親父バンド、ギグる

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つい先日、アメリカに来て初めてギグをしました。ギグと言ってもライブハウスじゃなくて、スタジオを借りて自分たちで勝手にわいわいやりました。



ことの発端は、会社で仕事中に、ひょんなことから私の隣のオフィスにいるBill(多分50歳は過ぎています)が、「最近ギター練習してないんだよなぁ~。腕がなまっちゃうよ。」とぼそっともらしたのを、私が聞いたこと。



私「あれ?Billって、ギターやってるの?」



Bill「うん?まぁね。趣味程度だけど。」



私「どんな音楽?」



Bill「ブルースなんか最高だよね。」



私「えー、じゃぁ、エレキギターなんか弾くんだ。」



Bill「まぁ、それほどうまいとは思わないけどね。」



私「実は俺も。ブルースじゃなくて、どちらかと言うとハード系だけどね。」



Bill「おお、Masaもやるの?じゃぁ、今度スタジオ借りてギグらない?」



私「でも、ドラムとか他はどうする?」



Bill「実は、Simon、ドラム出来るんだよね。彼にはいつかやろうって話、してあるから。あとはベース。」



私「ああ、ベースなら、すぐそばにいるよ、プロ級のやつが(笑)」



Bill「え?誰、それ?」



私「Kevin。彼、自分でバンドやってて。ボーカルもプロ級。」



Bill「おお、じゃぁ、すぐにでも出来そうだよな。やろうやろう。Simonがスタジオ予約してくれるから。あと、Rajeevもバリバリのブルースマンだから彼も誘うよ。」



と、話したのが、今から半年も前のこと。



で、先日ようやく、初ギグが実現しました。ギター3人、ベース兼ボーカル1人、ドラム1人、計5人。「オールマンブラザーズバンド」じゃなくて、「オールドマンブラザーズバンド」かな。



正直、アメリカのスタジオは初めての経験。行ってみて驚き。オフィス街の一角。オフィスビルの一部をスタジオとして使っています。



防音は?多分、壁と壁の間に消音材か何かを入れているだけだと思います。普通のオフィスですから、窓もあるわけで。窓にはカーテンのみ。2重窓にはなっていません。



オフィススタジオには、ボーカル用のPA、ギターアンプ2台、ベースアンプ1台、それにドラムセット。どう言うわけかホワイトボードが1つ。



アンプ類はかなり良いものを使っていました。



正直言うと、私、社会人になって数年バンドをやっていたのですが、最近はぜんぜん。この日15年ぶりくらいにギターに触りました。当時かなり分厚かった指の皮も、今じゃ薄くてソフトになっていますから、弦を押さえるのも結構大変。痛くて...。



他の連中は、ほとんど現役でやっているようですから、スタジオに入るや否や、アンプやエフェクターをセットして、いきなり演奏を始めました。Billはもうノリノリ。ブルースを弾きまくっています。



皆、アメリカ人なので、80年代、90年代のロックやブルースはよーく聞いているようで、



Bill「XXやらない?コードは●、○...。簡単だろ?」



私以外「ああ、知ってるから出来る。やろう、やろう。」



私「そんな曲、聞いたことないよ。ま、みようみまねでやるから、やってみてよ。」



と言う感じ。



そんなこんなで、丸々3時間。ぶっ通しで弾きまくりました。Bill叔父さん他、3名もかなり満足した感じ。1時間当たり20ドルのスタジオレンタル料ですから、3時間で60ドル。5で割って1人当たり12ドル。日本じゃ考えられない値段です。



私「じゃぁ、次はいつやる?」



Bill「少なくともひと月に1回ペースではやりたいよな。じゃぁ、来月の中ごろにまたやるか。Simon、予約頼むな。あと、Masa、次までにしっかりと曲、覚えてこいよ(笑)。」



私「もちろん!」



とても楽しいひと時でした。



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ビザなしでアメリカ滞在

ある人がこんな話をしていました。



「ビザなしで3ヶ月間はアメリカに滞在出来るので、それを繰り返せば、アメリカに住めることになる。」



確かに、ビザなしでの90日間のアメリカ滞在は法律上は問題ありません。



私の知り合いで、ビザなしで仕事をしていた人がいます。随分前の話なのですが、3ヶ月周期で日本に戻って、「90日」をリセットして、またアメリカに戻ってくると言う生活を続けていました。彼からは特に問題があった話を聞きませんでした。今は、正式に就労ビザを取って家族と一緒に暮らしています。



こんなこと、本当に出来るのでしょうか?どう思いますか?



