サンディエゴの穴場! Pacific Southwest Railway Museum
こんにちは!Maki-Kです。
今日は再びサンディエゴの穴場を紹介したいと思います。
※前回の穴場はこちらでした→「Living Coast Discovery Center」
今日紹介するのは鉄道ファン必見(!?)、Pacific Southwest Railway Museum。
サンディエゴダウンタウンから東へ小一時間ほど。メキシコとの国境の田舎町Campo(カンポ)にあるミュージアムです。つい最近お友達に教えてもらって行ってみたのですが、これがねぇ、なかなか。良かったんですよ。
なんで今まで知らなかったのかなぁ。
こんな良いところ、もっと宣伝すればいいのに!
・・・ということで、
私が勝手に宣伝部長になります(笑)。
Pacific Southwest Railway MuseumのHPはこちら↓
https://www.psrm.org/
Pacific Southwest Railway MuseumはNPO団体「Pacific Southwest Railway Museum Association」が運営する列車ミュージアムで、スタッフはすべてボランティア。1961年設立だそうなので、結構昔からあったんですね。
このミュージアムを語るには、まずSan Diego & Arizona Railwayについて語らないといけません。
San Deigo & Arizona Railway(以下SD&A)は、サンディエゴのダウンタウンからメキシコのティファナとテカテを経緯して、アンザ・ボレゴ砂漠を通りカリフォルニアの東南の端エル・セントロまでつづく、全長148マイル(約240km)の鉄道線路で、今から約100年前の1907~1919年にかけて建設されました。エル・セントロから先は他の鉄道会社の路線がつながっていて、アリゾナのユマ、テキサスのエル・パソを経由して遠くシカゴまで列車の旅ができたそうです。SD&Aは全線通しての標高差が約1150m、起伏の激しい砂漠地帯をトンネルや橋を渡して通るこの線は、Impossible Railroad(不可能な路線)というニックネームで呼ばれていました。
この写真は以前砂漠ハイキングに行ったときに撮ったものですが、いやほんと、よくこんなところに線路通しましたね!まさにImpossibleと呼ぶにふさわしい。砂漠ハイキングで線路やトンネル、橋を何度も目にしているんですが、いつも不思議に思ってたんですよ。この線路はどこに行くんだ?って。10年くらい前は貨車を目にすることもあったのですが、最近はとんと目にしません。もう使われてないのかな??
※砂漠ハイキングについてはこちら→「サンディエゴ砂漠の休日」
で、ミュージアムで買った本「Images of Rail, San Diego and Arizona railway, The Impossible Railroad (by Reena Deutsch, Ph.D.)」によると、こんなところに鉄道を通してしまったので、大雨が降るたびに土砂崩れで線路が埋まったり、トンネルが崩れたり、はたまた落雷なのか放火なのか、火災が起こったり。度重なる被害を受け2008年以降この路線は使われていないそうです。・・・やっぱりね。(サンディエゴダウンタウン方面の路線はMetropolitan Transit System(MTS)がトロリーを走らせています。)
そして(前置きが長くなりましたが)、このSD&Aの昔の様子を再現しているのが、このミュージアムなのです。
ミュージアムでは合わせて80近い数の汽車、ディーゼル機関車、客車、貨車、その他いろいろ鉄道に関するものが展示されています。展示されているというか、線路にただ並んでいるというか・・・(笑)。まぁ、鉄道ファンだったら軽く一日ここで過ごせそうです。
並んでいる列車を見るだけでも結構楽しいのですが、このミュージアムの目玉はTrain Ride。実際にSD&Aの一部に列車を走らせて、乗車体験できるのです!
Golden State(ゴールデン・ステイト)と名付けられているこの列車。
土曜日・日曜日、11時と2時半の二回運行されています。
※HPはこちら→https://www.psrm.org/golden-state/
ルートはミュージアムのあるCampo Depot(カンポ・デポ)からメキシコ国境のトンネルまでの片道約5.7マイル、往復約12マイル(約19km)。ゆっくり片道30分かけて走ります。
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まずチケットカウンターとお土産屋さんを兼ねたデポの建物で、チケットを買います。
土地柄なのか、レジにいるボランティアのおじいちゃんもとーってものんびり。ここに来たらのーんびり行きましょう。
チケットを買う時に一緒にこのビジターガイドを買うのをお勧めします。
ミュージアムに展示してある車両の説明と、これから乗る列車のルート上にあるポイントの説明などが書いてあります。
Visitors Guide、$2。
さぁ、では乗り込みましょう~。
私たちが乗ったのは1930年に作られたcoach(客車)でした。
二台繋いだ客車を引っ張った機関車は1943年産まれのディーゼル車。列車に乗るのにウキウキしすぎて、機関車の写真を撮り忘れました。。
機関車に運転士さんと一緒に乗るオプションもあります(別料金)。
★乗る場所のお勧めは、後ろの客車の一番後ろ。
一番後ろと言っても、行きはメキシコ国境に向かって機関車が後ろから車両を押して進んでいくので、進行方向に向かって一番前です。お間違えなく。
Depotの目の前には草原で草をはむ牛。のどか~。
出発で~す。
車掌さんが切符を切りに来ました。
車掌さんを務めるのも、ボランティアのおじさんです。
の~んびりした車内。
列車の先頭(後ろから機関車に押されているので客車の後端)には車掌さんが乗っていて、進行方向をチェック。必要があれば非常ブレーキをすぐ掛けられるようにスタンバっています。私たちが乗ったときは撮影クルーも陣取ってました。宣伝用にビデオでも作るのかな?
