ピュアなアメリカ企業で働く場合には、やはりかなりの英語力が必要になると思います。
でも、それは業種にもよるんですよね。
たとえば、営業やマーケティングなど会社の一線で活躍したいような場合には、ネイティブスピーカ並みに英語はぺらぺらである必要があると思いますねぇ。TOEICなら満点以上(?)は必要でしょう。
また、ManagerやDirectorなど、それなりの職位につきたい場合にも、部下をまとめていくために、かなりの英語力が必要になるでしょう。ようするに他人をほめたり、説得したりする場合に、適切な英語を使う必要があるからです。TOEICで、850点以上でしょうか。いや、多分それ以上必要になると思います。
私のような技術屋の場合、それなりの技術レベルがあれば(私の技術力が高いと言っているわけではありません)、英語力はそれほど高くなくても良いような気がしています。それでも、TOEICは700点以上は必要でしょうか。
でも、もっと大切なことがあるんですよ。
私のいる会社はグローバル企業なので、本社には、いろいろな人種のるつぼなんですね。英語が母国語でない人たちもたくさんいるわけで。
でも本社がアメリカなので、当然共通語は英語になるわけで、皆、会議では英語で話すんですね。中国人とデンマーク人が話す時も英語ですし、ロシア人とギリシャ人が話す時も英語です。サバイバルイングリッシュもかなりいますよ。大変なような気もしますが、大体は会話になっているんですよ。
ようは、どれだけ一生懸命相手の意見を聞いて、自分の考えを相手に伝えるか、なんですよ。その気持ちがなければ、日本語で話していても、会話、成り立ちませんよね。
私も英語では相当苦労しています。笑い話もたくさんあります。この続きはまた後ほど...。
投稿者: Masa
アメリカ企業で必要な英語力
大荒れ、アメリカストックマーケット
今日のアメリカのストックマーケットは大荒れです。
原油高騰が、市民の不安をかきたてています。
うちの会社の株価も今朝から大荒れ。現時点で、7%も急降下。最近見たことがないほどの落ちようです。大丈夫かなぁ。
従業員は、株価に非常に敏感です。今日も朝からその話。「ヘイ、Masa、おまえ、今朝の株価見た?俺、後悔してる。あの時売っときゃ良かったよ。」とか「しばらくは、キープだな」とか。
会社の状況を心配する人もいます。「R&Dに予算使いすぎてるから、耐力あるかなぁ。」とか「最近出て行く人が多いけど、会社、危ないのかなぁ」とか。
私が見た限りでは、株価が上下しても、うちの会社のビジネス(受発注)が左右されることはないと思います。今絶好調の分野なので。
でも、私も7%損していることになるんですよねぇ...。
アメリカ企業の勤務時間
アメリカ企業での勤務時間ってどうなってると思いますか?
私が今までに働いたことのある会社では、従業員ハンドブックに、週40時間と書いてありました。
日当たり8時間、週5日勤務。日本と同じです...。表向きは。
でも、はっきり言って、従業員の判断に任せられていると言うのが現実です。
ある人は、しっかり8時間働きますし、ある人は、残業バンバンしてますし、ある人は、朝10時に出てきて、夕方5時には帰ってしまいます。日当たりの労働時間は6時間程度ってことになりますね。
ホワイトカラーはタイムカードがありませんし、年俸制で残業代が付きませんから、勤務時間をしっかり守っている人は、そうそう多くないと思います。
朝、歯医者に寄ってから出勤する場合でも、前日に所属グループに向けて、メールで「11時ごろ来ます」のようなメールを送ってくるだけで、特に何もしません。それに対して、彼のボスも特にコメントしたりするようなこともしません。
あるいは、「今日は結婚記念日だから早く帰る」と3時ごろにそそくさと帰っていく人たちもいます。また、子供の誕生日だったりすると、朝からそわそわ。ほとんど仕事になってないんじゃないかな。で、3時ごろに早々に帰ります。有休届け、出した方が良いくらい。
今の会社の上司に言われたのですが、1日のうち、ある時間出てくれば、外出届けのようなものは出す必要はないと。思わず笑ってしまいました。
つまり、丸一日休む時以外は、会社への届けは必要ないと言うことです。もちろん、マネージャの判断次第なんですけどね。マイクロマネジメントしているようなマネージャだとこうはいかないと思います(私はそう言うマネージャに当たったことはありませんが)。
また、私の同僚のプログラムマネージャ。ある日、私に電話をよこして、「今日は、ガレージの修理が来るので、一日、家で働くから。あとはよろしく。」だと。
まぁ、プログラムマネージャは、電話とパソコンさえあれば、どこでも仕事できますから、特に問題ないわけで。日本語で言う、「サテライトオフィス」ってやつでしょうか。
日本から考えると夢のような話かもしれませんね。朝から「会社に存在する」ことに意義がありますから。「ミーティングに出席している(『参加している』と言うことではありません)」と言うことに意味がありますから(私の昔の会社の話です)。
ただ、私の周辺の人間だけかもしれませんが、忙しいときには、死ぬほど働きますよ。
一般的にアメリカ人は働かないと言いますね。自分の仕事が終わったら、他が終わってなくても、無責任に帰ってしまうと。
そう言う人も中にはいますが、そうではない人の方が多いですよ。私のいる会社は、近所でも有名なほど、がむしゃらに働く人が多いです。
オフィスは「不夜城」とも言われています。年収いくらと決まっているのに、「そんなにも働くか」くらい働く人も多いです。朝、メールを開いてみると、なぜか、夜中の2時、3時ごろにたくさんのメールが入っていることがあります。「どこかに出張してたの?」と思うのですが、聞いてみると、ラボで働いていたとか。
まぁ、こう言う人たちは、「チャレンジ」することに生きがいを感じているんでしょうね。将来、がんがん伸びていく人たちでしょう。
私は、がむしゃらタイプかもしれません。
チャレンジ、チャレンジ。
アメリカって、学歴社会?
