半分食べたステーキ肉も返品できる!?アメリカの「リターン文化」に日本人が腰を抜かす理由

こんにちは、Masaです。

 

アメリカに住み始めて30年近くになりますが、未だに「これだけは日本の常識と違いすぎるな……」と圧倒される文化があります。それが、アメリカの強烈すぎる返品(リターン)文化なんですよ。

 

日本だと、買い物をした後に返品するのって、ちょっと心理的なハードルが高いじゃないですか。「不良品だった」とか「未開封のままサイズを間違えた」といった明確な理由がないと、申し訳ない気持ちになりますよね。

 

でも、アメリカでは、「気に入らなかったから」「やっぱり必要なくなったから」という、日本人から見るとかなり自己都合に見える理由でも、返品を相談できる場面が少なくないんです。

 

今回は、日本人の常識をはるかに超えるアメリカのカスタマーサービスのリアルと、その裏にある消費者心理について、私の体験を交えてお話ししたいと思います。

 

クリスマスプレゼントも「好きなもの」に換えられる?

アメリカの返品文化の凄さを一番実感するのが、クリスマスの翌日(12月26日)前後のショッピングモールの様子です。

 

私が見たモールでも、カスタマーサービス(返品カウンター)の前にプレゼントの箱を抱えた人たちがずらっと並んでいて、「ああ、これもアメリカの年末行事なんだな」と感じたことがあります。

 

アメリカでは、家族や友人から貰ったクリスマスプレゼントや誕生日のギフトでも、「サイズが合わない」「自分の趣味じゃない」と思ったら、平気でお店に持って行って返品・交換してしまいます。

 

「せっかく貰ったものなのに、なんてドライな!」と日本人の感覚だとびっくりしますよね。

 

でもアメリカには、プレゼントを買う時にギフトレシート(Gift Receipt)という、価格だけが伏せられた返品用のレシートを同封してもらう習慣が定着しているんです。貰った人はそれを使って、お店で別の商品に交換したり、ストアクレジットやギフトカードに換えて、自分に合うものを選び直すことができます。

 

贈る側も「気に入らなければ好きなものに換えてね」というスタンスなので、お互いに全く悪びれる様子はありません。合理主義を極めるとこうなるのか、と最初は本当に目からウロコでした。

食べかけの食品や「使用済みの服」も返品OKの寛容さ

さらに驚くのが、返品を受け付けるお店側の許容範囲の広さです。

 

特にアメリカの大手小売りチェーンの返品ポリシーは、驚くほど寛容に作られています。

 

① コストコ(Costco)の「100%満足保証」

コストコは「100% satisfaction guarantee(顧客満足保証)」を掲げていて、例外を除き、満足できなかった商品について返金を受けられる仕組みがあります。食品でも「食べてみて満足できなかった」という理由で返品を相談できることがあるんです。

 

実際、購入して焼いてみたステーキ肉が「思ったより硬くて口に合わなかった」というような場合でも、残っている商品を持っていくと返金対応を受けられることがあります。メンバーシップカードに購入履歴が紐づいているので、紙のレシートがなくても手続きできる場合があるのも特徴です(※もちろん、何でも無条件という意味ではありません。乱用と見なされるような使い方は避けるべきです)。

 

② ウォルマート(Walmart)やターゲット(Target)のレシートなし返品

レシートを無くしてしまった場合でも、多くの小売店では「写真付きのID(運転免許証など)」を提示することで、返品を受け付けてくれる場合があります。

 

例えばウォルマートでは、レシートなしの返品では政府発行の写真付きIDを確認し、交換やWalmartギフトカードなどで対応されることがあります。ターゲットでも、ギフトレシートや購入履歴があればギフトカードで返金されるケースがありますが、開封済み・破損・レシートなしの商品は返品を断られる場合もあります。つまり「何でもOK」ではなく、店舗のルールや返品履歴、商品の状態によって判断されるわけです。

 

私もアメリカに来たばかりの頃、頼まれた電化製品のプラグのサイズを間違えて買ってしまったことがあったんです。

 

開封して一度使おうとしてから気づき、「開けちゃったし、レシートも無くしたし、もうダメだろうな」と諦め半分でカスタマーサービスへ行きました。すると、IDを提示しただけで、ものの一分で「No problem!」と笑顔でギフトカードを渡され、アメリカの「返品の手軽さ」に腰を抜かしたのを今でも覚えています。

なぜこれほどまでに返品に寛容なのか?

なぜアメリカの企業は、ここまで損をしそうなルールを維持しているのでしょうか。

 

そこには、アメリカ特有のビジネス戦略と信頼の考え方があると思うんです。

 

まず1つは、返品をしやすくすることが、結果的に購買のハードルを下げるというマーケティング上の計算です。

 

「合わなければいつでも返せる」という安心感があるからこそ、消費者は迷った時に「とりあえず買って試してみよう」と財布を開きます。返品による損失コストよりも、販売機会が広がるメリットの方が大きいというビジネスモデルなんですね。

 

もう1つは、顧客との摩擦をできるだけ減らすという小売側の考え方です。性善説だけで成り立っているわけではなく、ID確認や返品履歴の管理も併用しながら、それでも「まずは顧客を困らせない」方向に寄せているように見えます。クレーマーと揉めて時間を浪費したり評判を落とすくらいなら、条件に合う範囲でサッと返金して「また来てね」と送り出す方が合理的だという判断ですね。

 

一方で、これを悪用する一部の消費者(例:ホームパーティの時だけ巨大なテレビを買い、パーティが終わったら返品する、など)が社会問題になることもあって、近年では返品期限を短くしたり、ID追跡による制限を厳しくする小売店も増えているようです。

この返品文化、最初は「なんて大雑把で、ある意味でわがままな文化なんだ」と思っていました。

 

でも、長年暮らしていると、「条件に合えば、自分の買い物の失敗をやり直せる余地がある」と思えて、心が軽くなるのも確かです。

 

買ったものが合わなくても、くよくよ後悔しすぎず、まずはお店の返品ルールを確認してみること

 

条件に合えば、失敗した買い物をやり直せる余地がある。この寛容さは、アメリカ生活のストレスをちょっとだけ減らしてくれる、地味にありがたいインフラなのかもしれませんね。

 

皆さんも、もしアメリカで買い物の失敗をしたら、諦めずにリターンカウンターを覗いてみてください。驚くほど簡単に「やり直し」をさせてくれますよ。

 

Masaでした。 

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