アメリカの一軒家を3倍楽しむ方法とはー 大きい事は良くない事だ

明けましておめでとうございます。いきなり本題に入ります。

昔学生の時、飲み会のジョークで、幸せな人生とは、日本人の妻を持ち、アメリカの家に住む事で、不幸せな人生は、アメリカ人の妻を持ち、日本の家に住む事というのがありました。アメリカ人の妻を持ち、アメリカの家に住む私の見解はと言うと・・・もし今の家が日本の家だったら私の人生はもっと幸せだったろう思い、同時に今のアメリカの家に日本人の妻と暮らしていなくて良かったとも思います。この様な暴言を吐くと、このサイトが炎上しそうですが、私はこの投稿で両国の女性を批評しようとしているのではありません。今回のお話はアメリカの家についてです。

日本の家とアメリカの家を比べるに当たって、両国の家の標準形を決める必要があります。これは両国の政府が発表する統計や、産業団体の報告書を使って決めることが出来ます。これらの資料によると、 日本の家の一戸建ての標準形は、敷地面積292m2の土地に建つ、総床面積134m2の二階建て家屋で、標準価格は¥3637万円の様です。もちろんこれは全国平均で、東京23区内ではこれより遥かに小さい家が何億するのもザラにあります。

一方アメリカは、1436m2の土地に建つ総床面積241m2の家が標準形で、その価格は$252,200
の様です。当然ニューヨークの家の平均は、これより遥かに高い値段をずっと小さな家に払う事になります。しかし、両国の住宅事情を比べるにはこの標準形を使えば、両国の違いが的確に把握出来ます。

議論を分かりやすくする為に、$1を¥100と換算しましょう。すると、同じ値段でアメリカでは7.1倍の広大な敷地に建つ2.6倍の大きな家に住めると言うことです。世帯の所得の平均値は日米で殆ど差が無いこと考えると(日本の¥537万に対しアメリカは$52,250)アメリカの住宅事情がどれだけ恵まれているかが分かると思います。

5LDK庭と車庫付きの一軒家。日本だったら夢のような家。一握りの財力に恵まれた人がやっと手に入れたとしても、猫の額ばかりの土地に建築技巧を駆使し狭い間取りの家が関の山。アメリカなら中流家庭の人達が普通に手に入る家です。しかも3台車が停められる車庫付きで、トイレとバスルームが2つ。私はこんな家に住めるのだから、その幸運を毎日感謝すべきという人が大勢いらっしゃると思いますが、実は私は自分の不運を呪う毎日です。

広い家と土地は雑用を大量に作り出し、日々のストレスを増加させます。青々とした芝生は見ると清々しく感じますが、それを作りそして維持するのには膨大な努力が必要となります。少しでも気を抜くと雑草が生え、放って置くと庭は一面雑草のお花畑に変わってしまいます。毎日二回朝と晩に庭全体に水を巻き週二回芝を刈る必要があります。芝刈りもリールをガラガラなんていうのでは間に合いません。汎用エンジンがついた乳母車のような手押しの芝刈り機か、ゴルフカートの様な小さな車で芝の上を走り、車体の下に高速で刃を回して刈ることになります。当然そのマシンを収納する場所が必要になり、そのため大きな車庫が必要になります。無農薬でナチュラルな芝生を作りたいと雑草を手で処理しようと心掛けても、雑草には勝てず、庭は瞬く間に雑草に占拠されてしまいます。私が家を持った最初の春は、庭はタンポポ畑に化してしまいました。タンポポは綺麗だからいいやと放っておいたら、次から次にと名も知れぬ雑草たちに庭は完全占拠されてしまいました。庭を雑草から守る最善策は、強力な除草剤と強い化学肥料の散布です。オールナチュラルなんて言っている暇はありません。春から秋にかけて5回この化学の作り出した賜物を戸惑いもなく巻きます。罪悪感は少し感じても、それ以外に庭を綺麗に保つ方法はありません。