思うに、入国審査官の判断で決まるはずです。



一般的には、アメリカ国内で働く場合には、就労ビザが必要になります。これがなければ、基本的には違法就労になります。



じゃぁ、アメリカで開かれている展示会を視察するとか、学会に参加するとか、あるいは、お客さん廻りをする場合はどうなんだと言う質問も出てきそうですね。これも一般的な話ですが、問題ありません。短期でしょうから、仕事が終わり次第帰国しますよね。入国審査の際に、渡航目的と帰りの飛行機のチケットを見せれば、特に問題はないと思います。



滞在期間が2ヶ月、3ヶ月になると、おそらくかなり詳しく滞在目的について聞かれるはずです。多分、別室に連れて行かれるかも。なぜ長期間の滞在が必要なのか、アメリカ国内で人員を調達する手段はないのかとか。その調査内容がすべてコンピュータのデータベースに残されます。



さらに、滞在期間満了で一時帰国して、再度、アメリカに入国する時、以前のデータがデータベースから簡単に取り出されますから、さらにややこしいことになるでしょうね。別室へ通されて、なぜ就労ビザを取らないのかとか、計画を見せてみろとか。



最悪は再入国拒否になるでしょう。それはすべて入国審査官の裁量に任されています。ある審査官で大丈夫でも、別の審査官だとダメと言うのはいくらでもあります。



また、この3ヶ月の滞在期間中にカナダとかメキシコに観光旅行...なんてことは考えない方が良さそうです。再入国の際に「何で観光なんかしてるんだよ?」と聞かれて、最悪は入国拒否。ちなみに陸路での出国→入国では、この期間はリセットされません。



もし、3ヶ月滞在を繰り返す必要がある場合には、正式にビザを取るか、あるいは、会社からその旨を書いた申告書を書いてもらって、それを常に持参するようにした方が良いでしょう。でも、ビザ以外は、あまり当てにならないと言うことも覚えておいた方が良さそうです。



もう一つ。不法滞在になると、その後10年間はアメリカに入国することが出来なくなります。



脅かすようですが、これが最近の状況のようです。



びくびくしながらのアメリカ滞在は楽しくないですから、面倒くさくてもきっちりと決められた手続きを踏んで入国した方が安心です。

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夏時間(Daylight Saving Time)

今日からDaylight Savingが始まりました。一昨年までは4月からだったのですが、去年から3月半ばから始まっています。



正確に言うと、今日の午前1:59の次に2:00になるのではなくて、3:00になります。要するに今日、3月9日は24時間ではなくて、23時間になります。



Daylight Savingの始まりはいつも辛いんですよね。日曜日、いつもなら8時ごろまで寝ているのですが、それが7時起床と言うことになりますから。1時間の差は大きいです。



また、最近は朝6時ごろには、空が白み始める時間なのですが、今日からは、真っ暗。7時ごろようやく白み始める感じでしょう。



明日から平日営業になりますから(笑)、6時起き。と言うことは、しばらくは5時起きになります。かなり辛い...。

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コミュニティのヒアリング

アメリカにはホームオーナーアソシエーション(HOA)と言うのがあるんですね。全米にあるのかと言うと...ないところもあります。



日本で言えば「~組」とか言うのかなぁ。それともXX町内会かなぁ。



ようするに、その地域に住む人たちが参加しなければならない組織なんですね。住宅地に100軒とか200軒とか家が建つとそれが1つのコミュニティになって、そこでHOAと言う組織が出来るのが普通です。



毎月コミュニティ費として各ホームオーナーが100ドルとかをHOAに支払い、HOAはそれを使って、コミュニティ内の施設を管理します。



前置きが長くなりました。



昨日、コミュニティのミーティングに初めて参加しました。と言うか、強制的に参加させられました。理由は...



