どうやって相手に自分のやり方を納得させるか。



いろいろな方法があると思いますが、これは必ず効果があると思うの
は、



Let’s do xxx.

Why don’t we xxx?

「じゃぁ、こうしましょう。XXX。」



日本式に、「はい、君、これいついつまでにやってね」「お前、これ簡単だ
から、今日の夕方までね」と言うようでは、うまくいかないかもしれません。



これを例えば、「君、これこれについて、助けが欲しいんだ。簡単に出来る
と思うんだけど。明日までに出来るかな?」とか、「これこれを明日までに
やるには、君がやっていたあの方法がいいと思うんだけど」とか、あるい
は、「XXが〇〇までに欲しいと言う依頼があったんだけど、それに間に
合わせるために、作戦を考えて欲しいんだけど」。



ちょっとごまをすってるように聞こえますかね。



大切なのは、なぜ、その人にお願いしているのかを、明確にする必要が
あること。ただ、「これやって」と言うだけでは納得しません。「あんたが
必要なので、いっしょに考えてくれないか」と言うのが良いと思います。



まぁ、日本でも同じだと思いますけどね。



あと、感情的にならないこと。怒鳴ったら終わりです。苦労して作り上げ
てきたものが、すべて消えます。その会社にいることも出来なくなるかも
しれません。



まだまだ、いろいろとありますが、また、次の機会にお話しようと思いま
す。
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アメリカ人は話上手

アメリカ人、と言うか、アメリカで育った人は、小さい頃から、「話をすること
が大切」と習ってきてるので、よくしゃべります。


そりゃ、性格にもよりますが、とにかくよくしゃべる人が多いです。しゃべら
ない人は意見が何もない人、何も考えていない人と判断されるそうな。


数年前、あるベンチャー企業と、ある装置の共同開発をしていたころがあ
りました。


ミーティングの時には、必ず、マーケティングの人間がついてくるんです
ね。


その彼、まぁ、しゃべる、しゃべる。こちらに質問するすきを与えないんで
すね。自分の会話に自分自身が酔っているって感じでしょうか。


で、おまけに、何を聞いても、No problem. We can do it. 多分、
彼の口癖だったと思います。「私に任せておきなさい。必ずいいように
しますよ。」みたいな。


約束が守られない場合に、こちらが「だってこの前問題ないって言った
でしょ?」って問い正すと、


Unfortunately unexpected things
happened and blah, blah, blah…


unfortunatelyと言う言葉、これからアメリカで働こうと考えていらっしゃる
方、絶対に覚えておいてくださいね。


絶対に使える英語です。Frankly speakingと言う言葉とともに、ビジネスで
良く使われる英語です。身を持って体験していますから、間違いないで
しょう。


話がずれてしまいました。


日本では、昔、「沈黙は金」と言われていたように、あまりべらべら話すの
はみっともないと言う考え方がありますが(最近はそう言う風潮はなくなり
つつありますね)、もし、アメリカで、と言うか、海外で働こうと考えていらっ
しゃる方は、無理してでも、いろいろと話した方が良いと思います。


数年前に、あるアメリカ企業で、偶然、日本人と働く機会がありました。彼
のポジションはシニアディレクタ。日本で言う部長の上くらいの職位の人で
す。


電話会議なんかに彼といっしょに出ると、流暢な英語でぺらぺら話すんで
すね。「俺も頑張るぞ」と常に目標としていた人なんです。


あるとき、彼と同じレベルの人と話す機会があったんですね。その彼曰く、
「やつは、本当にしゃべらないよ。彼はClam Shellだ。」って。


ちょっとがっかりしたんですよね、その時。日本人から見たら、結構しゃべ
る方なのに、アメリカ人からすると、「無口なやつ」ってことですよ。


とにかく、「話し上手」にならなければいけません。そのためには、常に
「新鮮なネタ」が必要です。日本人の不得意とするところかもしれません
(俺だけかな)。


話す癖を付けましょう。

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アメリカ企業で必要な英語力

ピュアなアメリカ企業で働く場合には、やはりかなりの英語力が必要になると思います。


でも、それは業種にもよるんですよね。


たとえば、営業やマーケティングなど会社の一線で活躍したいような場合には、ネイティブスピーカ並みに英語はぺらぺらである必要があると思いますねぇ。TOEICなら満点以上(?)は必要でしょう。


また、ManagerやDirectorなど、それなりの職位につきたい場合にも、部下をまとめていくために、かなりの英語力が必要になるでしょう。ようするに他人をほめたり、説得したりする場合に、適切な英語を使う必要があるからです。TOEICで、850点以上でしょうか。いや、多分それ以上必要になると思います。


私のような技術屋の場合、それなりの技術レベルがあれば(私の技術力が高いと言っているわけではありません)、英語力はそれほど高くなくても良いような気がしています。それでも、TOEICは700点以上は必要でしょうか。


