アメリカ駐在なのに、日本時間で働いていませんか?─現地組織が「定時後の本社会議」に縛られないための視点

こんにちは、Masaです。

 

アメリカ駐在や米国拠点での勤務が決まると、「日本との時差」を気にされる方もいるのではないでしょうか。現地の時間帯によっては、「日本との早朝会議」や「深夜会議」に追われるのではないか、と考えるかもしれません。

 

ただ、私がアメリカでエンジニアやアドバイザーとして過ごしてきた中で直面したのは、早朝や深夜といった極端な時間帯だけではありませんでした。

 

私の場合は、早朝でも深夜でもなく、米国の定時後に始まる本社会議でした。

 

夕方、現地の通常業務が終わる午後5時半から日本本社との会議が始まり、夜まで拘束される。今回は、私自身が経験したこの「時差による会議の負担」を、個人の我慢で終わらせず、組織と会議の設計という視点から考えてみたいと思います。

 

夕方5時半から始まる本社会議の実態

私が関わっていた当時のプロジェクトでは、日本本社との会議は決まって米国時間の定時後、午後5時半から始まり、通常は午後7時ごろまで続きました。

 

オフィスを出るのは夜7時を過ぎ、必要に応じて帰宅後も残務を整理していました。早く帰宅しなければならない日は、車内から会議に参加することもありました。

 

プロジェクトによっては、こうした夕方から夜にかけての本社会議が週に3日組まれていました。その中には目的が曖昧な「情報交換会」や、進捗がない回でも雑談が続き、結論が出ないまま翌週へ持ち越される定例会議が含まれていました。

 

日中に現地の業務をこなし、定時後には日本語で本社会議に出席する。このような状態が続くと、実質的に二重勤務のような負担が日常化してしまいます。

 

時差がある以上、日米間での連絡に一定の工夫が必要なのは事実です。でも、それがすべて現地の担当者のやり繰りや忍耐に委ねられているとしたら、それは個人の問題というよりも、会議の設計そのものに原因があるのではないでしょうか。

 

日本語の会議が現地チームに及ぼす影響

この会議スタイルがもたらす影響は、参加する日本人スタッフの負担にとどまりません。現地チームとの関係性にも影響を及ぼします。

 

本社会議の参加者は日本語を話せる人に限られており、現地の従業員は参加していませんでした。私は日本語が話せるローカル採用者として、本社と現地従業員の間に立つ役割を担っていました。

 

日中には、前夜の本社会議の議事録を英語で作成・配信していました。でも、本社の議論を直訳するだけでは誤解を招く恐れがあるため、悪い印象を与えないよう言葉を選んで「翻訳」して伝える必要があり、この調整役には大きな疲弊を伴いました。

 

現地従業員の中には、自分たちが情報や意思決定から蚊帳の外に置かれていると感じていた人がいたと、私は考えています。現地の上司から、本社が自分たちをどう見ているのか尋ねられたこともありました。現地チームの士気に対する影響を、私は強く感じていました。

 

さらに、プロジェクトの承認は常に日本本社の判断を仰ぐ必要があり、OKが出るまで現地では先に進めませんでした。現地の上級管理職であっても、本社の決定を覆すことはできませんでした。これでは、現地市場のスピードに対応するために置かれた拠点が、本来の機動力を発揮できなくなるリスクを抱えることになります。

 

私が米国企業で経験した会議のルール

その後、私が経験した米国企業での会議運営は、明確な原則に基づいていました。もちろん米国企業にも組織ごとの違いはありますが、私が働いた範囲では以下の点が徹底されていました。

 

⚫︎ 会議は通常の勤務時間内に行われる

⚫︎ 会議の目的が事前に明確に定まっている

⚫︎ 定められた時間内に必要な結論を出す

⚫︎ 会議を開く必要がない用件は、メールなどの連絡で済ませる

⚫︎ 事前の根回しはほとんど行われない

 

また、「答えが分かっている質問で人を試す」ようなやり取りもありませんでした。会議は確認のための儀礼ではなく、判断を下すための手段として機能していました。

 

拠点の時間と意思決定を見直す原則

大企業の米国法人において、一駐在員や現地社員が組織全体の仕組みを変えるのは容易ではありません。でも、比較的小さな組織やベンチャー企業であれば、運営ルールを見直す余地があります。

 

米国拠点を設ける目的が現地市場への適応にあるなら、拠点を日本本社の時計だけで動かすことは避けるべきです。改善に向けて、以下の原則が有効だと考えます。

 

  1. 不要な会議を開かない
    進捗がない定例会は開催を見送り、報告事項は会議以外の手段で済ませる。
  2. 会議ごとに目的を定め、時間内に結論を出す
    何を決めるための会議かを明確にし、時間内に必ず結論を出して終了する。
  3. 答えが分かっている質問で人を試すのをやめる
    探り合いを排し、事実に基づいた建設的な議論を行う。

時差がある海外拠点との協業では、意識しないと時間も判断も本社のペースに偏ってしまいます。

 

でも、「海外勤務だから仕方ない」と個人の我慢に頼る状態が続けば、私の経験では、現地人材を生かす余地や市場での判断の速さに影響するリスクがあります。

 

大切なのは、根性論ではなく、会議の目的と進め方を客観的に見直すことです。

 

まずは今ある会議の一つひとつについて、「本当に今、全員が集まって話す必要があるのか」を確認してみる。そこから、無理のない運営に向けた見直しの糸口が見えてくるかもしれません。

 

Masaでした。 

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