花壇や野菜を作るのも、大きな庭があると、つい手を伸ばして大きくしようと思い、結局手に追えず失敗するか、手間を少なくする為に、遺伝子工学で作られた害虫に強い品種を使うことになります。少し怖い気がしますが綺麗事を言っていては生活ができません。

庭には木が欲しいなんて言ってると秋の落ち葉集めに時間がさかれ、それの効率を上げる為にリーフブローアーなる装置を買う事になります。更に雪が多い中西部は車庫から道までの地面と歩道に積もった雪を除く雪かき機が必要となり、家の外周りを管理するのに、車一台分のスペースを占めるマシンや道具が必要になります。更に、これらのマシンや道具は頻繁にメンテをしなければなりません。広い敷地や庭は頭痛の種を増やすだけで何も良いことは無いと思います。

広い家もまた困りものです。まず物が増える。人が物欲を制御する要因は2つ。一つは買うお金が無い。これは、万国共通です。もう一つは置く場所がない。日本では買えるけど置く場所がないから我慢することが良くあるでしょう。アメリカではこの制御がききません。日本では買わない物もスペースに余裕が出ると買ってしまう。そして物が増えると掃除が大変になる。特に床に置くものが増えると届きにくいスミや隙間が出来ます。空間に余裕があるからと言って、もう一匹ペットを買うと、更に家の中が汚れます。

アメリカの掃除機は広い部屋を短期に掃除が出来るように掃除機の吸入部に様々な工夫が施されノズルが大きく重い。全体の重量を減らすため、一体型のアップライトの掃除機が一般的です。日本は清掃面積が少ない為、ノズルは小さく簡潔に出来ており、その代わり本体をノズルから離し、細かい隙間や角が清掃し易く出来ています。物が少ない広い部屋を掃除するのにはアメリカの掃除機は最適ですが、家具が増えスミや隙間が多くなるとアメリカの掃除機はお手上げです。私は何度も掃除機に癇癪を起こし、何度も買い変えましたが広い床も細部もどちらも効率良くきれいにできる掃除機をまだ見つけていません。

日本より2.6倍広い家とは、それだけで掃除に2.6倍の時間がかかる、加えて増えた物による角や隙間を考えると、アメリカの家は掃除の手間は日本より3倍近くかかると見て良いでしょう。三倍の掃除の負担と庭の手入れに必要な膨大な仕事を処理する時間をアメリカ人はどうやって作っているのでしょう。実はアメリカの家の問題は手間の増加だけでなく、家事の時間の短縮がこの問題を更に困難にしています。

以前、別の投稿でアメリカの家庭の殆どが共稼ぎと書きました。夫婦どちらもフルタイムで働くので、世帯当たり家事に費やす時間は日本より遥かに少ないのです。仕事量が増え、それをこなす時間が減るのですから、この問題を解決するには一つしかありません。それは仕上がりの期待値を小さくする事です。各部屋を曜日に割り当て、掃除は一週間に一度と成ります。

日本人はアメリカ人はガサツで、雑で、いい加減で、清潔感が無いと言う人が良くいます。特にこれを日本の男性が言う場合は、アメリカ人女性に対する批判となる筋合いがあります。部屋のスミの埃を指して、アメリカ人は怠け者だと言う日本人にも何人も会いました。私自身、結婚当初、家の掃除を巡ってワイフと良く大ゲンカをしましたが、家を持って家事を共有すると、仕上がりの期待値を下げる事も生活の知恵の一つと直ぐに納得しました。アメリカの家の広さはどんなに努力しても日本の清潔さを維持する事は不可能です。日本の価値観を貫いてそれを実行しようとすると、様々なところに悪影響が出てしまいます。

この様な理由で、私にとって、本当の幸せとはアメリカ人の女性と日本の家に住む事です。残念ながら、日本に住むオプションが今のところ無いので、今後も家の掃除と庭仕事の奮闘は続きます。

次回はアメリカの家の台所について一緒に考えてみましょう。 

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