よく日本は学歴社会と言われます。
少なくとも私が若かった頃(もう数十年も前の話ですが)は、良い高校に入って、良い大学に行けば、大企業に入って将来安定した生活が送れると言われていました。だから、皆、東大とか慶応、早稲田とか目指して、必死になって勉強していたんですね。
「それと比較すれば、アメリカは自由奔放な国なんだから、学歴なんてクソ食らえ、自分で頑張れば、会社のトップにだってなれるんです。あー、アメリカってなんて良い国なんだろう。」と考えている人がいたら、それは大間違い。顔を洗って出直していただいたほうが良いと思います。ビルゲイツは別ですよ(ま、彼は、ハーバード中退ですから、学歴はあったかもしれませんね)。スティーブジョブスだって別でしょう(彼も一応大学は出ています)。
アメリカに来て、働くまでは、私もそう思っていました。
実は、アメリカ、もしかしたら、日本なんかよりもずっと学歴社会かもしれません。間違いなく学歴社会です。
今、うちの部署は、人が不足していて、死ぬほど忙しいので、求人広告を出して、技術者を応募しています。多いときは週に十数人の履歴書に目を通しますが、まず、見るところは、もちろん、その人の持っている過去の経験ですね。で、次は、やはりどこの大学を出ているか、大学院は出ているか、なんです。
人によっては、まず学歴でスクリーニングします。それから、過去の経験を見ます。なぜかと言うと、大体学歴の高い人は、それなりの経験を積んでいることが多いから。でも、学歴だけで選んじゃうと、失敗する可能性は高いんですけどね。
高校卒業、短大卒業では、(少なくとも)良い技術職には就けません。私の周りは院卒、それも博士課程を出ている人がたくさんいます。それでも、出世コースから外れて、ちまちま働いている人もいるんです。
会社に入ってからも、出世コースに乗りたい人は、会社が終わってから、夜間の大学に通って、MBAを取ったり、ドクターを取ったりします。それほど、学歴が大切なんですよ。ちょっと怖いくらい。
もちろん、例外もあります。私の知り合いは高卒で、今そこそこの会社のVice Presidentをやっています。人のやっかみを買っていますが、ひたすらマイペース。ガンガンチャレンジします。よく働きます。人の面倒も良く見ます。だからあそこまで大きくなれたんでしょうね。
あ~、俺も頑張ろうっと。
アメリカ企業ストックオプション
アメリカ企業...と言うとすぐに頭に浮かぶのが「ストックオプション」ですよね(って私だけかな)。ご存知だと思いますが、アメリカ企業の幹部クラスになると、年間でとてつもなく多くのストックオプションが与えられます。
たとえば、今、私が、1万株をストックオプションでもらっていたとします。話を簡単にするために、現時点での一株が10ドルとしますよね。一年後にその一株が11ドルになってたとすると、一年後にすべて売ることが出来たとして、1ドルX1万株=1万ドル。100万円!!!
じゃぁ、一年後に9ドルになってたらどうするか。普通は考えますよね。逆に損しちゃう?そんなはずはありませんよね。従業員へのストックオプション付与はボーナスみたいなものですから。
一年後にもし安くなっていたとしたら、通常は、その時点での株価の15%程度アップくらいで売ることが出来るようになっているんです。結構うれしいですよね。逆に考えれば、もし一年後の株価が15%アップしてなかったら、15%アップで売ることが出来る、ってことでしょうね。
うちにもあります、こう言うの。日本で言う「従業員持ち株制度」。毎月、自分の給料をある枠内で自社株に投資が出来るんですね。で、年2回、それを現金に換えることが出来るんです。今言った15%で。やらなきゃ損ですわ、そりゃ。
ボーナス代わりにストックオプションをもらうこともありますし、大体入社時に、サイニングボーナス(signing bonus:会社のオファーを受けたお礼?)で、数千から数万株もらうことも多いですね。
昇進時にもかなりの株数をもらうことがあります。私の場合、1階級昇進で、数千株をもらいました。もらった時点の株価が固定されますから、その株価が上がった分 X 株数のお金をもらうことが出来るようになります。
あと、もう一つ、Restricted Stock Unit(制限付き株式)ってのもありますね。うちにもありますが、これは、簡単に言えば、株を丸々渡してしまうってやつです。
ストックオプションの場合は、もらった日の株価と売る日の株価の差額が儲けになりますが、こちらの場合は、売る日の株価 X 自分の持ち株が自分の懐に入ります。
このRestricted Stock Unitも入社時にボーナスとしてもらう場合もありますし、自分の頑張りが認められた時にもらう場合もあります。もちろん、昇格時には必ずもらえます。
ちなみにうちのCEOは去年、給料とボーナスで$7.7 million、$100million程度の価値のストックオプションを手に入れたとか。
気の遠くなるような額です。責任ある立場にある人のストックオプションは無限大です(笑)。