火をつけたのは人間、燃え広がらせたのはAI?〜LAパリセーズ火災・放火犯逮捕のニュースから考える〜
こんにちは、Masaです。
今年10月、ロサンゼルス西部の高級住宅地パリセーズ(Palisades)火災の放火容疑者がフロリダ州で逮捕されたというニュースがありました。
「え、今ごろ?」と思われた方も多いかもしれません。実はこの火災が起きたのは今年1月。日本でも報道されたと思います。半年以上の捜査を経てようやく容疑者が特定されたのですが、その背景には、なんとAI(ChatGPT)が関係していたということです。
事件の舞台は、太平洋を望む丘陵地帯、サンタモニカ山脈のふもとにある住宅街。私もロサンゼルスを車で通り過ぎる際に、このあたりの海沿いの道を何度か走ったことがありますが、本当に美しい場所です。その穏やかな景色が、一夜にして火に包まれました。
Palisades Fire(ウィキペディアより)
1月上旬、強いサンタアナ風と乾燥が重なって、約23,000エーカー(東京23区の半分近く)を焼き尽くしました。死者12名、建物6,800棟以上が焼失、まるで自然災害のような被害でしたが、原因は人為的だった可能性が高いとされていました。
当局が逮捕したのは、ジョナサン・リンデンクレヒト(29)という男性です。以前ロサンゼルス近郊でUberドライバーとして働いていたことがあって、現在はフロリダ州在住でした。FBIによると、火災発生前後の位置情報や映像、通話記録などが一致し、さらに驚くべきことに、彼はChatGPTに「街が燃えるイメージを生成させていた」ことが分かっています。
AIが直接火をつけたわけではないんです。でも、彼が「AIで燃える街を想像していた」という事実が、放火の意図を裏づける要素として浮かび上がったようです。
ところで、こうした「放火による山火事」は、実はアメリカでは珍しいことではないんですね。米国立公園局(NPS)によれば、全米で発生する山火事の約85%が人為的な発火によるものとされています。
この「人為的」とは、単なる放火だけを指すわけではありません。キャンプの火の不始末、車や電線からの火花、農業焼却の延焼、花火、バーベキューの炭の放置、そして、故意による放火。火災の原因は、ほんの少しの油断や誤った判断から生まれているんですね。
そのうち、およそ10〜20%前後が故意の放火とか。つまり、アメリカの山火事は「自然災害」というより、“人災”であることが多いということです。乾燥した大地と強風、そして人の心理、その組み合わせが、一瞬で街を飲み込む火となるんです。
当初、1月1日早朝に「ラクマン火災」と呼ばれる小規模な火事が発生していました。その火は一度鎮火したように見えたのですが、地中でくすぶり続け、1月7日の強風をきっかけに再び燃え広がったとみられています。結果として、ロサンゼルス西部の広範囲が焼け落ちる大惨事となってしまいました。小さな火を軽く見てはいけない、まさにそれを象徴する出来事ですよね。
今回の事件で特に注目されたのが、容疑者が火災の前にAIで火のイメージを生成していたという点です。報道によると、彼はChatGPTに「街が燃えるリアルな映像を描いて」と指示していたそうです。もしかすると彼の中では、「想像上で燃やすこと」と「現実で燃やすこと」の境界線が曖昧になっていたのかもしれませんね。
AIは創造のための道具です。でも、それを「破壊のイメージ」に使えば、想像は妄想に変わり、妄想は行動へと変わってしまいますよね。テクノロジーが危険なのではなくて、人の心のブレーキが利かないままAIの力を使ってしまうことこそ、最も怖いと思うんです。
アメリカ社会では、個人主義の強さゆえに、誰もが自由である一方、誰にも止められない孤独を抱えていると思います。「誰かに気づいてほしい」「誰かに認めてほしい」という思いが、SNSやAIとの一方通行なやりとりに置き換わってしまうこともあるんじゃないですかね。それが暴発する形で社会に現れる、今回の事件は、そんな現実を映しているように感じています。
私自身、長年アメリカに暮らしてきて感じるのは、“自由の国”ほど孤独が深いということです。まさに今の自分です。でも、自由とは、責任と節度があってこそ成り立つもの。「火をつける自由」なんて、誰も望んでいないですよね。
パリセーズの青い空は、今も少し灰色を帯びているそうです。でも、人間が火をつけたなら、人間の手でしか消せませんよね。
これからのAI時代、今までにないような出来事が色々と起こっていくのでしょうか。
Masaでした。









