アメリカに移住するまで Tamami編 -7(最終回)

アメリカ移住にいたるまでの経過を書いてきたこのシリーズも、今日で最終回です。

前回までのお話はこちら

 

留学をきっかけに渡米、気づいたら家族を持ってすっかり住み着いていますが、振り返ってみるといつの時点で「永住しよう」と決意したか、自分でもあまりはっきりわかりません。

もちろん、アメリカ人と結婚した時点でアメリカ永住の可能性はかなり高くなるのですが、私たちの場合は結婚した時点で2人ともフリーランス的な仕事をしていたので、「とりあえずはアメリカに住むけど、将来また日本に住んでもいいし」というフレキシブルな気持ちでいました。

実際にはすぐ子供が生まれて3人家族となり、そうなると海外どころか国内でもそう簡単に引越しなどできないことがあとでわかるのですが、結婚した時点では2人ともシングルでフリーランスという立場が長かったので、これからも気軽に日本とアメリカを行ったり来たりできるような気がしていたのだと思います。

 

そうやっていつのまにか身軽に移動するわけにもいかなくなっていたある日、「ああ、私はきっともう日本に住むことはないだろうな。永住するんだろうな」と、「決意した」というよりは「気がついた」という感じです。

そしてそう気がついた時点ではもう、私としてはアメリカの生活のほうにすっかりなじんでいました。日本に住むことはないだろう、と思っても、それが決して寂しいとかつらいという気持ちにはなりませんでした。

 

以前にも書きましたが、私は今ユダヤ教に改宗するための勉強をしています。

それと、そろそろアメリカ市民権を申請する条件を満たせるので、市民権の申請もしたいと思っています。

この二つが完了したら、私は「ユダヤ系アメリカ人」となります。

私が周りのアメリカ人に

“I was born as a Japanese in Japan, but I’m going to be a Jewish American”

と言うと、みんなまずは大笑いします。そのあと、「でも確かにそのとおりだね」と言います。

なぜみんな笑うかというと、アメリカで「ユダヤ系」というとみんな頭に浮かべる典型的なイメージがあるのですが、純日本人の私はその姿と似ても似つかないからです。

でも、改宗してユダヤ教徒になる人はたくさんいるので、実際にはいろんな姿のユダヤ人がいてもおかしくはありません。

 

また、「アメリカ人」の中にはあらゆる人種の人たちが含まれていて、言葉にアクセントがあっても、生まれた国が違っても、やはり正式な手続きを踏んで市民権を得ればその人が「アメリカ人」であることは誰にも否定できません。

したがって、純日本人として生まれた私が「ユダヤ系アメリカ人」になった、という意外性というか見た目とのギャップにみんな大ウケするものの、「うん、確かに実際そういうことはある」と納得してその後はみんなうなずくのです。

 

私はこのアメリカという国の、大人になってから「今までとはちょっと違った人生を生きたいな」と思った人間に実際にその可能性を与えてくれる、懐の深さに感謝しています。

アメリカにもいくらでも深刻な問題はあるし、日本のほうが優れている点だっていくらでも挙げられます。

日本もアメリカのようになったほうがいいとは思っていませんし、むしろ日本はいつまでも日本らしくあってほしいです。国のなりたちがもともと違うのだから、アメリカの多様性が素晴らしいと言っても、日本が突然移民をもっと受け入れるようになってほしいなんて全然思いません。比べてみてどちらがいい、ということではないのです。

 

ただ、個人的に私はこの国を移住する場所として選び、その選択を可能にしてくれたこの国のなりたちを素晴らしいと思い、今後も尊重していきたいと思います。

また、アメリカに限らずどこの国でもいいので、人生のどこかで海を渡り、日本とまったく異なる文化や価値観の中で過ごしてみることは、必ずその後の人生をいろいろな意味で豊かにすると思います。

その行き先のひとつとして「アメリカという国は、けっこうおすすめだよ」というメッセージを、今後もこのブログを通して伝えていけたらいいな、と思っています。

アメリカに移住するまで Tamami編 -7(最終回)” への4件のフィードバック

  1. 素晴らしい記事をありがとうございます。って早速コメントしちゃいます。

    こういう角度からアメリカという国を見て、日本語でシェアしている人って少ないんじゃないかなと思いました。すごく心に響きます。

    私もアメリカのそういうところが好きなんです。なんでもサイズが大きいとか、人がおおらかとか、そういう目に見えることより、今、自分がここにいる理由。アメリカという国だからこそ受け入れられた理由とでも言うのかな。

    ただ、それがたまたまアメリカだった。もしかしたら、イタリアとかレバノンとかタイだったかもしれない。そこで「あ、ここだ」って思ってたかもしれない。そのチョイスはあって良いんですよね。

    今いる場所が「ちょっと違うな」とか、(そこまで否定的じゃなかったとしても)「他にもまだあるのかも」なんて思ったら、やっぱり外に出るチャンスだと思います。ただ、アメリカという国はその受け入れ枠が大きい。

    そして、アメリカという国の懐の深さに感謝するのと同じくらい、私は自分の「もと」となる部分が日本で良かったと思っています。

  2. Erinaさん、ありがとうございます。日本人でユダヤ教に改宗する人ってすごく少ない(自分以外に直接会ったことはない)ですね。宗教っていう切り口から日本とアメリカを見るのはすごくおもしろいのでこれからもなにか発見があったら書いていきたいと思います。

    私もきっと、書類上はアメリカ人になれても、自分が日本人であることはきっと、このまま一生アメリカに住んでもなにひとつ変わらないと思っています。

    住めば住むほど、やっぱり自分は日本人だなぁって思うことが多いです。何かを切り捨てて新しい自分になるんじゃなくて、さらに新しい何かを足していく、深めていく、という形で変わっていければいいなと思ってます。

  3. 日本にいらっしゃった一年半の間は、今の旦那さんとは、遠距離恋愛をされていたのでしょうか。日本へ帰国される際、別れてから、帰国されたのですか?

    私は、こちらで付き合っている人と結婚したいと思いつつも、永住を決断することができず、一度日本へ帰ってみてはどうか、と考えており、参考にさせていただければと思い書き込みしております。

  4. Miwaさん、一時帰国していた間、夫(当時はBF)とはずっと連絡はとっていたんですけど、私もアメリカで一度結婚か、日本に帰国するか迷った末に帰国したので、その時点ではもう別々の人生を歩むことになるかも、という覚悟はありました。今のMiwaさんと似ている状況で私は帰国を選んだということですね。
    結果的に私達の場合は一度お互いに離れてみて、やっぱり結婚しようという結論に至ったのですが、それは結果論であって、もし離れている間に他の出会いがあったら結婚にいたらなかったかもしれないし、お互いの仕事や家族の状況によっては「やっぱりこのまま日本にいよう」と思ったかもしれないし、当時は決して「一度日本に帰国して考えて、決心ができたら結婚しよう」と計画をしていたわけではないです。
    結果的に私はそうやって自分で納得してまたアメリカに戻ってこれて、そのときまだ夫が待っていてくれたからラッキーだったと思うのですが、振り返ってみたらけっこう危険な橋をわたったな~と思います(笑)Miwaさんに気軽に「じゃ、日本に一度帰って考えてみたら?」とは、ちょっと言えないです・・・。海を隔てた遠距離恋愛は大変ですよ~。いろいろ考えて、ベストな選択ができるといいですね!

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