自由の国アメリカから別世界へ ー その3 夜の世界

ティファナナイトクラブ
前回、と言っても、これについて投稿してからすでに2ヶ月半も経ってしまいました。このシリーズの最終回です…かな。

前回、前々回、

 

自由の国アメリカから別世界へ ー その2

自由の国アメリカから別世界へ ー その1

 

で、メキシコの貧困の状況をお話しました。今回は、シリーズ最終回の題材としてふさわしい(?)お話、夜の世界についてつらつらと書いてみたいと思います。

 

事前に言っておきますが、これからお話することは、今から10年以上も前に私が経験したことですので、今は随分状況が変わっていると思います。明らかに変わっていることの一つに、「危険度」があります。私が知らなかっただけなのかもしれませんが、10年前は、ティファナもそれほど危険な場所ではなかったと思います。私の友人も毎週末、ティファナに飲みに行っていたと記憶しています。でも、今では、ティファナは非常に危険な場所と言われています。昔よく遊びに行っていたアメリカ人でさえもそう言っているほどです。なので、この投稿を読んで、「俺も夜の世界へ行こう!」と思われても、出来れば行かない方が良いと思います。絶対にお勧めしません。行く場合には、自己責任でお願いします。そのくらいの覚悟が必要だと思います。何せ、警察もあてにならないような世界ですから。

 

さて…さんざん脅した後に、このような話をするのは、ちょっと気が引けますが…、続けましょうか。

私が最初にティファナの夜の世界を経験したのは、今から15年ほど前のことです。会社の「悪友」が、

 

悪友:「ヘイ、Masa。お前、ティファナに行ったことあるか?」

私:「うん、両親を連れて、レボルシオン通りを歩いたことあるよ。」

 

両親が我々を訪ねてサンディエゴに来た時に、観光がてら初めてティファナの街に入りました。もちろん昼間です。

 

悪友:「今度、飲みに行かないか?俺、いい場所知ってるんだ。」

私:「夜の世界ってことか。悪くないね。じゃぁ連れてってくれる?」

悪友:「Masa、行ったことないんだ。面白いぜ。俺がおごってやるからな。金のことは心配するな。」

 

と言うことで、「例の駐車場」で待ち合わせをすることに。

 

夜の7時に駐車場に待ち合わせ、3人で国境越え。例の一方通行の鉄のゲートを抜けるとそこはメキシコ。たくさんの人がアメリカ側からメキシコに入国しています。その中には明らかに、これからティファナの夜を楽しもうと言う若者たちもたくさん。数人は、買い物袋や大きなバッグを方にかけた人たちも見られます。おそらく、毎日アメリカで働いていて、夜、家族の待つメキシコに帰るってことでしょう。

 

さて、国境を超えた我々は、「例のタクシー乗り場」に向かいます。いや、向かうまでもなく、早速タクシーの運転手が我々に寄ってきます。

 

タクシーの運ちゃん:「どこまで行く?」

悪友:「XXXクラブ」

タクシーの運ちゃん:「OK。じゃぁ、3人で$20でいいや。」

悪友:「あれ?この前来たときは3人で$15だったけど。」

タクシーの運ちゃん:「じゃぁ、$15でいいよ。」

 

さすが悪友。ティファナの世界でかなりの経験があるらしい。で、我々はタクシーでXXXクラブへ。

 

我々は目的地に着いて車を降りる。時間は夜7時半。驚いたことに、たくさんの人達が辺りをあるいています。明らかにメキシコ人じゃない人達、白人。

 

私:「へー、アメリカ人、たくさんいるんだな。」

悪友:「やっぱ、みんな、好きなんだろ、こう言う世界。アメリカにはないような雰囲気だからな。」

 

と言うことで、われわれはXXXクラブへ入ります。

クラブと言っても、銀座とか六本木のクラブを思い浮かべてはいけません。古いし汚い。店の大きさは、ちょうど、小学校の教室を2つほど合わせた程度。店の中央にお立ち台があります。で、その回りに、無造作にテーブルが並べられています。テーブルや椅子も全く洒落たものではなくて、大衆食堂のものをを思い浮かべてもらえばいいでしょう。そう、鉄パイプのやつ。

で、中に入った我々は、その鉄パイプのテーブルの1つに陣取ります。すぐに、ウェイターと思しき男性が近づいてきて、カタコトの英語で御用聞き。

 

ウェイター:「何にしますか」

悪友:「ビール3本、持ってきて。」

 

ほどなくして、ビール3本が届きます。確か、小瓶のビールにチップ込みで$5払ったはず。まぁ、こんなもんでしょう。

 

しばらくすると、店はディスコと化して、大きな音量で音楽が流れ始めます。

 

私:「何が始まるんだ?」

悪友:「ま、見てりゃわかるって。」

 

と、奥のドアから、たくさんの女性が現れ、店の中央のお立ち台に登って踊り始めました。その数、多分20人以上。

回りのアメリカ人と思われるお客さんがいっせいに身を乗り出すようにして、その女性たちを見ています。もちろん、我々も。

 

悪友:「Masa、どの子が可愛いと思う?」

私:「全員!でも、めちゃ若くないか?」

悪友:「うん、多分、20歳はいってないはずだ。」

私:「そんなの働いてもいいのか?」

悪友:「いや、よくわからない。でも、働かざるをえないんだよ。貧しい人たちだから。多分、中学生くらいの子もいるはずだ。」

 