ここはもうすぐ「Pacific Crest Trail(パシフィック・クレスト・トレイル)」が、線路を横切りるところ(線路の左手に見える看板が目印)。Pacific Crest Trailは、映画「Wild(わたしに会うまでの1600キロ)」の舞台になった、メキシコ国境からアメリカ西海岸を縦断しカナダ国境へと続く全長4000kmを超えるトレイルです。
のどか~。
ハイキング好きの私には見慣れた景色ですが、サンディエゴに住んでいても生活が街中心だと、こういう景色も新鮮でしょうね。
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メキシコとの国境のフェンスが見えてきました。山の中腹に茶色い線のように見えるのがフェンスです。
折り返し地点の国境のトンネルが近づいてきました。
トンネルの脇でBorder Patrol(ボーダーパトロール・国境警備隊)の車が止まって見張っています。
※記事を書いた後、このトンネルへ行く前の橋の手前で列車が引き返すようになったそうです(橋を点検する費用が出せないので橋の上を列車を走らせることが出来ないそう)。詳しくはミュージアムに問い合わせてください。
このトンネルは硬い岩盤を掘って作ってあるので木やスチールで支える必要がなく、掘りっぱなしの岩ゴツゴツ。180mほどの長さのトンネルの、出口12m位がメキシコ内。国境は越えません。ご安心を。
トンネルの中に小さいmotorcar(軌道モーターカー)が止まっていて、列車はその手前で止まりました。
トンネルの中に入ると・・・真っ暗でなにも見えんっ!
暫くトンネル内で停車した後、デポへ引き返します。トンネルすぐ手前のCampo Creek(カンポ・クリーク・カンポ川)の谷に掛かる橋は高さ27.5m。結構高いです。
来た道(いや、線路)を引き返し、デポまで戻ってきたら・・そのままデポを通り過ぎ、隣のミュージアムまで来て停車。ここで列車を降ります。
ミュージアムの中を見学します。
これは郵便車。駅で郵便物を積み込んで、走りながら列車の中で仕分けをしたんですね。揺れで気持ち悪くなりそう。。
仕分けボックスの中にはちゃんと手紙が入っていて、これは1959年の消印が押された、3セント切手が貼ってある年代物の手紙。きっと誰かが寄付したんでしょうね。そうか、60年前はそんなに郵便代が安かったのか。
このほかにも客車、寝台車、蒸気機関車などが屋内・屋外に展示してあります。フランクリン・D・ルーズベルト大統領がお気に入りで34回も使ったという豪華客車もコレクションの一つなので、探してみてください。多分屋外に停めてあります(私は探せませんでした)。
アメリカの蒸気機関車はやっぱり大きい!絵本に出てくるポーラーエクスプレスみたいです。日本のSLとは顔もだいぶ違いますね。
私は日本にいる父がその昔蒸気機関車の運転士をしていたのですが、彼がここに来ることができたらなぁ~。でも高齢なのでもうサンディエゴへは来ることはないかもしれません。もっと前からこの場所を知っていたら連れて行ってあげれたのに。ざ~んねん。ま、仕方がない。
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一通りミュージアムを見学したら、デポに戻ってお土産を買って。
帰りは国境沿いにあるPacific Crest Trailの始点を見学しにっても良いし、近くにあるワイナリーに寄るのも良いですね。
Campoへ行くときは、サンディエゴへ帰る途中にBorder Patrolのチェックポイントを通るので、パスポートやグリーンカードの携帯をお忘れなく。I-8、CA-94、Old Highway 80、どれを通っても西向きのレーンはチェックポイントがあります。大概、一旦停止するだけでそのまま通してくれますが、念のため。
ではみなさん、のーんびり楽しんできてくださーい。