9・11を振り返る – その2

581762_five_am_club_3.jpg

えっと...



何書いてたんだっけな...



あ、そうそう、そうでした。9月11日、テロアタックがあった後に、子供を学校に落として、会社に向かったのでした。



その当時働いていた会社は、うちから、30キロばかり離れたところにあって、2本のフリーウェーを乗り継いで、40分ほどかけて通っていました。



その通勤途中、気のせいだったかもしれませんが、その日は、なぜかフリーウェーの交通量が普段より少ないと感じました。



「多分、すべての米国民が、ありえないほどの衝撃を受けて落ち込んでいるんだろう」と思うほどです。



今でも忘れもしません。対向車線、数百メートル先から、フルサイズの白のピックアップトラック、メーカはシボレー、車種はシルバラード、が、たたみ一畳ほどの大きさの大きなアメリカ国旗を荷台にくくりつけて、ガンガンとこちらに向かって走ってくるではありませんか。



思わず胸がジンとして、目頭が熱くなりました。



「落ち込んでいるだけでは、何も始まらないってことだ。」



通勤ラッシュに全く巻き込まれずに、いつもより短時間で勤め先に到着。



会社に入ると、皆とにかく暗い。衝撃が大きすぎて、皆落ち込んでいるのがよく分かりました。



皆、現場で何が起こっているのか、一刻一秒でも早く知りたいと言う気持ちなのでしょう。誰かが、家からポータブルテレビを持ってきて、会議室に設置。ベンチャー企業でしたから、従業員数もそれほど多くないので、会社のほとんどの人間が会議室の中でニュースに釘付け。



いつもなら毎週火曜日の午前中には、ミーティングがあるのですが、この日は、誰もミーティングに出ようとしませんでした。いや、ミーティング主催者であるはずのマネージャ連中まで、会議室の中でテレビを見ていたのです。



その日1日、皆ほとんど仕事と言えるほどの仕事をせずに帰宅したようです。私自身も、あの、ワールドトレードセンターの2棟が、煙と炎とともに、崩れ落ちる光景が目に焼きついて離れませんでした。



「ここまでやるか、普通...?」



「目には目を、歯には歯をって言うけど、矛先が違わないか?」



「ペンタゴンは分かるけど(失礼!)、なぜワールドセンターを攻撃して、何千人もの一般市民を殺す必要があるのか?」



などなど、アメリカ国民ではない私でさえも怒りがどんどんこみ上げてきます。



その夜、家族と夕食を取りながら、人間の命の尊さを話し合いました。



その翌日、いつものようにフリーウェーを通って会社に出勤。驚いたことに、アメリカの国旗を付けた車がたくさんはしっているではありませんか。それに...車にペンキで国旗を書いている車もいます。



会社に着くや否や、受付に座っているおばちゃんが、「これ、車に貼り付けてね」とアメリカ国旗のシールをくれました。



また、国内各地では、献血運動が始まりました。サンディエゴでも、いたるところで献血運動が始まりましたし、どこからともなくたくさんの人が集まってきて、ボランティアとして、ワールドトレードセンターに向けて出発。サンディエゴの消防士たちもニューヨークに向けて出発。



「昨日、あれほど落ち込んでいたアメリカ国民が立ち直り始めている...」



以前、「サンディエゴ山火事」でも書いたのですが、アメリカ人と言うのは、何か大変なことが起こると、恐ろしいほどのスピードで一致団結して、困った人を助けるのです。もちろん、そうでない人もいますけどね。



一般市民がお金を持ち寄って、食料、寝具などなど、あっと言う間に揃ってしまいます。ボランティア精神が旺盛と言うのでしょうか。あるいは、小さいころからそのような教育を受けているからでしょうか。とにかくすごい。



9・11...



私の人生で最も大きな出来事の一つです。


もう二度と起きて欲しくない出来事です。 

Visited 21 times, 1 visit(s) today

7 comments on “9・11を振り返る – その2”

  1. 私はその時、日本でテレビで見たのですが、父親が隣の部屋で何やら騒いでたんです。
    「何事?」と思いのぞいてみると、ちょうど1機目の飛行機がワールドトレードセンターに突っ込んだ直後の映像が流されてました。
    「え、え、何!?」あまりにも衝撃的な映像で、「何かの撮影じゃないの!?」と現実を受け入れられないでいました。
    未だに日本でもこの日になるとやはり話題になりますが、それほどショッキングな事件でした。

    >アメリカの国旗を付けた車がたくさんはしっている

    私はアメリカの人々の愛国心がすごく好きです。
    (中国とか朝鮮の人とかも愛国心ありますが、彼らはなんだか他国の悪口叩きつつ「どうだ!俺らの国はすごいだろう!」と言っている人が多い気がして。。。)
    今の日本人が忘れかけて『心』ですよね(*^ ^*)

  2. 夜中に何故か目がさめて....なぜかTVのスイッチを入れて...