うちのコミュニティは、毎月1回、ウォークスルーと言って、HOAが1軒1軒、フロントヤードは汚れていないかとか、コミュニティのルールに違反しているようなことをしている家はないかとかを見て回ります。家の中はチェックの対象外です。



そこで違反している家を見つけた場合、警告を発します。警告を受けた家庭は、30日以内にそれを直せば問題ないのですが、30日後、次のウォークスルーの時に改善されていない場合には、HOAミーティングのヒアリングへの参加を指示されます。ヒアリングでは、なぜそうなっているのか、なぜ改善できないのか、いつまでに改善するのかを説明することが義務付けられています(コミュニティの規約で決められています)。



そこで、改善する意志がないと見なされると罰金となります。うちの場合、30日で50ドル、60日で100ドル...改善しなければ、どんどん罰金の金額が上がっていきます。最終的には多分逮捕されるんでしょうね。



で、なぜ、私がヒアリングに参加しなければならなかったのか。



うちのフロントヤードのあるエリアが汚れていたから。



落ち葉とか草とかで汚れていたんです。それを30日以上ほったらかしにしておいたため、ヒヤリングに来いと言うことになりました。



うちのフロントヤードは隣の家との境がはっきりしていなくて、隣の雑草がうちに侵入していることが結構あるんですね。それを汚いと見なされたのではないかと思います。



ヒアリングのレターをもらってからヒアリング参加前までに、とりあえず、だれが見ても「手入れはしてある」と見えるように、花を植えてきれいにしました。



で、昨日、ヒアリングに参加。



ヒアリング参加者は、4人。そのうちの2人は常習犯のようでした。



アメリカの文化は、自分の正当性を訴えるために、とにかく言い訳を並べることが許されます。今回は、私もアメリカの慣習に則り、思い切り言い訳をしました。自分が恥ずかしくなるほどの言い訳(笑)。週末は子供のアクティビティで忙しいとか、かみさんが忙しいとか、雨が降ると手入れが出来ないとか。



で、ポイントは、いつまでに改善を終える予定かをはっきりさせること。私の場合には、すでに改善は終わっていますので、今週末と言うことにしました。



50ドルの罰金は払う必要はないとの結論でした。まぁ、よほどのことがない限り罰金を取られることはありません。その2人の常習犯はすでに50ドルの罰金を支払済みのようでした。



今回は良い経験になりました。たまにはこう言うのも良いです(笑)。

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アメリカ企業でpolitics

意味不明のタイトルを付けてしまいました。



最近私の周りでも、ちらほら噂を聞くようになりました。



ポリティクスと言っても、今ホットなアメリカ大統領選の話ではありません。



会社内の派閥の話。



日本の会社にいたころには、毎日のようにそのような話を聞いていましたが、アメリカ企業ではあまり聞くことはありませんでした。



でも、最近はうちの会社でもよく聞きます。



成長企業やある程度の規模の企業にはよくある話だと思いますが、私としては、それが悪い方向にいかないようにと思っています。



2年ほど前から、うちの部署は開発体制強化のために、いろいろな会社から優秀な人材をヘッドハントしています。上はシニアディレクタレベルから下は1技術者に至るまで、非常にアグレッシブに雇い続けています。



日本でもたまにありますよね、ある企業のある部署が部署ごとごっそりと他の企業に移ってしまうことって。アメリカ企業の場合、そのようなことは日常茶飯事。ただ、頻繁にそのようなことが起こると、人材を失った企業に訴えられる場合がありますので、そう、あからさまにそのようなことはしないのが普通です。



まず、1人抜け、その2週間後に1人抜け、その1ヵ月後に1人抜け、気が付いたらある部署の人間すべてが、ある会社に移っている...みたいな。



その部署を受け入れた企業からすれば、即戦力になる人材を雇うことが出来ますから、当然ウェルカム。



ただ...、えてして、そのような他から移ってきた人間は、前の企業の文化まで持ち込む場合があるんですね。部署ごとごっそりですから、前の文化を引きずってくるってのは分からないでもありません。1人で移ってきた場合だったら、よほど影響力を持った人でない限りそのようなことは起こらないと思うのですが。



その文化が、発展途上の企業文化にうまくブレンドすればよいのですが、必ずしもそううまくはいきません。そこに派閥争いが発生します。



最近は、派閥争いに敗れた人たちがひっそりと会社を去っていくことがよくあります。また、その派閥争いに耐えられず会社を辞めていく人もいます。直訴した人間も何人かいるようですが、1人や2人直訴したからと言って、そうそう簡単になくなるわけではありません。必ずもみ消されます。



何か、会社の裏側が見えてしまって、最近気分が悪い。ま、ある程度の規模の会社なら、どこでもこのような話はあるはずですから、仕方ないと言えば仕方ないのですが...。無視するわけにもいかず...。

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