
少し前に、うちに来ているインターンの学生を正社員として採用するかどうかを判断するインタビューをしました。
実は、今、うちの部署は「ハイヤリングフリーズ」になっていて、これ以上社員を雇えないことになっています。「ハイヤリングフリーズ」 ”Hiring Freeze”とは、「採用を一時ストップ」することです。ハイヤリングフリーズする理由はいろいろあって、会社が傾いているとか、予算がないとか、ポジションがないとか、など。うちの場合には、ただ単に、前期に人を雇いすぎて、オーバーフローしているだけのようです。
ちょっと話がずれました。
このインターン君、去年の夏からうちで働いています。週3日、午前中のみ出社して、いろいろと我々を助けてくれます。超が付くほどのロボットオタクで、ロボットのハードウエアやソフトウエアを自分で設計して作ることが3度の飯よりも好きで、大学のプロジェクトでもリーダーをやっていますし、どこかのコンテストにもよく参加しているようです。彼のパソコンの壁紙はロボットです(爆笑)。
その彼、自分の就職先についても真面目に考えているようで、インターン中から、ディレクタやシニアマネージャ連中にアピールをしていました。このインタビューの話も、実はディレクターから降りてきたんです。「彼がうちに興味があると言っているから、オープニングはないけど、インタビューして、使えるかどうかを判断してくれ」と。
彼の技術レベルは、この6ヶ月間で大体分かっていたのですが、仕事に対する姿勢や目標などについて真面目に聞いたことはありませんでしたので、30分のインタビュー時間にはちょうど良い議論になりそうです。
会議室に入ると、彼は落ち着いた感じで椅子に座っていました。
私 “Hey xxx, what’s up?”
彼 “I’m doing OK. But a little nervous”
まぁ、これから数人とインタビューをするわけですから、緊張するもの当然でしょう。
でも...
彼がすごかったのは、彼のロボットをインタビューに持ち込んだところ。会議机の上に、デーンとロボットが乗っかっています。私も技術者の端くれですから、興味が無いわけはありません。
こちらのペースに持ち込むどころか、完全に向こうのペース。これぞ、インタビュー時の鉄則!
「相手をこちらのペースに持ち込め」
インタビューは彼のペースで進みます。
私 「ここはどうなってるのかなぁ」
彼 「そこは結構苦労したんですよね。だから、皆で手分けして進めたんです」
私 「それって、お前がリーダー役買ったわけ?」
彼 「ええ、もともとプロジェクトリーダーが僕なんで、コストからスケジュールまで全部管理しなきゃならないんですよね。競技会1週間前には作り上げて、後はデバッグですよ」
私 「ふーん、結構やってるじゃん。プレッシャーもあるでしょう。」
彼 「まぁ、競技会前はね。でも、好きでやってることだから。」
とまぁ、こんな感じで進みました。
このインタビューでも私の目的は、彼の仕事に対する意欲、姿勢、仕事の進め方などを見ること。
終始彼のペースで進んだインタビューでしたが、肝の部分はしっかりと押さえておきました。
私が下した判定は...
「合格!」
他のメンバーも彼のペースにはまったらしく、すべて「合格」。
これで、6月になったら、彼は我々のチームメンバーです。