    アメリカの良さは、決して自己主張の強さでは無くて、物事の多様性を認め合うフェアなところだと思ってます。

    それは、一時のナショナリズムでは語りつくせない強み。お仕事で米国企業とのやり取りの中で、人種やら宗教やら文化やら、全てを飲み込んでフェアにしのぎを削ってる場面に遭遇すると。日本はなんだかなぁと感じてしまいます。現実は色々あると思いますが、そういうスタンスは明確だと思います。

    もちろん私は日本人、子供も日本人、憂いをもっても前向きに何ができるか、何を引き継げるか。常にそれを意識しています。ちと重たいコメントですか。申し訳ない。

    世界はもっと、システマティックにストラテジックですね。大丈夫かね日本。その前に、カタカナでしか横文字書けない自分は大丈夫?(笑)

  3. またまたお邪魔します。ローガン、ケネディ...良く使う飛行場です。怖いです。

    また、ロンドンのテロの二週間前にラッセルスクエアにいました。ロンドンではチューブを止めて避難訓練をマジでやってました。そこまでやって二週間後には爆弾が破裂しました。

    フランス人と話すとなぜ日本はブッシュの方をもつのかと真顔で聞かれました。彼らはそのリスクを子供の頃から感じているんですねぇ。きれいごとではなく、そういう感覚を日本の二世議員さんはもっているのでしょうか?はなはだ疑問です。

    アメリカの多様性を認めるカルチャー、いや、認めざるを得ない感覚を、お役人にも政治家先生にも、肌で理解していただきたいものです。

    この手のネタは、きりがありません。ここらでおいと
    間します。 ではつ!

  4. sooさん、毎度です。コメントありがとうございます。

    やはり、sooさんもご覧になっていたんですか。結構いらっしゃいますねぇ。

    >アメリカの人々の愛国心
    そうですね。おっしゃるとおり、愛国心の強い方が非常に多いと思います。

    このブログでも書きましたが、先日、会社のファミリーパーティーでブルースバンド演奏をしたんですね。

    その前にバンドのメンバーで、どの曲を演奏するかを考えていたんですよ。時間がたっぷりありますから、たくさん演奏できるんですね。

    で、数週間前から練習してきた、「アメリカ国歌」のロックバージョンをやるかと言う話になったんですよ。「おー、良いアイデアじゃん」と皆やる気になっていたんですが、あるメンバーが、、

    「会場では皆あちこちにちらばって遊んでるからなぁ。いきなりアメリカ国歌を演奏したら、その場で立ち止まって、国旗に向かって胸に手を当てて立ち止まれるかなぁ」

    と言い出し、結局演奏しないことになったんですね。

    たかがバンド演奏じゃんと思っていた私にとってはちょっと驚きでした。ロックバージョンであろうが、ポップバージョンであろうが、クラッシックバージョンであろうが、アメリカ国歌はアメリカ国歌なのです。粛々としてアメリカ国民としての誇りを感じなければならないのです。

    良い勉強になりました。

  5. 晴れふらさん、毎度!コメントありがとうございます。

    >アメリカの良さは、決して自己主張の強さでは無くて、物事の多様性を認め合うフェアなところだと思ってます。

    さすが、いいこと言いますね。そう、その多様性を認め合うために、いろいろと議論をするんです。で、端から見ると、それが強烈に自己主張をしているように見えてしまいます。

    議論好きと言うのは、自己主張好きと言うことではなくて、お互いを認め合うための手段なのだと思います。

    たまに思いますよ、「俺って、何でこうしゃべらないのかなぁ」って。他の人間は、ほんの些細なことでも話題にして、どんどん人を集めてしまう。こちらは、話題が無くて、沈黙も怖くて...。

    そう言えば、誰かが言ってましたよ。「日本人って、クラムシェル(Clam Shell)タイプの人が多いよなぁ」って。どう言うことか分かります?しゃべらないってことですよ。

  6. 今日のL.A.近郊の列車事故、テレビをつけると
    どのチャンネルもその映像を流していたので、
    一瞬テロかと思ってしまいました、昨日の今日だし・・・。

    ところで、サンディエゴというところは、不思議なところで、
    ミリタリーの施設がてんこ盛りなのに、
    ワールドトレードセンターに突っ込んだパイロットは、
    そのお膝元で着々とその計画を練っていたのです。
    飛行訓練は、あのAero Dr.沿いにある飛行場で教習を受け、
    サンディエゴ市が運営する某カレッジの生徒としてF1ビザで滞在。
    そのせいで、F1ビザの学生はもうこれでもかってくらい
    厳しくコントロールされるようになりました。

    私の周りでも、同僚がいきなり逮捕されたという人がいました。
    みんな普通の人だった(装っていた)様で、まさかあの人が?っていう感じだったそうですが、
    人間ってなにを考えているかわからないものです。

    なんだか、いろんなエピソードはありますが、
    これ以上書いてご迷惑をおかけしてもなんなので、
    この辺でやめておきます・・・

    もう、二度とテロなど起きない平和な世の中になりますように・・・。

  7. マフィンさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

    そうそ、確か2人ほど、サンディエゴに潜伏していたようですね。でも、どうしてサンディエゴだったんでしょうね?

    フロリダにもいたって話じゃなかったでしたっけね。

    >人間ってなにを考えているかわからないものです。

    そう、マフィンさんのとなりにいる人だって、どんなこと考えてるか分かりませんもんね。

    「え~、まさかあの人が~、信じられない~」ってこと、結構ありますよね。良い意味だったら良いんですけどね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です