でも、もっと大切なことがあるんですよ。


私のいる会社はグローバル企業なので、本社には、いろいろな人種のるつぼなんですね。英語が母国語でない人たちもたくさんいるわけで。


でも本社がアメリカなので、当然共通語は英語になるわけで、皆、会議では英語で話すんですね。中国人とデンマーク人が話す時も英語ですし、ロシア人とギリシャ人が話す時も英語です。サバイバルイングリッシュもかなりいますよ。大変なような気もしますが、大体は会話になっているんですよ。


ようは、どれだけ一生懸命相手の意見を聞いて、自分の考えを相手に伝えるか、なんですよ。その気持ちがなければ、日本語で話していても、会話、成り立ちませんよね。


私も英語では相当苦労しています。笑い話もたくさんあります。この続きはまた後ほど...。 続きを読む

大荒れ、アメリカストックマーケット

今日のアメリカのストックマーケットは大荒れです。

原油高騰が、市民の不安をかきたてています。


うちの会社の株価も今朝から大荒れ。現時点で、7%も急降下。最近見たことがないほどの落ちようです。大丈夫かなぁ。


従業員は、株価に非常に敏感です。今日も朝からその話。「ヘイ、Masa、おまえ、今朝の株価見た?俺、後悔してる。あの時売っときゃ良かったよ。」とか「しばらくは、キープだな」とか。


会社の状況を心配する人もいます。「R&Dに予算使いすぎてるから、耐力あるかなぁ。」とか「最近出て行く人が多いけど、会社、危ないのかなぁ」とか。


私が見た限りでは、株価が上下しても、うちの会社のビジネス(受発注)が左右されることはないと思います。今絶好調の分野なので。


でも、私も7%損していることになるんですよねぇ...。 続きを読む

アメリカ企業の勤務時間

アメリカ企業での勤務時間ってどうなってると思いますか?

私が今までに働いたことのある会社では、従業員ハンドブックに、週40時間と書いてありました。

日当たり8時間、週5日勤務。日本と同じです...。表向きは。

でも、はっきり言って、従業員の判断に任せられていると言うのが現実です。

ある人は、しっかり8時間働きますし、ある人は、残業バンバンしてますし、ある人は、朝10時に出てきて、夕方5時には帰ってしまいます。日当たりの労働時間は6時間程度ってことになりますね。

ホワイトカラーはタイムカードがありませんし、年俸制で残業代が付きませんから、勤務時間をしっかり守っている人は、そうそう多くないと思います。

朝、歯医者に寄ってから出勤する場合でも、前日に所属グループに向けて、メールで「11時ごろ来ます」のようなメールを送ってくるだけで、特に何もしません。それに対して、彼のボスも特にコメントしたりするようなこともしません。

あるいは、「今日は結婚記念日だから早く帰る」と3時ごろにそそくさと帰っていく人たちもいます。また、子供の誕生日だったりすると、朝からそわそわ。ほとんど仕事になってないんじゃないかな。で、3時ごろに早々に帰ります。有休届け、出した方が良いくらい。

今の会社の上司に言われたのですが、1日のうち、ある時間出てくれば、外出届けのようなものは出す必要はないと。思わず笑ってしまいました。

つまり、丸一日休む時以外は、会社への届けは必要ないと言うことです。もちろん、マネージャの判断次第なんですけどね。マイクロマネジメントしているようなマネージャだとこうはいかないと思います(私はそう言うマネージャに当たったことはありませんが)。

また、私の同僚のプログラムマネージャ。ある日、私に電話をよこして、「今日は、ガレージの修理が来るので、一日、家で働くから。あとはよろしく。」だと。

まぁ、プログラムマネージャは、電話とパソコンさえあれば、どこでも仕事できますから、特に問題ないわけで。日本語で言う、「サテライトオフィス」ってやつでしょうか。

日本から考えると夢のような話かもしれませんね。朝から「会社に存在する」ことに意義がありますから。「ミーティングに出席している(『参加している』と言うことではありません)」と言うことに意味がありますから(私の昔の会社の話です)。

ただ、私の周辺の人間だけかもしれませんが、忙しいときには、死ぬほど働きますよ。

一般的にアメリカ人は働かないと言いますね。自分の仕事が終わったら、他が終わってなくても、無責任に帰ってしまうと。

そう言う人も中にはいますが、そうではない人の方が多いですよ。私のいる会社は、近所でも有名なほど、がむしゃらに働く人が多いです。

オフィスは「不夜城」とも言われています。年収いくらと決まっているのに、「そんなにも働くか」くらい働く人も多いです。朝、メールを開いてみると、なぜか、夜中の2時、3時ごろにたくさんのメールが入っていることがあります。「どこかに出張してたの?」と思うのですが、聞いてみると、ラボで働いていたとか。

まぁ、こう言う人たちは、「チャレンジ」することに生きがいを感じているんでしょうね。将来、がんがん伸びていく人たちでしょう。

私は、がむしゃらタイプかもしれません。

チャレンジ、チャレンジ。 続きを読む