夜の楽しい世界のはずが、その一言、「貧しい人たち」で冷めてしまう。

 

と、そこへ、メキシコの帽子、ソンブレロをかぶった男の人が我々に近づいてきます。手には、たくさんの花束。彼、我々に向かって何か話しています。

 

悪友:「花を買って、彼女たちにプレゼントしろってことだよ。」

 

と。悪友は、慣れた手つきで、手を下から上に降る。つまり、「いらない」ってこと。私は、ここにも貧困を感じました。

悪友は、花束なんぞに目もくれず、女性グループに釘付けになっている。

 

私:「お前、好きだなあ。」

悪友:「おい、Masa。俺たち、何のためにここに来てると思ってんだよ」

私:「???」

悪友:「いい女の子と遊ぶためだぜ。」

私:「え?そう言うことなの?」

 

と…悪友は立ち上がり、踊っている女性グループの中に入っていきます。もう一人の悪友も。

そして、二人共、「人の群れ」から、一人ずつ女性の手を握って、こちらの方に連れてくるじゃないですか。で、席につきます。

悪友が、ウェイターに手を振る。ウェイターがやってきて、彼女たちにビールをオーダー。

 

悪友:「おい、Masa。何やってんだよ。お前も気に入った女の子、連れてこいよ。」

私:「え…俺は…ちょっと、それは…」

 

少し冷め気味の私には、気に入った女性の手を引いてこちらに連れてくる気分ではありませんでした。←これ、正直な気持ち。

 

悪友:「よし、わかった。じゃぁ、俺がMasaの好きそうな子を連れてきてやる」

 

と立ち上がって、また、女性の中に入っていって、一人、女性の手を引いて来ました。

 

悪友:「じゃあ、Masaはこの子と話してくれ。」

私:「いや、その…。」

 

悪友二人は、連れてきた女性とすでに恋人モード。私はこのような経験が全くなかったので、どうして良いものかまったくわからず、おどおどした感じで、英語でその女性に話しかけました。

 

私:「名前、何て言うの?」

彼女:「XXX」←忘れました(汗)

私:「ティファナに住んでるの?家族は?」

彼女:「うん。5人兄弟で、お父さんとお母さん。」

私:「たくさん兄弟がいるんだね。」

彼女:「うん、だから、私、働かなきゃならないの。私、一番上だから。」

私:「大変だね。いつも何時まで働いてるの?」

彼女:「朝の4時ごろまで。それから家に帰ってから寝るの。」

私:「そりゃ大変だな。からだ、壊れちゃうよ。」

彼女:「大丈夫。昼と夜が逆転してるだけだから。」

 

彼女は以外に流暢な英語を話します。都市の頃は高校生くらい。まともな教育を受けてるとは思えない彼女がこれほど英語を流暢に話すとは。相当アメリカ人のお客を取っているってことなのか…。メキシコの貧困をこんな場所でも感じるとは…。

と、そうこうするうちに、悪友たちが席を立ちます。

 

私:「あれ、どこ行くの?」

悪友:「ちょっとこの子たちと用事。」

私:「???」

悪友:「Masaもその子と楽しんでくれ。じゃぁ、帰りは店の外でXX時YY分に待ち合わせるってことで。」

 

私も嫌いな方ではないので、すぐにピンと来ました。

つまり、簡単に言うとこう言うこと。

 

「男性が好みの女性を見つけ、お金を払って彼女とベッドを共にする。」

 

ってこと。

日本ではこう言うのないと思いますが、東南アジアに行くと結構あるようですね。

 

ここで働いている女性のほとんどが貧困層であることを考えると、なかなかそう言う気分にはなれないですね。 

自由の国アメリカから別世界へ ー その3 夜の世界” への4件のフィードバック

  1. オチはわかっていたけど、なんだか悲しいですね。

    貧しいとはこういうことかな。

    日本でも一昔前の農村地帯の貧困家庭?(家庭なんて呼べないかな…)は女の子は【口減らし】といって売られたみたいだし。←NHKのおしん情報(。-_-。)
    それは遊郭もあれば奴隷の場合もあって…
    女の子はつまり、、、生き残れるわけですね。

    私が日本に生まれてきたのは私の意思じゃなくて、、、。
    これだけでも感謝にあたいすることなんですね。

  2. HISAYOさん、コメントありがとうございます。

    なかなか辛いものがありますよ。彼女たちの中には、父親がいない子が結構いるようです。つまり、彼女たちの母親も彼女たちのように、夜の仕事をしなければならず、その結果、彼女たちが生まれた…そんな悲惨に輪をかけたようなこともあるようです。

  3. はじめまして。
    自分も先月ロス滞在時にメキシコのティファナに行ってきました。
    ティファナ初で、クラブに行ったんですが自分が行ったとこはけっこうキレイでした。
    ただ、曜日的にあんまり盛り上がってなかったです。
    それでも、キレイなラテン娘はけっこういて楽しめました笑
    ただ、今のメキシコは麻薬戦争で超危険ですからホント危ないですね。

  4. ledさん、初めまして。コメントありがとうございます。そうですか、ご無事で何よりでした。金曜日とか土曜日の夜はアメリカからの「遊び人」でごった返すようです。夜はできる限り避けたいですね。

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